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Channel: ふぶきの部屋
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OSK パラジクロロベンゼン・・・じゃなくてカンタレラ

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舞台の感想の前に・・・・OSKの人達はもう少し体を絞るべきじゃないかなと思います。

いくらコスチュームが体に合わないものとはいえ、太って見える事は重大な損失です。

パンフレットの写真を見ても、細い・・・という印象がないんですよね。

普通の人と変わりないというか。

プライベートな服装ももうちょっと気を遣うべきというか、男役ならブーツくらいは

はくべきじゃないか?と

宝塚とOSK、歴史的にはそんなに変わりがないのに、差がつきすぎているのは

芸の継承がないからでは?

ハウステンボス歌劇団が専用劇場を持ち、宝塚のOGが今後、もっと入って行ったら

レベル的に抜かされてしまうのではないかと思います。

歌唱力&ダンスに関しては素晴らしいものを持っていると思うので、もう少しファンに

夢を見せて欲しい。

キラキラオーラがほしいよね。

 カンタレラ 

 出演・・・桐生麻耶・舞美りら・真麻里都・悠浦あやと・楊琳

劇場・・・博品館劇場

ニコ動で大ヒットしたアニメ?作品をそのまんま舞台化。

ものすごく長い時間が過ぎて、印象に残ったのが「パラジクロロベンゼン」という曲で

いっそ、これをタイトルにしちゃえばよかったのにーーなどと思ってしまいました。

話はチェーザレ・ボルジアが弟だの邪魔な奴などを暗殺していきながらも

妹との恋に苦悩するというもの。

脚本は大石薫夏という人。それに振付家の上島雪夫が演出と振付を担当。

 

まずね 脚本がダメすぎるの。

植田景子や児玉明子も真っ青。正真正銘の素人さんの脚本だよね?

それを手直しもせずに上演しているんですから、これはもう客に失礼でしょ。

意味不明のセリフが出てくるわ。用法が違うだろ!と突っ込みたくなるセリフは出てくるわ。

(例えば侍女に暗殺されかかり逆に殺した時、現れた弟に「どう落とし前をつける」と

言い募るんですけど、「落とし前」って・・・

その弟が死んだ時に登場したスペイン大公が「いたみります」とお悔やみをいうのですが

そのセリフは・・違うんじゃない?とか)

弟が兄を殺そうとしているのに、逆に兄に毒を盛られて「まさかこんなことをするとは」って・・・

あんた、お兄ちゃんを殺そうとしてたんじゃないのか?と突っ込み。

 

タイトルの「カンタレラ」というのは、芝居上、ボルジア家の女性に伝わる「毒薬」で

それをルクレツィアが母から受け継いだという事なんですが、

その毒薬が出てくるのが1幕中盤。しかも唐突で。

タイトルなら物語の「要」なんだよね?もっと早く出さなきゃいけないんじゃないの?

ところが、観客は「パラジクロロベンゼン」の方が印象的に感じてしまう。

これは殺虫剤のことらしいんですが・・・・毒薬が主役じゃないのか?と。

ルクレツィアはチェーザレを兄としてより男として愛している。チェーザレもそう。

なぜそうなのか描かれない。

チェーザレはそのカンタレラを

使って弟・ホアンを殺し、それを知ったルクレツィアが兄を毒殺しようとする。

しかし実はそれは・・・・だった。みたいな?

そしてルクレツィアは巡礼にでかけていきましたっと。

このお芝居、主役がチェーザレなのに、全然出てこないんですよ。

こういう事は実は多々あるの。脚本を書くうえで知らないうちに主役より

脇役に感情移入しちゃって、出来上がってみたら主役の個性がまるっきり

見えなくなっていた・・・という事はね。

それを修正して、まっとうなものに仕上げていくんだけど、その過程がゼロ。

おまけに演出がひどくて。

誰かがセリフを言ってる間、他の登場人物は突っ立っているだけ。

いくらなんでもそりゃないんじゃないか?素人芝居じゃあるまいしと。

 

OSKといえば、日本物のショーと洋物のショーの二本立てが普通で

あまり「芝居」という印象はないのですが、だからといって出来なくて当然では

ないと思います。

今回は中世イタリアの話。ゴテゴテコスチュームに身を包み、歌ったり踊ったり。

なのに

 コスチュームを着て太って見えるとか、スタイルが悪く見えるというのは困りもの。

ショーにおいても「演技力」って重要だと思います。

目に表情がないと、全てにいて嘘っぽく見えます。

 

 出演者について

桐生麻耶・・・チェーザレ。主役なのにあまり出てこないという可哀想な役。

        一応、コスチューム物なんですが、一人だけ現代風の話し方だった事に

        違和感。

        また、元々演技が得意ではないのか、セリフが棒読み風になる事も多々あり。

        脚本のせいもあるけど、存在感がどんどんなくなっていくのも可哀想でした。

         前トップ、桜花のぼる時代は、個性的な風貌と力強さで、これはすごいと思った

       けれど、実際、芯に立ってみると色々な欠点が出てくるなと。

       気になったのは2幕目。ベッドに座って隣にいるルクレツィアに「体の方はどうか」と

       尋ねる時、足を組んでいたんですがそれが、何とも現代的で。

       時代を考えるともうちょっと大仰な振りになるんじゃないかと思いました。

       日本人離れした顔と体つきをもうちょっと絞ってみてはいかがでしょう?

       それと芝居の稽古をもっと!!

舞美りら・・・ルクレツィア。まるで主役が彼女みたいっていうか、そうなんだよね?

        長いセリフは頑張っていたし、精一杯だなあと。顔も可愛いし。

        ただ荷が重かったなと思いました。

真麻里都・・・サヴィナローラ。「エリザベート」でいえばトート?ルキーニ?

       そこらへんの役どころをはっきりさせて、ストーリーテラーにした方がいい

       出来だったと思います。

       とにかく化粧も衣装もダンスも演技も完璧でした。

       仮面も似合っていたし。

       フィナーレなんて彼女しか目に入らず・・・桐生さん、ごめんといいながら

      舞台の端っこをみていました。

      OSKの中では多分逸材。みな、彼女に学ぶべきでは?

悠浦あやと・・・ホアン。可愛い弟役で。その割に1幕で死んじゃうので

         「マノン」でいうところのクォンか?と。

         歌がちょっと苦手なんだという事はわかりましたが、ビジュアル的にいいし

         もうちょっと骨太になる方がいいかもね。

楊 琳・・・ニコ動で「フィナーレ」部分を姫に見せたら、楊君を見て

     「この人、絶対に男でしょ」って言いました。それくらいがっしり体型なんですよ。

     もうちょっと細くならないとコスチュームの時、太って見える。

      でも化粧も髪型も演技も完璧で。僅か1年前は可愛い楊琳君だったのに

     こんなに大人の男性になるなんてーーと感慨深いものがありました。

 

今回のミュージカルは、いわゆる「テニミュ」的なものです。

こういうものを見てOSKファンになり、「春のおどり」を見て受け入れられるのか・・・と

私のお友達はちょっと心配していました。

言われてみればそうかな。

昔、天海さんの「ミーマイ」を見て、私の中の宝塚感が崩れてしまい、ちょこっと

失望した時、「剣と恋と虹と」のポスターを見て「これだ!宝塚ってこれよ」と思い

その後、ずっとヅカファンを続けている私。

選択肢が多い宝塚に対してOSKはいつも流動的。

若手で一つの組を作ってもいいくらいだなあと思ったりして。

宝塚でもない、四季でもない、OSKなりのミュージカルがどこかにあるんじゃ

ないかと。

 

 


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