あちらの天気はすこぶるよく、暑いみたいでした。
8日。
パラオの子供達に迎えられて。
花束を受け取る両陛下。
晩さん会出席。
パラオルール・・・・らしいですが。
陛下は開襟シャツにスラックス。皇后陛下はアオザイみたいですよね。
「戦後70年に当たる本年、皇后と共に、パラオ共和国を訪問できましたことは、
誠に感慨深く、ここにレメンゲサウ大統領閣下のこの度のご招待に対し、
深く感謝の意を表します。今夕は、私どものために晩さん会を催してくださり、
大統領閣下から丁重な歓迎の言葉を頂き、ありがとうございました。
また、この訪問に合わせ、モリ・ミクロネシア連邦大統領ご夫妻、
ロヤック・マーシャル諸島共和国大統領ご夫妻がここパラオ国をご訪問になり、
今日、明日と続き、私どもと行動を共にしてくださることも誠にうれしく、心より感謝いたします。
なお、この度の訪問を前にして、ミクロネシア連邦を襲った台風の被害を耳にいたしました。
ここに犠牲になられた方々を悼み、ご遺族へのお悔やみをお伝えするとともに、
被害を受けた大勢の方々に心よりお見舞い申し上げます。地
域の復興の一日も早いことを念願しております。
ミクロネシア地域は第一次世界大戦後、国際連盟の下で、日本の委任統治領になりました。
パラオには、南洋庁が設置され、多くの日本人が移住してきました。
移住した日本人はパラオの人々と交流を深め、協力して地域の発展に力を尽くしたと聞いております。
クニオ・ナカムラ元大統領はじめ、今日貴国で活躍しておられる方々に
日本語の名を持つ方が多いことも、長く深い交流の歴史を思い起こさせるものであり、
私どもに親しみを感じさせます。
しかしながら、先の戦争においては、貴国を含むこの地域において
日米の熾烈(しれつ)な戦闘が行われ、多くの人命が失われました。
日本軍は貴国民に、安全な場所への疎開を勧める等、貴国民の安全に配慮したと言われておりますが、
空襲や食糧難、疫病による犠牲者が生じたのは痛ましいことでした。
ここパラオの地において、私どもは先の戦争で亡くなったすべての人々を追悼し、
その遺族の歩んできた苦難の道をしのびたいと思います。
また、私どもは、この機会に、この地域の人々が、厳しい戦禍を体験したにもかかわらず、
戦後に慰霊碑や墓地の管理、清掃、遺骨の収集などに尽力されたことに対して心から謝意を表します。
ミクロネシア3国と日本との外交関係が樹立されてから20年以上がたちました。
今日、日本とこの地域との間では漁業や観光の分野を中心として関係が深まってきていることは
誠に喜ばしいことです。今後それぞれの国との間で一層交流が盛んになることを願ってやみません。
ここに杯を上げて、パラオ共和国大統領閣下、令夫人、
ミクロネシア連邦大統領閣下、令夫人、及び、マーシャル諸島共和国大統領閣下、
令夫人のご健勝とそれぞれの国の国民の幸せを祈ります」
「皇后と共に」は必要なのかなあ。
いつも皇太子が「雅子と一緒に」を繰り返しているから、何だか変に聞こえるんですね。
陛下が慰霊したいのは日本のみならずアメリカも、無論、パラオの人々もなんでしょうね。
でも、ここまで「世界平和」的なスピーチをする元首はいないだろうなあと。
イギリスがインドへ行って
「我が国の統治下におかれました。いいこともしてあげたみたいだけど
食糧難とか疫病とか、犠牲が出たのは痛ましかった」
とは言わないだろうなあと。
パラオの人・・・つまり現地の人からすれば、日本の為に何かする事は
一種の「恩返し」なんだと思います。
それを殊更に「犠牲を・・・」っていうと、若い世代が「え?そうなの?」って
思ってしまう。それは国益にそぐわないのではないかと。
また、「全ての人々」というと聞こえがいいけど、芯がぼやけているような印象に
なります。
生き残りの人達の映像を流すのはいい。
だけど、常に「生き地獄」「死んだ方がよかった」「悲惨なんてもんじゃなかった」
のオンパレード。マスコミ的には「ゆえに戦争はしてはいけない。そんな辛い目にあった
人達へ慰霊の旅を陛下はしているのだ」と持ち上げたいんだろうとは思います。
だけど、生き残りの人達の言葉を全部「恨み節」にする必要はないと思うんです。
印象操作ですよね。
あの戦争における正当性を見いだせないから、死んだ人たちがみな無駄死にだったし
生き残ってもぜんぜん嬉しくないし、申し訳ないし、悔しいし・・・・みたいな話で。
両陛下としてもとにかく「辛い目にあった人々」には気の毒で気の毒で。それもこれも
あの戦争が悪かった。止められなかった自分の親が悪かった。
もし、自分がもっと大きかったら、成長してたら・・・・と、そればかりなんでしょう。
ペリリュー島に到着。
「西大西洋戦没者の碑」
皇后様、そこまでケープに拘らなくても。
元日本兵に話を聞かれる両陛下。
両陛下はアメリカの慰霊碑にも献花したようですね。
帰国の途に。