すでに宙組の「エリザベート」が始まり、ご覧になった方もいらっしゃるでしょう。
初演から20年ですか・・・・・あまりに長くてっていうか、
自分が歳をとったなあと思ってしまい
お蔭さまで、東京でですが、「エリザベート」は前作制覇する事が出来、ガラコンサートも
見る事が出来、東宝も2回か3回は見る事が出来、幸せでございます。
最近では初演からブルーレイのDVDも出るようで、
初演当時、生まれていなかった人も、小さくて見る事が出来なかった人も
同じように感動してもらえるのかなと思っています。
しかし、これからDVDを買う人にとって、
「エリザベートなら何でもいいし、全部買っちゃう」ってわけにもいかないでしょう?
やっぱりそこは値段が・・・・財布と相談しなくちゃいけないし。
みんなが感動したから自分も感動するとは限らないし。
スカステでは1年に1回くらいはやってくれるけどさ
そこで
初演から、全作の印象を徹底比較しようという企画です。
これからDVDを買おうかなと思う人、自分に合う「エリザベート」を見つけてみませんか?
ベテランヅカファンは知ってるトリビアも、知らない人だっているし
「また年寄りの思い出話かあ」と言わず読んでね。
まず序章。
我が家の姫ちゃんに歴代のポスターを見て貰って率直な感想を言ってもらいました。
我が家の姫ちゃんが最初に舞台の「エリザベート」を見たのは水夏希版。
それまでは雪や星のビデオは見たけど、実はあまり覚えてないとの事です。
まず、初演の雪組
姫 「すごく高貴で上品そう」
まあ・・・そうだよねーー衝撃的だったしね。
星組
姫 「怖いーー一番死神っぽい」
我が家の姫は昔から麻路さきの白塗りが怖くてね・・・・
でも絵麻緒ルドルフが好きなんだよね。
宙組
姫 「このトートとエリザベートって全然お互いに関心がないね」
あーーいいところに気が付いたわね。
そうなのよーーって感じ?
花組
姫 「ナルシストなトート・・・・?自分が一番好き?」
いや、確かに言われてみればそうかも。
月組
姫 「仮面夫婦」。ロボットみたい」
いわずもがなの・・・・・
雪組
姫 「アオセトナっぽくて、背後からにょろにょろ」
髪が緑色だから?
水君は何をやってもアオセトナなんだよねーー
月組
姫 「ロックっぽい。トートの片思いっぽい」
花組
姫 「上を向いているから希望がある?死にに行く感じじゃない」
ああ、前向きって事ね。
宙組
姫 「寄り添っているみたい。一緒に棺桶に入ってる感じ」
今でこそ「エリザベート」といえばああ・・・と髪の長い女性を思い浮かべるでしょうが
初演の頃の知名度はそんなに高くなかったと思います。
エリザベートって言ったら、エリザベート・バートリとか
(ベルばら10巻「黒衣の伯爵夫人」のモデル)
松本清張の「暗い血の扇舞」でちょっと風変わりな女性として見られているなと。
そんな印象。
名前はエリーザベト・アマーリエ・オイゲーニエ・フォン・ヴィッテルスバッハ
ウインナーで有名なアルトバイエルン・・・っていうかバイエルンの
ヴィッテルスバッハ家。
何だかドイツ系の名字ってわかりません。
エリザベートの名字はヴィッテルスバッハで、バイエルン王家の名字。
母のルドヴィカと父のマクシミリアンはフォン・バイエルンなんだよね。
王女でもなく、皇女でもないから?
ヴィッテルスバッハ家は血族結婚の影響で精神的な病を持つ人が多かった。
エリザベートやルドルフの妙なこだわりも、今となってみれば・・・と思います。
延々と髪を上げずに長くしてたってのも・・・だし、拒食症っぽいしね。
作品の中で「家柄はダメ」と言われていますが、ルドヴィカはれっきとした
バイエルン王女。でも嫁いだ先が分家だったって話なんですよね。
こんな女性の人生が1996年、宝塚の作品として上演され、大ヒット。
「私はエリザベート」と思い込む「エリザベート症候群」の女性達を生み出すとは。
宝塚は「ベルサイユのばら」で女性の人権を訴えました。
「女だって幸せになる権利はある」と言い切ったオスカルに日本中の女性が
共感し、愛したのです。
そして「エリザベート」では「抑圧からの解放」を訴えました。
つまり「いい妻、いい母にならなくていいじゃない。そんなの男からの押し付けよ」
っていう事。
それから20年後、私達の目に映る「エリザベート」はどんな女性なのでしょうか。
今も共感を得るのでしょうか?