昭和が・・・・
菅原文太 死去
11月28日、俳優の菅原文太氏が死去。
転移性肝がんの為。
享年81歳。
言葉が出なくてねえ・・・ただただ。こんな日が来るのを恐れていました。
立て続けなので。
宮城県仙台市出身。仙台一高ご出身とは本当に秀才でいらしたんですね。
東北出身という雰囲気は全身から伝わって来ましたので、親しみを感じたりした
事もありました。
ワイドショーでは「温かい人柄」が語られますが、私達の世代の菅原文太という人に
対する印象はちょっと違っていたと思います。
私は映画をあまりみませんでしたので、「トラック野郎」「仁義なき戦い」はタイトルは
知っていても実際に見た事はありません。
だけど、その強烈なイメージはわかってて、いつも、どんな時も「怖い俳優さん」という
印象しかありませんでした。
彼がにっこり笑うなんてシーンはほとんどなくて、いつも低い声で喋って無表情で険しくて。
その口ぶりは「ああ、東北人」と思うけれど、やっぱりいつまでたっても怖かった。
大河ドラマ「獅子の時代」に主演された時も、リアルでテレビを見ながら・・・やっぱり
怖かった。
後年、見直してみてこんな名作ないなあと思いつつ、なんて魅力的で男らしくて頼りがいが
あって憧れるなあと思った記憶があります。
平成の世になって、何かのドラマで穏やかな校長先生の役をやっているのを見た時、
とても驚きました。
あの「菅原文太が笑ってる」みたいな。
とにかくその笑顔や穏やかさが素晴らしくて。ファザーコンプレックスの私はイチコロでした。
無論「千と千尋の・・・」の釜じいも「へえ、声優までやるんだーー」と驚きましたけど。
大昔、浅丘ルリ子主演で「鹿鳴館」という映画がありまして。
その時、彼が景山伯爵を演じていましたけど・・・あれが多分人生最大の「ミスキャスト」
だったのかなあ。酷評されたのを覚えています。
私は当時はまだ学生で、何がどうミスなのかわかりませんでしたけど・・・・確かに
「トラック野郎」の菅原文太が伯爵ってのは意外だったかもしれませんね。
ご長男を事故で亡くされた時、本当に気の毒で。私も人の親ですからこの逆縁から
立ち直れるんだろうかと心配しました。
でも彼は悲しみのそぶりを見せずにブラウン管に戻ってくれて。
それほどファンでもない私ですらこれだけ語れるのですから、大ファンだった方々の
悲しみはいかばかりかと。
震災の時のお気持ちも、本当に共感できるものでしたし・・・・何と言うか、東北の偉大なる
スターがまたいなくなったという気持ちです。
心からご冥福をお祈りします。