「音楽の日」に宝塚のOGがご出演。
とはいえ、選曲はあまり・・・・星奈優里・紺野まひる・映美くらら等、可愛いどころを
だしているのに男役との絡みもなく。
「音月、相変わらず歌が上手ね」
「ズンコ、痩せた―見事ですっ」
「かしげちゃん、綺麗っツ」
これだけです
さて、OSKの新橋演舞場公演「夏のおどり」を見て来ました。
OSKというのは、基本、和物と洋物のショー2本立て。
総人数は33名。
宝塚との大きな違いは・・・娘役が若干多い事に加え、上級生の学年がこれまた高い事。
技術レベルが一定して上手である事。
ショーの編成、並び等には変則があり、宝塚より自由である事。
今回はトップスター・桜花昇ぼるの退団公演という事で、一層華やかなにゴージャスな
ショーが繰り広げられたのでありました。
「夏のおどり」
花柳寿楽作・演出・振付
和物のフィナーレには植田先生の息子・山村若有子が振付を担当。
幕が開いた瞬間、そこに出雲阿国が・・・って・・・え?桜花昇ぼるだったの?
いきなりトップが板付きで女装?という形に度肝を抜かれたのですが、これは
出雲阿国に敬意を表してという事らしいです
でも、ヅカに慣れている人はど真ん中にいきなり現れた綺麗なお姉さまがまさかトップとは。
しかもささーーっとはけたと思ったら今度は若衆姿で登場ですから
退団を意識したテーマソングが耳に残り、「ああ、さよならなんだなあ」とファンでもないのに
思ってしまいました。
光源氏が出てくる「夢見の章」は日本舞踊ならでは美しい場面の繰り返しで、
これぞ「ザ・日本物」と思う程に神々しい。
娘役さん達の美しさ、可愛らしさ、可憐さが非常に際立っているので、それらが源氏である
桜花に寄り添うと、そこに流れる空気が甘く、せつなくなり。男役を立てつつしっかり寄り添う
いわゆる「添いとげる」という美しい日本的な男女の形を見たような気がしました。
続く、鼠小僧のシーンは、盆回しで街のセットがくるくる動く中、銭形平次が鼠小僧を
おいかけるという長い長い場面。
ところどころにアクロバット的な振付が入り、観客を飽きさせない。
こういう長くて次から次へとくるくる変わりつつ一場面というのは
宝塚にはない形であり、斬新で面白く、ぜひ今後も続けて頂きたいです。
「桜扇の章」はいわゆる、トップが二番手に扇を譲る・・・という儀式的な、涙なしでは
見る事が出来ないシーンであり、定番であるけど絶対に見たいだろうという観客の
思いを受け止めてくれた場面なんですね。
ラスト、扇を持った桜花が花道を歩いて行く姿は歌舞伎のようで、思わず拍手。
フィナーレは華やかで総踊りで、一気にばーーっと盛り上がって終わる的な素敵な
ショーでした。
箱が小さい、人数が少ない、ゆえに出来る構成というのもあるかと思います。
でもOSKの日本物を見る度に思うのは、振りつけている人達の「情熱」をそこに
見る事が出来るんですね。
「こんな事をやらせてみたい」「こんな場面に仕上げたい」という裏方の意思が
すごく反映されてて、演じる方も楽しいし、見る方も意欲的になれるなと思います。
ついこの間、月組の和物を見て、首を振らないトップの連獅子にがっくり来たものですが
舞台を見てて「ああ、この人、これが出来ないからやらせてもらえないんだな」と思う事程
つまらないものはありません。
公演期間が短いからこそ、何だって出来る、宝塚とは違う・・といわれるかもしれないけど
和物に関しては明らかに技術力が落ちている事は確かでしょうと思います。
ただね・・・しょうがないけど・・・もうちょっと衣装のレベルがアップすると垢抜けすると
思うんですけどね。
「AU SOLEIL」−太陽に向かって
吉峯暁子作・演出
こちらは全体的にラテンメドレーです。
作家がヅカファン?なので、それっぽいシーンが多数あり。
すぐにトップを中心とした総踊りになるといういささかワンパターンの様子。
TANGOのシーンは、「パッション・ブルー」で麻路さき率いる星組が終わりの
方で踊っていたのと同じ曲で、申し訳ないけどやっぱり星組の方がよかったです。
ただ、ダンスのレベルは非常に上
まとまりがあり、全員、足が上がる事上がる事。盛り上げ方も上手だし、
観客も一緒になって興奮しちゃう・・・・というようなシーンの連続でした。
さよならっぽいシーンは、フィナーレの「別れの曲」
それで来るかーーと思ったんですけど(笑)
パレードはシャンシャンに大きな羽根付き。
OSKファンの中では賛否両論あるけど。
仕方ないかなあ。今の日本ではこれ以上の「格式」はないと思うので。
トップのお披露目とさよならの時くらいはいいんじゃないの?
びっくりしたチェリーガールズ。
いきなり「キッスは目にして」ですからーー
場繋ぎとしてラインダンスの前に娘役だけのシーンがあるのはいいよね。
純粋にショーが好きな人はOSKを見ると面白いよーーと。
ただ、真ん中にいる人達の学年がちょこっと高すぎると思うし、
もうちょっと色気のあるシーンがあってもいいかなと思います。
洋物における「多彩」という意味では宝塚の方が・・・・と感じました。
トップの桜花昇ぼる。この人を見るのは2度目かな?
常にキメ顔。常に真一文字に唇を噛みしめている 不思議なスターさんで。
下級生でもないのに、何でそこまで?と思う事多々あり。
二番手の高世麻央は非常に二枚目が似合う人。表情も豊かで今後のトップさんとして
ふさわしいのでは。
桐生麻耶は宝塚でいう所の星条海斗をさらに濃くしたような顔なんですけど、
ガタイがあまりによすぎて・・・・・ 完璧に男じゃんっ 悪目立ちせず二枚目になって
欲しいかな。
トップス娘役の朝香櫻子姉さんは、まさに「姉さん」と呼ぶにふさわしい貫禄。
二番手、牧名ことりは和物の衣装がとてもよく似合い、可愛らしさの中にも格別な
オーラを持っている人です。
OSKの今後は多分この若手二人に委ねられるでしょう・・・・と思う、一人は
楊琳。中国系の目が大きな愛らしい男役ですけど、とにかく目立つ。非常に目立つ。
思わず見る・・・・という感じ。
もう一人、悠浦あやとは、宝塚でいえば天海祐希レベルの大スターになりそうな雰囲気。
立ち姿の美しい事。エトワール?でシャンシャン持って歌う姿が頼もしかったです。
個人的には濃い顔立ちの方が好きな私ですけど、悠浦に関してはどうしても、目が引きつけられて
いくので。
どうしてこの二人なのかというと。
OSKって正直、ちょっと野暮ったいです。
メイクとか髪型とか、さらに言うなら衣装も。
特にメイクが・・・・どうにも古臭いっていうんでしょうか?一昔前の宝塚みたい。
総踊りは得意だけど、個性が際立っているか?というとそうでもない。
人数が少ないのだから、より個性が際立ってもいいと思うんですけど、特に高世と桐生は
似たもの同士感があるし、3番手以下はいっしょくたにされている印象が。
若手をどんどん売り出していかないと先は続かないでしょう。
楊と悠浦は技術力の程はどうかわかりませんが、表情が豊かです。
喜怒哀楽がきっちりと見えます。
芝居においてもショーにおいても、一番重要な事はそこではないかと思うので。
最近の宝塚には不満だらけ・・・・と思う人はぜひ、一度OSKを見て頂きたい。
違った何かが見える筈。
9月6・7日・・・先斗町歌舞伎練場 → 「桜NIPPON踊るOSK」
・日舞×カルメン「炎舞」
・華綾とり (先斗町芸妓・舞妓出演)
9月13・14・15日・・・・日本橋三越劇場 → 「桜NIPPON踊るOSK」
・日舞×カルメン「炎舞」
・SHOW×SHOW「CONNECTION」
そうそう、私達が座った席の後ろに先斗町の姉さん達がずらりとお座りに・・・・・
ちょっとまじっと見てしまいました。
だって本当の芸妓さんって見た事ないんだもん
なんてきれいな着物。立派な帯。そして決して姿勢を崩さず座っている。
尊敬のまなざしで見つめてしまいました。
ところどころで関西弁がゆきかうのも、OSKならでは。関東にとっては異次元空間かもね。