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ドン・カルロス  1

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 昨日、雪組を見ました。2階4列目のど真ん中。でも隣があいていました。

劇場のお姉さん、2幕が始まる直前に「ご自分の席にお座り下さい」と言ってました。

どういう意味?そんなに席が空いてるのか・・・・と。

 

 ドン・カルロス 

 

 オペラを知らないけど・・・原作と違いすぎ?

帰宅して「ドン・カルロス」で検索。

このオペラはシラーという人が脚本を書き、ヴェルディが上演したオペラで

でも初演はズタズタ・・・だったといういわくつき (キムシンってそういうの好きね)

話としては本当にドン・カルロスとイザベルの間に不倫があった設定で・・・?

レオノールは架空の女の子なのか・・・・ どうりで出番が少ない。

っていうか、実在のドン・カルロスって24歳でネーデルランドで死んだの?

「変わり者」の意味は見た目も相当ひどかった・・・?

オペラと話が全然違うし多分元の脚本とも違うけどシラー「ドン・カルロス」より

ってつくんだねーーって。

 

 何を描きたかったか

パンフレットによると、キムシンは2週間程スペインを旅行したらしい。

そこで宮殿めぐりをしていた所、フェリペ2世の死んだ部屋で彼の「霊」を感じたと。

なので彼は不幸な人だったフェリペ2世を救いたいという気持ちでこの作品を

書いたんだとか

つまり、彼の思い入れは主役のドン・カルロスではなく父親のフェリペ2世にあった

という事。どうりでいやにフェリペ2世の役が重かったし、台詞も重要だったなと。

それはそれでいいけど、宝塚の場合、やっぱりトップスターに当て書きをきちんと

しつつ脚本を書くべきではないか?

個人的な思い入れはともかくとして。

フェリペ2世に比べるとドン・カルロスその他の人物の底の浅さが気になりました。

 

 一体誰の作品?

1場の狩のシーンからマドリードのシーンまでは、いつになく順調で随分

成長したなーーと思いました。

特にフェリペが悩むシーンの背景の黒と赤の対比は素晴らしかった。

でも・・・・・

カルロスが部屋で歌ってレオノールが登場するシーンは、なにやら「ロミジュリ」

みたいだし?後半のセットは安蘭けい主演の「アイーダ」そっくりで。特に

牢獄にレオノールが来るシーンはそっくりよね?

カルロスがやたら「いい人」でマドリードの市民に話しかけるシーンは谷先生の

作品によくあるパターン。

演奏系は児玉明子がよくやる手だし・・・何となく節操がなくなってきたとか?

 

 相変わらず変な言葉遣い

「これは家族の問題だ」という台詞、何度出てきたかな。しつこいんですが。

そういう何度も同じ台詞を繰り返すのが相変わらず多いし、言葉遣いも変。

カルロスは何でレオノールに敬語で喋るの?だって使用人だよ?

それに「私は恐れています・・・・・を」みたいな、目的語が先に来る台詞。

「私は〇〇が怖いのです」ではなぜいけないか?

英語的な物言いが好きなの?

「バラ国」の時は霧矢の滑舌がやたらよすぎて、その点が気になりましたが

音月はさらりと流すような台詞回し。

おかげで随分軽くなり、聞きやすかったけど。いい加減言葉遣いを変えて

くれないとますますファンが減るよー

 

 なぜに伏線をひかない?

イザベルってカルロスと1歳違いで元婚約者?

クララとボーザ侯爵の間には深い繋がりがあった?

ボーザ侯爵とエボリ公女の間には不倫関係があり、子供が生まれていた?

カルロスとレオノールは幼馴染で結婚の約束をしていた?

カルロスの叔母さんはポルトガルにとついで3年で息子を残して帰って来た?

これらのエピソードがぜーーーーんぶ「後出し」なんです

ボーザ侯爵っていい人に見えたのに後半は悪役っぽく描かれ、その理由が

クララの死で?ってそういう事は先に言ってくれないとわからないじゃないのっ

カルロスが「母上」と呼ぶイザベルだって、1歳違いで元婚約者なら

パパが疑って当然だろうけど、最初、フェリペ2世って被害妄想が過ぎるんじゃ

ないの?と思いました。

ボーザ侯爵とエボリ公女のエピはいりません。

そもそもエボリ公女がなぜに眼帯をしているか説明なかったでしょ?

ルイ・ゴメスも自分の奥さんが不倫して子供を産んでいるのに、王子様のことに

あれこれ関わっている暇があるんだろうか?エボリ公女の子供が本当にフェリペの

子供だと信じているなら野心を抱くはずなのに、やたらいい人だし?

緒月が演じたファン・デ・アウストリアだって、本来「ドン・ファン」と呼ばれる

超有名人 フェリペとの間には確執がある筈で。

 

要するに何で「伏線」を引かないの って話です。

ストーリーを組み立てる上で重要だし、どこで伏線を引き、どこで謎解きをするか。

それって脚本を書く上でめちゃくちゃ大事な事で、基本中の基本ではありませんか。

なのに、全部「後出し」というかつけたしというか、台詞で説明しておしまいって

あまりにお粗末ではありませんか!!

ゆえに後半はグダグダでどうでもいいシーンがやたら長くて歌で誤魔化して・・・

みたいな感じになりました

 

 レオノールは必要な人物だったか?

いらなかったなあ。

舞羽美海にイザベルをさせる事は出来なかったのかしら?という疑問が。

普通はそういう配役になるんじゃないの?

1歳違いの元婚約者に対する微妙な思いとか、雰囲気とか・・スリルがあると

思うけど、あえてレオノールという侍女にしたのはどんな理由が?

確かに舞羽はイザベルのイメージじゃないけど、トップの娘役が侍女役って

どうよ?

「仮面の男」でもそんな役回りで、舞羽は「侍女」系なの?

それでもあえてレオノールを出したいというなら、もっとカルロスとの間を

描いてくれないと、片や「好きだ好きだ好きだ」のオンパレード、片や「殿下殿下殿下」

の応酬ではつまんないって。

 

今回、「衣装」はどれも素晴らしかったです。色を抑えつつも上品で華やか。

流行り廃りのないデザインでしたね。

さすが有村淳。

 

 友人と観劇の帰り、ちょっと音月桂の話題になりました。

どうしてトップになってからこんなに役に恵まれないのか。

一体、どんな役だったら似合うのか?

私 「日本物だよね。やっぱり。「春麗の淡き光に」を再演してくれれば。「花供養」も

   似合いそう。あれ?全部植田先生だ」

友人 「植田芝居?」

私 「コスチュームなら「戦争と平和」?何で?植田先生の描く主人公はめちゃくちゃ

   義理堅くていい人だから。ある意味くせがないからかなあ・・・」

そっか・・・音月桂は貴重な植田芝居の後継者だったのね。

それから「音月がこんなに作品に恵まれないのは可哀想すぎる」と言ったら

友人 「私のあさこちゃんよりましだわっ」と言い出しました。

瀬奈じゅん → 谷・キムシン・植田・正塚・正塚・・・うーん。確かに。

それから誰が一番可哀想だったか合戦が始まったのですが、こういう楽しみ方も

ヅカにはあるって事?

人によっては「うちの霧矢様よりましっ」「いいえ、まとぶんよりましっ」とか言いそう。

結論として一番恵まれているのは柚希礼音って事ですね。

 

 


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