いつもは。
劇場へ行ってキャトルレーヴに寄っても何も買いません。
ただ見るだけです。
でも今回は。
店に入ったらお姉さん達が
「REON?本日発売でーーす」って一生懸命に叫んでいて
気が付いたらDVDをレジに持って行っていました
恐るべし、お姉さん達の声 あれは催眠術なのかもしれません。
帰宅してDVDを姫と一緒に見たのですが。
「心はいつも」のダンスを見て、私が柚希礼音にハマれない理由がわかった
気がしました
やっぱりどんなに上手でも麻路さきには叶わない。
って姫に言ったら「見比べる」ってんで「パパラギ」を引っ張り出し。
麻路&白城の「見つめ合ったまま踊る」姿に姫も圧倒されていました。
まあ、姫は礼真琴の嬉しそうな顔にキュンキュンしてましたけどね。
眠らない男ーナポレオン
一大叙事詩
我が家の姫がみた時の感想。
「ストーリーを追うのに必死で何が何だか・・・・あっという間に終わってた」
という事です。
特に歴史好きではない為、誰もが知ってるナポレオンの生涯が
初めてみて聞く話だったから余計に、展開の速さについていけなかったみたい。
正直、私も1幕目の途中までは「何が何だか・・」状態でした。
でもこれをミュージカルとか歌劇とかいう見方ではなく
「ナポレオンのドキュメンタリーを見ているんだ」という視点で見ると
妙に納得できたんですよね
宝塚歌劇じゃなくてドキュメンタリー・・・だったら、柚希以外の連中が
みないっしょくたにされていたことも納得できるでしょう?
スペクタクルドキュメンタリーなので、柚希ナポレオンはほぼ出ずっぱり。
他の登場人物がどんな心情で生きていたのかなんてお構いなしに飛ばしていく。
後にはなーーんも残らない。
小池修一郎の「その場限りの究極の軽さ」の象徴的作品になりましたね。
ジョセフィーヌは単なるツンデレだったのか?
兄のジョセフは弟をどう見ていたのか?
兄のジョセフはジョセフィーヌと弟の結婚をどう見ていたのか?弟側?母側?
マルモンが裏切ったのはただ単に「ついていけなくなった」だけ?
マリー・ルイーズはナポレオンを「悪魔のようだ」と吹き込まれたけど誰に?
そして本当は愛したのか否か?
タレーランは本当は何をしたかったのか?
ナポレオン?世は父親を偉大と思うだけだったのか?
などなど、多分、何度も見れば見る程「何で?」という疑問が起こるでしょうけど
そこらへんはスペクタクルだから関係なし。
ショーのようになーーんも考えないで見るのがよろしい。
なんせ時間の流れすら無視して、ナポレオンもジョセフィーヌも老けないし。
それでもナポレオンの性格・・素朴・強引・せっかち・猪突猛進がはっきりくっきり
描かれていたので主役がぼやける事はなく、その性格に見合ったセリフが
展開されていたので他の脚本家のような失敗にはならなかったんだと思います。
その分、他の出演者には気の毒ですが。
トップスターとして、ここまで豪華にメインに作って貰えたら言う事なし。
まさに柚希礼音の為だけに作られた話だったんだんなあと。
音楽について
「ロミジュリ」のジェラール氏の曲は50曲に上ったそうです。
単純なメロディに転調の繰り返しは歌詞を乗せるのはやりやすいけど
何も残らない・・・という風にならないよう努力したそうです。
この人の曲って、何を聞いても「どこかで聞いた事あるような」感じがしません?
だから馴染みやすいんだと思うんですが。
ゆえに、小池先生としてはこのフランスの作曲家の曲をいかさなくては
ならないし、ストーリーも組み立てなくてはならないし。
大変だったろうなと思います。
あちらもこちらも立てての連続
だけど、50曲も必要だったのか?とも思い。
いわゆるオペレッタ的なミュージカルがブームになっています。
「レ・ミゼラブル」に始まり、「エリザベート」に「ロミオとジュリエット」。
でもフランス版を見ると、「ロミジュリ」はミュージカルというよりコンサートに
近い形式ですよね
それはつまりジェラール氏がポップスの作曲家だからなんですよね。
だから今回も全面的に「歌」でつづっていったんでしょう。
それはそれでいいんだとは思うけど。
本来の「宝塚歌劇」はこうじゃないよ…と付け加えさせていただけるなら。
出演者について
柚希礼音・・・小池作品には欠かせない存在になった柚希礼音。
こんな出ずっぱりで衣装が重い役をよく頑張ったなと。
誰もかれも柚希頼みの中、決して余裕があるようには見えないけど
それでも出来る限り努力している所は尊敬します。
今回の役柄も似合っていたし、そのままフランスに持って行っても
いい感じだし。疲れないようにしてください。
夢咲ねね・・・あのキャンキャンねねちゃんが、ここまで大人の役をやるように
なったんだなと感慨深いものがあるけど、キャリアを考えれば当然か。
全然老けない事にちょっと違和感を持ちつつ。
さらにラスト、ロシアに媚びるシーンね・・・あれ、もうちょっと何とか
ならなかったかなあと。 それまでの性格とあまりに違うので。
愛する夫の為に見境なくというには軽かったし。
紅ゆずる・・・この人は何を演じてもマーキューシオかブルギニョンになってしまう。
引き出しが少なすぎて 先行き心配。
北翔海莉・・・小池先生がわざわざオファーした理由がわかります。
星組の暴走を止める為だったんですねーー
このミュージカルは油断するとだらーーっとなってしまう。そこの
引き締め役だったんだと。
だったらもうちょっとメインで歌わせて欲しかったですよ。
真風涼帆・・・この人も何を演じても売れない作家さんになっちゃう。
しかもフィナーレでは疲れ切ってるし
本来は紅より踊れるはずなのにどうして上手に見えないのか。
人間らしくあって欲しいなと。
礼真琴・・・爆上げですが。実力がそうさせているんだろうとは思います。
でも顔が少し丸くなったかな?引き締めとかないと娘役にしか
見えませんよ。
十輝いりす・・・気の毒だけど隅っこに追いやられるしかないのかな。
この勿体ない使い方、あんまりだと思います。
天寿光希・・・滑舌のよさは絶品で でも演じようがないよね。延々と
ト書きを読んでるだけみたいな役で。
専科陣の安定が嬉しい。美穂圭子の姑は怖いっ
ナポレオンのような成りあがり者でも「後継ぎ」がなければ私情を
抑えて義務を果たすんだなと・・・変な所で感心してしまいました。
キリスト教は側室だの浮気だのを認めないから、形上でも一々離婚と
結婚を繰り返さないといけない。結構面倒です。
イギリスなんかはそれでローマ法王と喧嘩してイギリス国教会を作るくらいだし。
でも我を通すなら義務も果たさないといけないのは世界共通の事。
あのナポレオンだってそういう意識はあったという事ですよね。
今の星組はトップから3番手まで見事なワンパターンの序列。
元々☆って組は不器用な人の集まりでもあったし。
でもパワー全開で観客をひきつけてきた組でもあります。
でもっ
紅ゆずると真風涼帆のワンパターンは容認しがたい。
柚希はいいの。まだあと5年もやるわけないし。
でも、これからトップになる二人がここまで不器用でワンパターンだと
作家が苦労する
二人とも何一つ利点がないんだもん。ただイケメンなだけ?
イケメンでワンパターンを大根と呼ぶんです。
厳しい言い方をするけど、もう少し、もう少しだけ引き出しを広くできない?
これじゃ先行きが危ない。
娘役・・・綺咲愛里は可愛い。でも音波みのりの美しさは絶品だなあと。
次から次へと若いのを引っ張り出してヒロインにするのもいいけど
もう少し、もう少し大事にしてやれないものかと。
娘役はいらないと本気で歌劇団が思っているんじゃないかと心配になります。
ただでさえ娘役より可愛い礼真琴がいるっていうのに。
中途半端だなあと思います。