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Channel: ふぶきの部屋
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8月だから・・・戦争映画2

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 月光の夏 

 

1993年

出演者・・・渡辺美佐子

      若村麻由美

      田中実

      永野徳勝

あらすじ・・・・公子先生(渡辺美佐子)は元小学校の先生。その先生が戦争中に

       ピアノを弾きに来た特攻隊の話をする。

      ピアノの老朽化に伴い、破棄されると聞き保存運動をする為に話したのだった。

      若き公子先生(若村麻由美)は特攻隊2人がピアノを弾きに来て、ベートーベンの

      「月光」を弾いて帰る場に立ち会った。

      その二人のうち、一人と再会するまでのお話。

 

 鳥栖という場所をしらなかったので・・・・ というか、開門の特攻隊の記念館についても

  当時はあまり知らなくて、公子先生が見学して涙を流すシーンで一緒に泣いたりして。

 ピアノの事がマスコミに載っても、なかなか当人が姿を見せなかったのには

  理由があったんですよね。

  ここにもう一つの特攻隊の歴史と言うか・・・・生き残った人の悲しさを知るわけです。

  それまで持っていた特攻隊というのは華々しく潔く散ったというイメージで見て

  いましたけど、出撃できなかった人や出撃しても戻って来ざるを得なかった人等

  様々な人がいたんだという事がよくわかるお話でした。

 これが実際のピアノ。

 

 君を忘れない 

 1995年 日本ヘラルド

出演者・・・唐沢寿明

       木村拓哉

       反町隆史

       戸田菜穂

       袴田吉彦

       池内万作

      松村邦洋

あらすじ

九州の鹿屋。お父さんも軍人。自分もまた軍人の望月大尉(唐沢)は

最後の出撃に同道するメンバーを集めて、訓練をする。

その中には海兵隊の後輩で望月大尉の婚約者にひそかに憧れる上田少尉(木村)とか

学徒兵で友人を失ったばかりの早川少尉とか、戦果確認機で死にそこねた三浦少尉。

学徒ながら妻子持ちの佐伯少尉、下士官の高松や森等々。

互いにぶつかりあいながら少しづつ歩み寄る。

しかし、特攻するにあたり戦果確認機を出す必要性にせまられた望月はある決断をする。

また遊女と恋仲になった早川少尉は、一晩を過ごしつつも遅れた為に軍法会議に

かけられそうに。

みなは無事に出撃できるのか。

 この映画、実は6回くらい見てビデオ買って、CDも買って・・・って別にキムタクファン

  だったからってわけじゃないんですけど。(半分はそう)

  とにかく木村拓哉の表情が素晴らしいのです。

  出撃の朝、顔を洗っている上田に早川が

 「おい、何で飛行機乗りになった?」と聞かれ、顔をぐいっとあげて鏡を見つめながら

 「神様のそばで戦いたかったから」と答えるのですが、このシーンの為にビデオを買ったような

  ものでした。

 この映画の主旨は「初心者にもわかりやすい戦争映画」で、「特攻隊といえども普通の

  青年で、飛行機に乗りたくて髪の毛を伸ばしたくて女の子にもてたい」そんな軍隊生活も

  あったんだよーーなんですね。

  ゆえに、空襲などのシーンは冒頭のみ。あとはのどかに訓練を続ける場面が多く

  本当に戦争中なの?という感じ。

  喧嘩したり、髪を結ったり、子犬を抱いたり。そういうシーンが多いので、暗くなりません。

  でも、よくよく見ると「ありえない」でしょって。

 まず、軍服の色が違うし下士官が上官の部屋に堂々と入ってタメ口をきくというのも

   ありえず、ピアノも弾けるはずがなく・・・という事で、本物の特攻隊の皆様には

   かなり不評で、正式に抗議も入った筈。

   それを聞いた時、結構「心が狭いな」と思ったんですけどね。

 反戦色が強い映画ばかりの中で「普通の青春」軍隊物というのは異色。

  上田がクリスチャンで親から軍隊入りを反対されたとか、望月大尉が父との

  確執から「特攻を拒否したいくらい」と言うのも異常。

  出撃前夜、こんな会話があります。

高 松: 隊長・・・俺たちの明日の出撃は無駄じゃないですよね。ちゃんと意味があるんですよね。

      俺たちあとからばかにされるようなことないですよね。

望 月; 俺たちはこおの時代にこの国に生まれてきた。それはどうやったって変わらない。だから・・

    いいか、この特攻という作戦が戦術としてどうであろうと、俺たちのやるという意志だけは

    まちがってないと思う。一体守るべきものが何なのか俺にもよくわからん。

    が、確かに守らなければならないものはあるはずなんだ。それの為に

    俺達が命までかけようとした、その意志を持ったという言う1点で、俺たちは

    敗北したんじゃないと思う。

    特攻という作戦が未来においてどれだけ非難されようとも、飛んでいく俺たちは何

    恥じることないさ。みな、自分の為にではなく、守るべき何かと為にいくんだ。

森 ; この国、いい国になるといいな・・・・

そして翌朝、戦果確認機になれと言われた佐伯少尉が嫌だと大暴れする中

望月は佐伯の手の平をピストルで撃って「戦果確認も中止!」と言い放つ。

望 月; いいか、この戦争、そう長くは続かない。この傷が治るまでには間違いなく

    終わる。お前は生きろ、俺たちの代わりに生きろ。俺たちに出来なかったことを

    お前にはやってほしいんだ。俺たちが何を考え、その時代をどう生きたか

    いや、俺たちが特攻という愚かな作戦を選んだという事実だけでもいい。

     お前の息子に、次の世代にちゃんと伝えて欲しいんだ。

    すまん。もうピアノは聞かせてやれないかもしれない。でももっと大切なことを

    伝えてやれるはずだ。

 はっきり言って、この二つのセリフは未来を知っているがゆえに出てきたもので

  当時の人がこんな事を言う筈も、思う筈もないのですが

  だけど、今時の若い人にとっては「ああ、そうか」と思うセリフだと思うんですね。

 「俺たち、無駄じゃない・・・」のセリフで松村邦洋が長セリフを言うんですが、その間

  キムタクはずっとお弁当を食べているんです。NG30回?ずっと食べ続けても

  文句ひとつ言わなかったキムタクのエピソードがあります。

 特攻隊のOBの方々に一番不評だったのは、出撃の時に円陣を組んで

  「向こうで会おう」というセリフの時でしょうか。みな笑顔で・・・屈託のない笑顔。

  それが嘘である事はわかっているんですけどね

  望月を送り出す、父親の将校が最後に一言

  「敬礼はいらん・・・今は、父としてここにいる」というのが泣けて泣けて。

 

 THE WINDS OF GOD 

 1995年

出演者・・・今井雅之

       山口粧太

あらすじ

売れない漫才コンビが、交通事故に合い太平洋戦争末期の特攻隊にタイムスリップする。

 びっくりしたというか。舞台がアメリカで好評を得て日本で何度も凱旋公演をしているのは

  知っていました。

  でも、舞台作品の映画化って成功する例は少ないし・・・なんて思いながら見に行ったんですけど。

 まあ、あの時代。っていうか、まだ自虐史観が色濃く残っている時代に

  次第に特攻隊に同化していく人を描くというのは勇気がいった事でしょう。

  ただでさえ、演劇関係者は左翼が多いのに。

  現代で習った価値観が戦争中は全く意味をなさず、それにとまどいつつも、次第に

  自分も国を守らないと・・・みたいな意識になっていく。

  私は当時、「これって単なるマインドコントロールなんじゃ」と思った口ですけど

  今井氏にいわせれば逆だったようですね。

 次回、もう一度見直してみます。

 

 


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