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宝塚OG版「シカゴ」

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 観劇日 → 11月3日 13:30

          11月4日 18:30

 ロキシー・・・貴城けい

  ヴェルマ・・・水夏希

  ビリー・・・麻路さき

  ママ・・・ちあきしん・初風諄

はっきり言って、誰がこんな企画をし、実行したのか、その人の顔を見たいし

どうしてなのかじっくりと聞きたいです

恐らく「100周年イベントでOGによるブロードウエイミュージカル」は奇をてらってて

絶対受けると思ったんだろうと

で・・版権がとれる作品を探したら適当なのがなくて、結果的にこれになったと。

宝塚といえば

 清く正しく美しく  ですが、あえて真逆のものを上演する事で・・・・一体何が得られたのか。

っていうか、どこに意義が?意味が?

ファンのみんな 下着姿のOGを見たかったかい?

下品なセリフをガンガンいうアントワネットさまを見たかった?

私はNOでしたけどね

この「シカゴ」というのは、実際にクック郡であった犯罪をモデルに描かれたものだそうです。

魅力的な女性犯罪者は無罪・・・・・だから衣装は下着なの?

(単に経費節減で下着・・・だったのか。それとも、「シカゴってミュージカルを見に行けば

綺麗な姉ちゃん達が黒い下着姿で大股を開いてくれるぜ・・・的な感じで観客動員をはかったのか)

まあ、確かに囚人服が衣装だったら名作にはなりえなかったかもしれませんね。

下着の衣装というのは、人の筋肉をこれでもかっ!という程見せます

しょっぱなの蒼乃夕妃のセリフ、「ああ、腹式呼吸をしてる」ってはっきりわかったし、それぞれ

足がどれだけあがるか、開くか、体が柔らかいかいなか。

ごまかしのきかないスタイルと振付で、肉体の限界を見せる・・・という分にはちょうどよかったのかも。

しかし、

宝塚の世界というのは、「肉体の限界」を見せる芸術ではありません

むしろ「隠す」事で「型」の美しさを見せるもの。ゆえに真逆だと言っているのです。

本当の「男」にしか見えなかった男役アンサンブル

水夏希の肩の筋肉等々・・・・なーんだか違うよなあと。

それでも星奈優里以外はおへそを隠していただけよかったのかな?

どちらにせよ「見てはいけないものをみてしまった」感はいなめません。

 

「シカゴ」というお話は、いわゆる「法」に対する「ちゃかし」であると思います。

ブロードウエイミュージカルは「ちゃかす」のが大好き。

「ミーマイ」や「アーネスト」で身分制や貴族制度を見事にちゃかし、さりげなくヘイトな台詞を

ちりばめてみせる。

「アーネストインラブ」で鞄に入れられて孤児として育ったアーネストは

「♪ハンドバッグは母親ではない 母親とはいえない ♪」と笑いを持って歌われてしまいます。

だけどよくよく聞いていると、こんな可哀想な話はないわけで。

どんな悲しい辛い残酷な事も「笑い」に変えてしまうミュージカル。

それは人の好みだから別にいいけど、私的には・・・ちょっとなあと。

今回も星奈優里演じるハンガリー娘が「無罪」と主張するだけで

人種がそうだったか、金がなかったか、言葉が通じなかったか・・・・「無罪」が本当だったにしても

あっさりと絞首刑になってしまう。

一方で愛人を殺したロキシー、恋人と妹を殺したヴェルマは無罪で二人でショー?

「CSI」「LOW&ORDER」「クリミナルマインド」などが受けているアメリカで、それでも

「シカゴ」は別格で人気があるんでしょうかねえ・・・・・

ムードに流されやすい大衆をちゃかしているのかなあ。

 

にしても。

せめて「ガイズ&ドールズ」ってわけにはいかなかったんでしょうか

シェイクスピアなんかでもよかったような気がするけど。

 

ヅカファン的には。

貴城けいと水夏希が再び横並びする日が来るとは思いませんでした。

因縁の二人っ(って私が勝手にそう思ってるだけだけど)

思えばあの「霧のミラノ」は悲しかったねえ・・・・・

 

が。

貴城けいは見事に「女優」になった

それは「ヴィクター・ヴィクトリア」あたりから思っていたことではありますが

体型が水と全然違う。

水夏希も最初はまあまあ受け入れていたんだけど、2度目の終わりごろになると

あのごっつい体つきがどういも我慢できなくなって。

そう思うのも、あんな衣装を着ているから。

どこからみても、まだまだ男役体型なのです。

貴城と水の違いは「女優歴」の差なのか、「女」としての充実度の差なのか

そこらへんはわかりませんけど。

とにかく貴城は可愛い。憎めない愛されキャラ 能天気な感じがすごくよかったです。

水夏希のヴェルマも別に悪いわけじゃないし、いいんだけどねーー足、見せなくてもよかったかも。

麻路さきのビリー。

歌がネックなのはしょうがないとして

私のマリコさんにあんな役をやらせるってのがもう許せねえっ あ、下品。

別にトップじゃなくてもいいじゃないかと。

むしろ、あそこに元トップを(伝説のトップを)入れると居心地が悪すぎて

貴城も水も背が高い(小柄に見えてたのに)ので、麻路の男役ぶりが際立たず。

そうなると、今もってヘソ出しルックが一番似合って、それでいて清純派の

信じられない程美しい星奈優里が相手役だったらと思うわけです。

蒼乃と10学年以上違うと思うんですけど、蒼乃が太く見えるというか、「娘役」に見えない。

麻路&星奈で「ダル・レークの恋」よもう一度。

今ならきっともっとすごい作品になりそうなのになあ。

 

まあ、二幕目後半の演説はこれぞ「麻路さき様」で素晴らしかったですが。

 

磯野千尋のエイモス。可哀想なくらい・・・可哀想

でも、とっても似合ってて、さすがだなあとため息。

ママの役はどちらかといえばちあきしんの方が似合っていたでしょう。

やっぱり元男役だし。

初風は乱暴な口ぶりが全然似合わない。歌は上手だけど。

誰?アントワネット様にあんな役ふったの。歌劇団だとしたら世も末ですわね。

 

一番すごいと思ったのは、桐生園加や真波そらや牧勢海などの男役アンサンブル。

メイクが素顔っぽかったから?男にしか見えませんでした。

何と言うか・・・みなさん、退団しなくてよかったのにと。

ミス・サンシャインは・・・幸せそうでしたね。何だかわからないけど麻路さんが男役に

見えましたもの。倒錯の世界です。

 

宝塚版を見てすごいなと思ったのは

前回、米倉涼子&和央ようか版を見てもストーリーが全く頭に残らなかったし

一体これは何?状態だったのに、今回はちゃんと頭に入ってきたという事。

初めて「ああ、こういう話だったのね」とやっと理解した感じです。

 

 

 

 

 

 


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