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Channel: ふぶきの部屋
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ニュアンスの違いじゃない?

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 あんみつさま、名無し様、資料をどうもありがとうございます

早速使わせて頂きます。

すみませんねえ・・・コメントを下さる方々に「ネタ」を頼るふぶきの未熟さをお許し下さいまし。

 

さて。

「軍用犬」テルの話。

これは村岡花子作の「アンのゆりかご」に載っているお話だそうです。

実際に読んでいないので、一言一句を引用することは出来ないのですが

ドラマも原作も昭和13年のお話になっているようですね。

 ある日、美里と妹が帰って来ると、鎖と首輪からテルがすっぽり抜けていなくなっていた。

 花子は美里に

 「兵隊さんが来て、テルに「僕と一緒にお国の為に働きませんか」と言ったら、テルが

 「ぼく行きます」と言って行っちゃったと説明。

 ラジオで軍用犬の話をした時、名前のない犬を「テル」と言ってしまった。でも、ラジオ局

  では何も問題にならなかった。

・・・・という事でいいのかな?

ゆえに「事実」という話になるんですよね。

 

 軍用犬

 シェパード・ドーベルマン・エアデール・テリア

 手紙を運んだり、兵隊さんのお友達になる

 戦争末期の食糧難の頃には毛皮や食料になったケースも。

体型がよく利口な洋犬じゃないと、軍用犬にはなれない。犬のエリートだったわけです。

一般家庭のテルのような雑種が軍用犬として徴用される事はなかったそうです。

そもそも軍用犬はドイツが戦争で用いた事が始まりで、日本でも歩兵学校で

研究が始まりました。

ある意味、当時としては「旬」な話題だったんですよね。

 

では、なぜ花子は美里に「兵隊さんと一緒に行っちゃった」と言ったのでしょうか。

私、思うに、テルは逃げちゃったんじゃないか?と。

でも、逃げちゃったって言ったら「テルは美里が嫌いなの?」って泣かれるから

「兵隊さんに誘われて行ったのよ」という事にしたんじゃないでしょうか

前述したとおり、軍用犬は犬のエリート そこらそんじょの犬がなれるわけではないのです。

もし、選ばれたとしたらそれこそ「自慢」になった筈。

そういう名誉を与える事で、美里を慰めたのではないかと・・・・・

 

現代から見ると、犬を軍事的な事に使用するなど「可哀想」だし「残酷」だと考えるのかも

しれませんよね。

でも、被災地で被災者を探す災害救助犬だって可哀想だし、残酷といえなくもない。

犬は可哀想で、ハトや馬ならいいのか?って話でもないし。

 

「事実」を読むとき、作者が書いた年代とか社会背景を知る事も重要だし

そこに作者の「思想」を読み込むことも重要です。

「花子とアン」の脚本家はそれが出来ていないのです。

昭和13年の話であれば、13年当時の「考え方」で物語を進めなくてはならないのです。

それを21世紀の考え方を昭和13年にあてはめるからおかしくなる。

この回でNHKが言いたかったことは

「一般家庭の可愛いペットである犬さえも奪い取ってしまう日本軍の残忍さ」であると思います。

だけど軍用犬は兵隊さん達にとって「殺す材料」ではなかったし、いくら軍でも

昭和13年に一般家庭から犬をもぎとっていくような真似はしていないでしょう。

当時の世相を知りたければ

「ひと目でわかる戦前日本の真実」(1936年ー1945)(水間政憲著)

をお読みくださいまし。

 

 

 


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