今回はDVDじゃなくてスカイステージで放送された東京千秋楽を見て
書いてみようと思います。
その前に。
月組と「エリザベート」ってあまり相性がよくないのかもしれませんね。
2作ともあまりいい出来ではなかったし。
その理由はエリザベートの無理な抜擢で。
凪七瑠海。今にしてみれば彼女に罪はなかったと思います。
でも、大人の思惑で宙組生だった彼女が新人にも拘わらず月組へ特出に
なった時は正直「何で?」と思いましたよ。
何で彩乃かなみじゃダメだったのかとも思うし、城咲あいの方がずっと
よかったんじゃないかと。
凪七にしても、いきなり月組に特出でタイトルロールでは荷が重すぎたろうし
印象も悪かったと思います。
全体的な流れ
これは今回の宙組版と同じですね。
エリザベートと出会うシーンで、初めてトートが椅子に乗ってくるくると
回って登場。
ベッドや椅子の位置は今までの反対。
宙組とは雰囲気も似ています。
月組の方がより硬い感じがしますね。
やっぱりトート閣下を表現する演技として「無表情」は欠かせない要素なんでしょうか。
でも、同じ無表情でも一路真輝とは違うんだよね・・・・・
しかも、無表情なのはトートだけじゃない。ゾフィもだ!
いやいや、フランツ・ヨーゼフもだ!
みんな無表情なのだ!
それはやっぱり学年的に若すぎて「老成」感を出すとか、威厳を出すとか
そういう為にはどうしても「無表情」が必要だったのかもしれません。
綺麗なカチャベート
実際に見ていた時はそうでもなかったけど、映像でみると凪七はとてもきれいで
可愛いエリザベートでした。
たった一人で月組へ来て慣れない不安とかどうしようとか・・・そういう気の弱さが
ものすごく伝わって来るんですね。
瀬奈エリザのようなやたら強いエリザベートではなく、体も細く、新人らしい初々しさも
あり、これはこれでよかったと思います。
ただし、相手が瀬奈じゅんでなけtれば。
きっと、東宝あたりで城田優とか井上芳雄とかが相手役だったら、ものすごく
光ったんじゃないかと思います。
なんせ背が高くて。パパよりフランツより、へたすりゃトートより・・・・・
あの大きさだけでマイナスだったなあ。小柄だったら結構いけたかもしれません。
瀬奈トート
瀬奈じゅんに関しても「情熱大陸」での結構俺様的な態度に個人的に
何だかなーーと思っていたし。そりゃ、トートをやるというプレッシャーは半端
なかったと思うんですけど、もうちょっと組に馴染んでもいいんじゃないかと。
同期もいるし。
結構孤独な存在なのかと思いましたけど。
霧矢フランツ
霧矢フランツで北翔ルキーニだったら劇団四季風でよかったのに。
この時の霧矢の冷たさは胸にずきっと来ますね。
あまりエリザベートを好きではないフランツで、どっちかっていうと亭主関白系だと
思いました。
龍ルキーニ
みんな無表情なのに、一人ではしゃいでいる感があった龍真咲のルキーニ。
劇場で見た時はやかましくて、思わず「うるさい」と思ってしまいました。
月組のルキーニは二人とも存在感アピールしすぎですね。
わりとよかったと思うのは遼河はるひのエルマー。劇場で見たルドルフより
ずっとずっとかっこよかったです。
一方、青木泉のルドルフはかなりイマイチ。最後、銃で自殺するときの
倒れ方もわざとらしいというか・・・・そうは倒れないんじゃないか?と思うのね。
これはたぶんに瀬奈トートにも原因があったのではないでしょうか。
こうも何度も見ていると、なお一層、トート役というのは見た目の美しさだけでなく
威厳が必要であると思いました。
「ミルク」の場面で銀橋に立つトート。ルキーニとの距離が近すぎるし、庶民も
すぐそばにいるわけで。そこで「黄泉の皇帝」の仮面がはがれてしまうんですね。
いわゆる等身大のトートさんになってしまう。
そんなシーンでも、威厳を保ち、近寄りがたさを感じさせるというのは、やっぱり
スター性そのものなんじゃないかなと。
続演すればいいってもんじゃないんだなあ・・・・と思いました。