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昭和34年2月6日内閣委員会議事録10

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○柏委員 

今までの各委員の御質問を聞きまして、私もいろいろと考えさせられる点がございます。

私は、国民の大多数は、自民党の委員さんの言われるような意味で皇太子の御成婚を

考えてはいないのではないか、もっと明るい、朗らかな気持でこの御成婚を迎えておる、

これが実態ではないかと感ずるものでございます。

そうでなければ、これからの天皇制、これからの皇室というものに対して、

私どもは安心ができないというように思います。

そういう立場において私は、今度の皇太子の御成婚を契機として新しい皇室制度というものが

自然に生まれてくるのではないか、そういう感じをいたしておるものでございますが、

そういう観点から以下の質問をやってみたいと思います。


 今回の皇太子の御成婚は、皇太子御自身があるいはどの程度に意識されておったかはわかりませんけれども、

古い封建的な皇室制度から、新しい時代に即した皇室制度に移っていこうというように

お考えになっておるのではないか、

そういうように私どもは感ずるものでございます。

すなわち従来の皇太子妃の選定方法と今度は、

これが一変してしまっておる。

皇太子みずからが、今までは日本民族の上に立つ皇室というようなものから、

日本民族の中に溶け込んでいく皇室というような姿に変っていっている。

古い意味の皇室制度というものは厳としてやはり中にはあるのでございましょうが、

それに挑戦するように今度の新しい御成婚がわいてきておる。

これに私ども国民の大多数は明るい希望をつないでおるのではないか、

そういうように私は思います。

しかしこういう御成婚の問題をまた違った意味で、何か皇室の尊厳を傷つけるように考えておる人たちも、

今までの質問の中に出ておりますので、むしろ私どもは意外に思うくらいでございます。

私どもは、戦後に民主主義の教育を受けられました皇太子が、

身をもってこの時代の流れの中で、封建的なものではない、民主的なものを打ち立てよう、

それを実践しようとしておられることに対して、ほんとうに力をかして、

皇太子のお考えになる道を実現さしてあげねばならない、そういうように感じます。

その意味におきまして、私どもはこのたびの御成婚の式につきましても、

ほんとうにそういう皇太子のお気持がどの程度現わされておるだろうか、

そういう点について、尊厳というよりもかえって、もっと違った意味合いの心配を感じております。

しかしその点について先はほど長官からお話もございましたので、

重ねて御質問する必要もないわけであります。

皇太子が御婚約をされ、御婚礼の式をあげられて新しい生活にお入りになるという場に

入ったわけでございますが、そのことはまた新しく次の天皇としての生活への第一歩でございます。

そういう意味からして、果して皇太子のこれからの生活設計が、皇太子の意図されるような、

国民の中に溶け込んでいくような皇室というようなものを、

これからの生活設計の中に宮内庁としてお考えになっておるかどうか。そういう点について、

新しい皇居の造営の問題とか、あるいは皇居の開放論とかいうふうなものと関連を持って、

宮内庁ではどういうふうにお考えになっておるか、御見解を承わっておきたいと思います。

(皇太子自身がどこまで意識しているかわかりませんが、今回のご成婚は

古い封建的な皇室から新しい時代に即した皇室へ移っていこうとしているのでは

ないかと思います。

古い皇室制度というのは依然としてあるのですが、あえてそれに挑戦していこうと

いうような明るい兆しがあると思います。

それを皇室の尊厳を傷つけるというような悲観的な立場で見る人もいる。

皇太子は戦後の民主主義の教育を受けてきているわけですから

封建的ではない、民主的なものを打ち建てよう、実践しようとしている事にかんして

私達はそれを実現させてあげなくてはならない。

皇太子の望むような「国民の中に溶け込んでいく」皇室が出来るのか。

その点を宮内庁がどう考えているのか聞きたいのです)

 柏委員さんは社会党系です。

  左翼の方々はみな「開かれた皇室」というし、皇太子がその旗印だというし。

  つまり今上の左翼発言は今に始まった事ではないという事です。

  もしかしたら、今上が考える「時代に即した皇室」」や「民間出身の妃」への最大の

  味方であるという点で自己正当化に役立ったってことですか。

 


○宇佐美説明員 

このたびの皇太子様の御婚約が、国民の大多数に非常に明るい気持を与えておるという点は、

各種の面から見て間違いのないことだと私も考えております。

しかし国の内外を通じまして、こういう問題にそれぞれの立場から他の意見を持ち、

あるいは心配をなさる方があるということは、

これまた間違いのないことだろうと思います。

過去のこういった大きな問題につきましても、常にあったことであります。

ただ先ほど来、非常に真情を披瀝しての御質問がございましたが、

そういった一部における――将来のために御質問があったことと私はありがたく拝聴しておるわけであります。

今回の御結婚がこれによってすぐどうなるということでなく、私が常に申しますように、

御結婚は第一歩であります。

今後これをスタートとしてりっぱな御家庭を作り、皇室の中心に立っていだたくということこ

そ願うべきことであろうと思います。

そういうような点につきまして国民もまた相協力して、

そうしてお互いに日本の将来のために進んで行くべきものであるということを考えるものでございます。

われわれそのお手伝いをする立場におります者といたしましては、よく将来のこと、

あるいは国民の気持を洞察して、日々そういうような問題を具体的な問題で現わしてこたえて

いきたいというふうに考えておるわけであります。

(色々ご心配されている方もいらっしゃり、それはそれでもっともと思う部分もあるし

あなたのような方もいる。その都度対応していきたい)


○柏委員 

今の御答弁で私ども考えております明るい皇太子の御成婚ということに対して、

皇室を初め関係者その他においても同じく考えておられることが私どもよくわかるのでございます。

それだけに私は、こういう明るい日本の皇室を、再び昔のような菊のカーテンの中に追い込んでしまう、

雲の上に押し上げてしまうというような形にならないように、

これから天皇側近の皆さん方において特に留意をしていただきたい、

そういう感じをいたしております。

また正田美智子さんは民間人として宮中に入られるわけでございますから、

それだけにいろいろと因襲のあるところにお入りになるので、

心配もおありだろうと思います。

国民もひとしくそのことを心配しております。

普通の家庭でも家風の違うところに参りますと心配でございますが、

それ以上の心配を国民がひとしく持っておる。この御成婚がうまくいかないようなことでもあったならば、

その責任は一体どこに出てくるだろう。

私ども国民のひとしく願うところは、この御成婚がやはりともにしらがの生えるまで、

ほんとうに偕老同穴のりっぱな御生涯を送られますように、これを願っております。

しかし宮中はなかなかむずかしいしきたりもあるそうで、先ほどお話のありましたように、

肉親の方にも会いに行けないというような、

あるいはおいでにならなかったというようなことがあるというようなことを聞くだけでも、

胸のふさがるような思いがいたします。そういう点から人間美智子さんが人間としての生活を、

これからの生涯を宮中において平穏無事にお過ごしになれるように、

皆様方、特に御配慮を願いたいという気がいたします。


 その次に私の申し上げたいことは、従来とは異なって民主主義の教育を受けた天皇の時代がくる。

今までのような帝王学を身につけられた天皇ではなくして、

民主主義を身につけて、ほんとうに人間天皇として初めから教育された方が天皇の地位につかれ、

国民統合の象徴としておふるまいになるという、今までと違った新しいケースができていく。

その意味におきまして、決して帝王学が天皇に必要なのでなくして、

良心至上主義に徹した、りっぱな人間としての天皇をお作りになっていくということこそ

私どもは願いたいのでございまして、天皇が特別の教育を受けて、

人間とかけ離れた者になっていかなければならないという

お考えを持っておられるような発言に対しては、

私どもはどうしても賛同いたしかねる。

今の小泉さんがやっておられるような教育の仕方をこそ、

私ども国民の大多数の者が、ほとんど全国民と言っていい、

すべての人々がそういうことを願っているのではないか。

今の皇太子に対して私ども日本民族が希望をかけ、期待をかげておるゆえんのものは、

りっぱな人間としてすくすくと成長しておる純真な人である――そう頭脳明晰だというような感じを

みんな持っておりません。

そうでないが、人間としては実にりっぱな皇太子が、

この次には天皇になられるのだというところに、

日本民族の希望があるのだ、そういうふうに声なき国民の声というものを私ども感ずるものでございます。

それだけに曲げられた教育をされていくというようなことはなるべくチェックしていただいて、

今のようなりっぱな民主主義の教育を身につけられた天皇ができていかれることを

お願いいたしたいと思っております。

今まで明治憲法のもとにおきましては、確かに天皇は最終の決定権者でございました。

それだけに私どもは最終の決定権者である天皇に対しましては、

ほんとうに人間としての能力の最善なるものを要求しなければならなかったと思います。

ある意味におきましては、明治天皇は確かに人間としても私らが考えられる能力の面から見ましても、

最上級のお方であらせられたと思います。しかしそれに続く大正、昭和におきましては、

明治天皇に求めた最上級のものを求めることは不可能であったと思います。

明治憲法のようなほんとうの天皇制のもとにおきましては、

天皇の人間としての能力が問題になっておったと思います。

しかしながら新憲法におきましては、天皇はもうすでに最終の決定権者ではありません。

その意味におきまして私は天皇が最終の決定権者でないそういう事態に即して、

天皇が生物学をおやりになろうと、歴史学をおやりになろうと、

それは天皇の自由であり、天皇もその意味において人間として十分にお好きな道をお進みになって

けっこうだと思います。

しかしながら私どもは天皇が国の象徴であるという点から見まして、

皇室の天皇はいつもりっぱな状態であるようにおしつけを願いたいと思うのでございます。

その意味からいきますと、先ほど受田委員からもお話がございましたが、

現天皇におかせられては少しく身体的障害というようなものもこのごろはおありになるのではないかという

懸念を私どもは感ずるのでございます。

たとえば最近にございました開会式当日の天皇の御様子を見ましても、

顔色はなはだすぐれられない、あるいは御歩行においてもまだ五十何才のお方にしてはしっかりされていない、

言語もあまりきちっとされていないというような点から見ますと、

あるいは天皇御自身に身体的障害というようなものでもおありになるのではないかという

懸念さえ持つものでございます。

かりにもしそういう事態でもございますものならば、

皇室典範にも憲法にも規定されております摂政を置かれるということを、

当然に宮内庁あるいは側近において何らかの形で

お考えを願うことが出てくるのではないかという感じがいたします。

そういう意味で今は一つの段階に来ておる。先ほど天皇退位のお話もございましたが、

退位はいろいろの面でもし実現できないといたしましても、

摂政を置かれるということは、憲法においても皇室典範においても定められておることでございますから、

その限度においてこの際皇太子の御成婚を一つの機会にして、

摂政を置かれるということについて何らかお考え合せになったようなことがございますかどうか、

そういう点について伺いたいと思います。

(このような明るい皇太子の結婚による「開かれた皇室」のイメージを

再び菊のカーテンの中に隠すような事はしないで頂きたい。

正田美智子さんは民間出身ですから、さまざまな因習の世界に溶け込めるかどうか。

もし結婚がうまくいかなかったら、誰が責任をとるんでしょう?

結婚する以上、ともに白髪が生えるまでなかよくしていただきたいというのが

国民の総意ですが、宮中にはなかなか面倒なしきたりがあるようで

さっきの話じゃないですが、肉親に会いにいけない・・・というような

非人間的な伝統の話を聞くだけでも胸がふさがる思いです。

正田美智子さんは人間でいらっしゃいますから、それなりのご配慮を

とくお願いします。

皇太子殿下は民主主義教育を受けられ天皇になられる。

であれば旧来の帝王学など必要なく、良心至上主義による

立派な人間としての天皇になって頂きたいのです。

今までのような特別な教育により、人間としてかけ離れた

存在であるべきという意見には反対です。

そういう意味では小泉信三の教育がその通りであって

頭脳明晰ではないが、純真な皇太子が将来天皇になる

という事に希望を見出しています。

立派な民主主義を身につけられた天皇になられることを願っています。

今の憲法におきまして、天皇は最終決定者ではありません。

だから、学問をやろうと何をしようとある意味、自由です。

で、今上におかれては体調がお悪くていらっしゃるのでは?

顔色は悪いし身体障害もありそうです。

もし、そうならすぐに退位出来ないまでも

皇太子殿下の結婚を機に摂政にされたらいかがでしょうか?)

 怖いーーほんと、耳触りはいいけど怖い。

  恐ろしい。さらりと「身体障害者じゃないの?」「退位したら?」とふる。

  要するに「民主主義教育(左翼)」を受けた皇太子が天皇になったら

  いいのにとおっしゃってるわけですよね。


○宇佐美説明員 

皇太子殿下の明るい御結婚について、

こういった気持を発展して明るい皇室、明るい国ということにつきましては、

先ほど申し上げました通り私どもが今日がスタートで、

この気持がほんとうに実りますように努めるべきものであると考えております。

明治時代と現在におきましては、天皇の地位も変って参り、明治、大正、昭和と比較いたしまして、

そのときの国家の情勢、社会の情勢、そういった諸制度、

あるいはおそれ多いことでございますが、各天皇の御人格またそれぞれ御特徴があることと思います。

常に同じ方ということはあり得ないわけでございます。

日本将来のためにこの新しい感じ、国民とともに進まれるというお気持を大いに今後発展すべきであると

いうことにつきましては、

私どもそういうことで努めて参りたいと思います。

ただお述べになりました陛下の御健康につきましては、

最近数年間おかぜもおひきになったことございません。

何ら御支障ございません。従ってただいまお述べになりましたようなことは夢にも考えたことはございません。

(皇太子殿下の明るい結婚について、明るい未来の皇室を考えるという事は

本当によい事です。

天皇の在り方も過去の歴史をみれば一様ではありません。

今後、国民とともに進まれるお気持ちが発展していけばいいなと思います。

ただ、今上陛下に関しては身体になんら障害などお持ちではありません。

したがって退位や摂政など考えたこともございません)

 うまく逃げたとは思うけど、当時の社会党系がみなこんな考え方をしていたこと

  そして「皇太子」とその結婚が、彼らを後押しするような形になった事は

   確かなようです。

 民はおろかだったのか。

  手放しに「正田美智子さん」入内を喜んで、ファッションを真似して「ナルちゃん憲法」に

  感心し、心から同情してた・・・

  まさか用意周到に仕組まれた事だったなんて考えてもいなかったですよねーー

 


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