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昭和34年2月6日内閣委員会議事録3

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平井委員  

皇太子殿下の御結婚につきましてお尋ねいたしますが、

新憲法のもと恋は自由でございますから、

皇太子殿下も人間だから恋をするだろう、こうおっしゃるでしょう。

それもまことにけっこうでございましょう。

しかし民族の象徴という観点から見まして、

もしも天皇陛下が皇后陛下と銀座を毎晩散歩しておる、

あるいは自分のしたいことをするということになっても、

民族が尊敬をし崇拝をすると思われておるかどうか。

私は決してこの御結婚に反対をするものではありませんけれども、

要するに、もしも皇太子殿下、天皇が民族の象徴とするならば、

国民の声によって――いろいろお相手を探したけれどもなかった、

民間からぜひもらっていただきたいとあなたから進言をされて御結婚あそばすならば、

これは民族の声である、ほんとうに国民の声でありますから、

私は大歓迎でございますが、もしも伝え聞くように、

皇太子殿下が軽井沢のテニス・コードで見そめて、

自分がいいというようなことを言うたならば、

ここにおられる代議士さんの子供と変りない。私の子供と変りない。

これが果して民族の象徴と言い得るかどうか私は知りませんが、

あなたから進言をされたものか、皇太子殿下が自分で見そめられたものか、

この点をお尋ねしたい。

(新憲法になって恋愛は自由ですから、皇太子殿下も恋愛して結婚することも

あるだろう・・・とお考えになるでしょうが

「象徴」という立場が庶民と同じような恋愛をしたー結婚を選んだーといって

果たして崇敬されるでしょうか。

今回の結婚が側近により「この方しかいません」と言われて

「わかった」としたならまあいいが、もし皇太子がテニスコートで見染めたという

事であれば大問題です。

将来、天皇になる方が私達と同じ事由を持ちつつ、立場だけは上で特別である

というのでは「象徴」という意義が守れるでしょうか)

 ここでなかなか深いことを平井議員はおっしゃってます。

  この頃、盛んに週刊誌では「皇太子の恋」「テニスコートの恋」が喧伝されていて

  庶民は「シンデレラストーリー」だと思っていたわけですね。

 「天皇」は象徴。一般国民と違う。王族のような特権を持っているわけでもない。

  「無私」であらねばならない。結婚も一つの「神事」とみなすというような事

  だったのでしょうか。

 


○宇佐美説明員 

皇太子様の御婚約の実際についてのお尋ねでございます。

これは世上いろいろ間違って伝わっておりますので、た

だいま御質問がありましたので、

私はこの機会にはっきり申し上げておきたいと思います。
 

今回の御婚約につきましては、数年前からいろいろ準備を事務的に

進めておったのでございますが、

もちろんその選考の方針その他につきましても、

皇太子殿下御自身はもちろん、両陛下のお考えも伺って、

われわれとしては慎重にいたしておったわけでございます。

殿下御自身の御性格も非常に慎重な方でございまして、

御自身の義務というようなことにつきましては、

はっきりとお考えをお持ちになっている方でございます。

今回の御内定になりました方につきまして、世上で一昨年あたりから

軽井沢で恋愛が始まったというようなことが伝えられますが、

その事実は全くございません。

もちろん軽井沢でテニスを一、二度なさったことは事実でございます。

しかしそれ以上の交際があったわけではもちろんございませず、

この御婚約につきましても、その当時は何らそういう方がわ

れわれのあれにも入っておりません。

しかしいろいろ候補者を選考して参りました過程におきましても、

殿下に一々ごらんに入れているわけでございます。

昨年の春ごろからいよいよ何人かの候補者をしぼって御相談申し上げ、

そのうちからわれわれも御推薦申し上げ、

殿下も冷静な観察をなさって御決心になったわけでございます。

世上伝わるようなうわついた御態度というものは、

私どもは実際において全然お認めすることはできません。

むしろ非常に老成された考え方を持って注意深く進められたのでありまして、

このことはあの当時の発表後におきましても私どもは外に向って

もはっきり申しております。

世上そういうふうに伝わっておることは事実と反していると私は考えます。

なかなか先に出ますとあとから幾ら申しても徹底をいたしませんで、

この点は非常に残念でございます。

ただいま御質問をいただきましたのは、私としましてはむしろありがたいことでございます。

(世間で言われているような恋愛はありません。確かに1・2度テニスをしたけれど

そこで見染めたというような話ではないのです)

 元宮内庁長官の田島氏の日記によれば、皇太子のは確かに正田美智子嬢と

  テニスをしたけれど、そこで恋に落ちたわけではなかった・・・らしいです。

  お妃選考も旧華族・旧皇族等で話がつきそうな気配があったし。

  でも、色々健康上などに問題があってダメになり、民間に範囲を伸ばした時に

  聖心女子大から真っ先に候補者リストで上がってきたのが正田美智子さんだった。

 皇太子はその当時、確かに恋愛に陥っていたわけではない。

   ないけれども、小泉信三他側近たちが、学友を使ってさかんに皇太子に

   「正田美智子さんにしたほうがいい」と思わせた事は事実でしょう。

 だけど、本当に恋愛感情がないままだったとしたら、正田美智子さんの海外旅行とか

  雑誌の先行発表みたいな話の裏はどうなっていたんでしょうか。

  皇太子がその気になるより早く、宮内庁は「正田さんで」といい、結婚を迫っていた?

  これって策略?それとも独り相撲?


○平井委員 長官の説明を了としますが、われわれ、世上というか、

宮内庁係の新聞記者連中ともよく知っておりますし、

いろいろ聞くところによれば、小泉さんと田島さんが非常な推薦者であった、

あとはむしろそう賛成をなさらなかった、これはどうだか知りません。

世上の話でございます。

そこで小泉さんあたりの教育の仕方がいいと言う人もあるし、

悪いと言う人もある。

私、小泉さん、田島さんがどういう意味で強硬に推薦されたか知りません。

推薦する方にもまた考えはあると思いますが、非常な推薦をして、

ついに宇佐見長官も同意をしたというふうに聞いておりますし、

また東宮御所において、皇太子殿下が学友を集めてわあわあ言うた結果

とうとうきまったのだというようなことが、

御婚約の後にぼつぼつ週刊朝日などに載るようになりましたときの責任や

重大なるものがあると思いますが、この点長官いかがお考えになりますか。

(聞くところによれば正田さんを熱烈に推薦したのは小泉信三&田島長官で

それ以外の方は賛成しなかったらしい。

しかし小泉信三の教育のたまものである皇太子殿下はあっさりと

両名のいう事を聞いた。

だから宇佐美長官もついには賛成した・・・という事ですね)

 平井氏の心の中に、「正田美智子嬢」に対するかすかな不信感が

  あるのかも。

  「東宮様は師である小泉信三のいう事なら間違いないと盲信して

  いいるのではないか」と。

それにしたって、お相手が平井氏のめがねに叶っていればこんな

  質問はでなかったんでしょうけど。


○宇佐美説明員 

今度の御選考につきまして、皇太子殿下の御教育に顧問として参画しておられる

小泉博士あるいは前長官であります田島氏や、

その他の方々といろいろ御相談したことは事実でございます。

しかしながらこの間においてだれが反対をし、

だれが強く推したということはございません。

非常にこれは大事なことでありまして、一人の懸念もないということを

私は慎重に考えて進めたわけでございます。

こういうような点につきまして、私は内容について外に言ったこともございません。

いろいろな憶測が出るようでございますが、

これは全く事実と違うものと存じております。

(皇太子の結婚については確かに小泉&田島両氏にも

話を聞いたけれど、二人の意見だけを聞いたわけではない)

 噂レベルとはいえ、ちょっと胡散臭い結婚話に見えますね。


○平井委員 

これはなかなか大事な問題でございます。

将来日本の天皇制が傾いた場合に大へんな問題になるので、

私は国民代表として言うておかぬと困ると思うのですが、

まず参考に申し上げておきますが、

私が先般いなかに帰りましたとき、非常な天皇崇拝者のおばあさんが

こういうことを言った。

先生、日本も天皇制はしまいましたね、だから金持ちのお嬢さんをもらったのだろう、

そういうふうに心から言うのであります。

そういう年寄りが全国津々浦々に非常に多いということも長官は知らなければならぬ。

いずれ天皇陛下になられるのでありますから、

民族の象徴として、今日の皇太子がそれにふさわしいお方にならぬときは、

日本はしまえるのですよ。

今日われわれ中共だとかソ連だとか言っておるけれども、

内輪でしまえるのですからこれは冗談じゃない。

小泉さんあたり少しどうかしておられますまいか。

よほど慎重に考えてくれなければ困る。

もう皇室の尊厳というものは、小学校の本にもないし、だんだんなくなってくる。

そういうお方を国民が崇拝して、宮内庁まで置いてああいう広いところで

生活をする必要はないではないかというような段階まで行きはしないかと、

私は非常に心配して言うのであります。

長官は世上に伝わっておることはうそであるというけれども、一年前のテニスの写真を

出したり、遊ぶところを写してみたり、ああいうことはあなたの責任ですよ。

国民は決して喜んでいはしない。

それを国民は非常に御結婚には賛成だ、いよいよ皇室も民主主義になったのだ、

こういうふうにもろ手をあげて喜んでいるというふうに考えることは、

私は大きな間違いだと考えます。

しかし婚約が整ってもう式も近まったのでありますから、

これに対して私はとやかく言いませんけれども、

英国の例によりましても、これは皇帝にならなければ心配はない。

恋愛は自由ですから。私は退位して会社にでも勤めましょうということになると、

われわれは一口も差しはさみません。

九千万の象徴となられる方だから心配をしておるのであります。

その点義宮の結婚と非常な違いがあるということも考えなければならぬ。

そういう場合には退位をされるといえば別でございますけれども、

英国とは日本の皇室はかなり違った立場に置かれておるのでございます。

英国ならば恋は自由でありますから、恋をなさい、

そのかわり国民はあなたを養いませんよ、

どうぞなさって下さいというようなことになると思いますけれども、

日本はそこまで言わぬが、それだけに国民の気持というものは、

あなた方が想像されるのとちょっと違いはすまいかと考えておりますので、

今後の皇太子のあり方、今度婚約されるお方のあり方、写真等、こ

れは宮内庁の宣伝と申しますか、そういうことについては特に私は

留意をしなければならぬと思う。

これは共産党であったら大歓迎です。

要するに天皇制のあり方、皇室の尊厳ということをもう少し高める上において、

何かあなた方は研究をされておりますか、

まだ何も考えておりませんか。

将来どういうふうに日本のこの皇室というものを持っていきたいというお考えですか、

この点一つ。これはあなたが長官のときですから大へんな問題になる。

将来問題になったときに、私があそこで質問したがその通りになったと

言わないように一つ心がけ、

また今後あなたとしては、どういうふうに天皇制を持っていき、

皇室の尊厳を高めていくというお考えであるか。

(熱烈な天皇崇拝者のおばあさんがこう言いました。

「皇室も終わりですわね。だからあんなお金持ちの女性と結婚されるんでしょう」と。

そういう人が全国津々浦々にいらっしゃる。

国民の象徴としてふさわしくない方が天皇になれば日本はおしまいなのです。

中共・ソ連など関わらなくても内側からつぶせるのです。

最近では皇室に尊厳を感じている人も少なくなっているし、学校で教えもしない。

そういう(ふつうの人)があんな広い皇居で生活する必要はないと

思われるのではないか。

長官はマスコミは嘘を書いているというが、テニスの写真を出したり

遊んでいるところを出したり、そういう事を許すのはあなた方

宮内庁職員の責任ですよ。

今回の結婚へ至る事が、開かれた皇室、民主主義の皇室の姿だと

国民全部が思っているとしたら大間違い。

でもまあ、婚約が調ってしまった以上、何も言いませんけど・・・・

イギリスじゃ恋愛は自由だと思われるでしょう。

でもあちらでは恋愛を選ぶなら退位という選択肢もある。

「自由に恋愛をすればいい。しかし国家はあなたを養わない」と

言えるけれど、日本はちょっとそういう事は出来ないでしょう。

今回の婚約者の方の写真などの公開を決めるのは宮内庁で

宣伝もかねているんでしょうけど、

本当に気をつけないと、アカの「皇室つぶし」のいい理由づけにされますよ。

要するに天皇制の在り方、尊厳を高めていく為に

あなた方は何をしているのかという事です。

将来、私が予言した通りにならないようにする為にどうするんですか)

 なんとも怖い。平井さん。あなたのおっしゃる通りになってしまいました。

  結婚前から正田美智子さんのお写真は世間にたくさん出回っていました。

  お綺麗でしたから週刊誌がこぞって取り上げた。

  特に朝日は専属の記者を使って「伝説」を作り、グラビアを飾った。

  ご結婚後は台所に立つ庶民的なお妃とか、家族主義の皇太子一家とか

  「開かれた皇室」の象徴として大人気。

  けれど、半世紀後、皇室の権威は見事に落ちたのでした。


○宇佐美説明員 

先ほど御指摘になりました殿下の今回のことについての御態度は、

先ほど私がはっきり申し上げた通りでありますが、

おきまりになりました以上は私どもはやはり将来殿下と妃殿下が

ほんとうの愛情を持って、りっぱに結ばれていかれるということを

われわれは望むものであります。

しかし今御指摘になりました御行動についてはわれわれも非常に

こまかい点まで注意をいたしております。

最近の週刊雑誌等を見ましても、そういった問題について

われわれも国民の疑惑が起らないように、

いろいろ報道関係にもお話し申し上げたのですが、

雑誌を見ますと、宮内庁は反動化したというようなことを盛んに座談会でも

言っておりますけれども、

国民に筋の通った報道というものはやはりなければいけない、

どういう生活をなさるかということは当然なければならないと思いますけれども、

むやみに追いかけ回されるということについては、

われわれとしても心外でございます。

そういう点で、殿下の御行動については慎重な注意をいたしておるわけであります。

しかし昔のようにすべてを不自由なと申しますか、

当然あっていいことまで押えるということもどうかという気がいたします。

殿下が伸び伸びと自身の立場を思いながら御成長を願いたいと

われわれは思うわけであります。

やたらに何でもかでも押えるということもどうかと思います。

ただりっぱな地位に対する御自覚から、

すべての行動をよく考えていただいて、われわれもそれをお助けして、

ほんとうに国民の将来の象徴としての素質を十分伸ばしていただきたいと

いうことでございます。こ

れは大きな政策とか、そういうことが表面に出ることではなく、

日々の行動が重なってそこに現われていくものと思います。

私は日々のことにつきましても、東宮職のおそばにおります者にもちろんるる申しますし、

小泉博士も皇室の将来ということとあわせて考えてやっていただいておりますが、

私もよく国会における御質問等も伝えますし、

私の考えも始終述べておるわけでございます。


 なお今後の皇室のあり方につきましては、

御指摘の通りに、ほんとうに真剣に慎重に私どもは考えなければならぬ。

そういう問題について、ただ宮内庁の組織だけで考えていいのか。

その間において世論を聞き、いろいろな立場から検討すべきはもちろんであります。

そういう点についてもいろいろ今考えつつあるところでございます。

まだ申し上げる程度にまとまりませんけれども、

将来のためにこれはほんとうに考えていかなければならぬというふうに思っております。

(今回のご指摘されたような内容については十分注意しています。

皇太子殿下は慎重な方です。

正田さんと二人で愛情あふれるご家庭を築かれるでしょう。

しかし、皇族だからといってなんでもかんでもおさえてしまうのはどうかと。

当たり前のことまでおさえるのではなく、のびのびと成長して頂きたいと思っています)

 宇佐美長官はちょっとしどろもどろになっている印象です。

  正田美智子嬢入内にあたっては、主役の一人ですし、写真の公開だって全部許可

  してきたんですものね。


 


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