そりゃそうだ・・・・
有識者会議7回目
将来にわたる退位の制度化は難しいとの認識でメンバーの意見が一致
いわゆる「お歳なんだから休ませてあげて欲しい」派から見ると「何で?どうして?」と思うかもしれませんけれど、押さえておかなくてはならないのは「天皇」という存在は何かという事です。
天皇は「仕事」ではない
天皇は存在であって仕事ではないので、たとえ今後動けなくなっても認知症になっても公務をしなくても天皇は天皇なのです。
「お忙しくてお可哀想」と言われる「公務」の中身は実は
拝謁
会釈
茶会
自主的な午餐・晩餐
行啓
などです。
会釈・・・・勤労奉仕団というボランティアに話しかける事
宮内庁人事異動者から挨拶を受ける
時間にして10分か20分程度。
今上の時代になってからやたら「勤労奉仕団に会釈」も多くなった気がします。
拝謁・・・人事異動者や勲章受章者、赴任大使や離任大使に会う
春と秋にある勲章受章者に会うのは大変ですが、頻繁に変わる赴任大使や離任大使に会う必要があるかどうかは疑問だし、必ず「大使夫妻とお茶」っていうのがついてくるのでこういうのこそ皇太子夫妻に任せるべきではないでしょうか。
茶会・・・そんなに開かなくてもいい筈
信任状奉呈式・・・天皇のみ出席。外国大使から信任状を受け取る
認証官任命式・・・これは国事行為で内閣人事ですね。
行啓・・・天皇と皇后が地方や外国を訪問するときは、それに見合った「ご説明」がつきもの。
国賓に会う・・・これまた国事行為ですが、年に何回あるかなと。
祭祀・・・天皇と皇后の義務になりますが、健康を害した場合は代拝が可能
私達国民は「両陛下の公務」とくれば、真っ先に思い出すのが宮中晩さん会とか戦没者慰霊式典。
そして地方に行かれる「慰霊の旅」ですが、印象的なのはたぶん慰霊の旅ではないですか?
でもこれこそが必要ない事なのです。
今上が考える「公務」の中には皇太子時代から引き継いだものもあり、それは天皇としての公務には入らないのではないかと私は思います。
必要のない事を「公務」と定義づけて「仕事しなくちゃ」って言ってる方がおかしいわけです。
天皇陛下が考える「退位」「譲位」というのはなんでしょうか?
なぜ摂政ではいけないのでしょうか?
私達国民はそのあたりがどうにも理解できないでいるのです。
大正天皇の時代に昭和天皇が摂政になり互いに気を遣い合って対立して・・・それで嫌だというのが本音らしいですが、大正天皇は本当に病気でしたし、むしろ対立していたのは貞明皇后と昭和天皇ではなかったかと思います。
「祭祀重視」主義、政治的にも色々思想がありそうな貞明皇后にしてみると昭和天皇は「扱いにくい息子」でしかなかったような。現実に秩父宮を天皇にという動きもあったようですし。
しかし 国民から見て「摂政宮」の存在と天皇を敬う事は相矛盾はしなかったと思います。天皇は天皇で摂政は摂政なんですもの。
有識者会議もそこが言いたいはず。
ではそもそも太上天皇ってどういう存在なんでしょうか?
太上天皇の始まりは「幼帝」を補佐する為のものでした。
けれど平安時代から鎌倉時代にかけて、太上天皇が権力を握る「院政」が起こり、それでも足りない時は「法王」なんて地位まで作られて帝はいるだけの存在に。
現在、皇太子はアラカンですから「幼帝」ではありませんね。
それから日本で最初に「譲位」したのは皇極天皇ですが、こちらは政治がらみで乙巳の変の責任をとったという形。そうはいっても息子に皇位を譲ったのではなく弟に譲りました。
何で息子の中大兄皇子に譲らなかったか?それは彼に信用がなかったから・・・・・人間として、天皇としての人望に欠けていたからと言えます。
この頃は太上天皇という名称はないので「皇祖母尊(すめみおやのみこと)」と呼ばれました。
どのケースも今の日本の状態に似合ったものではありません。
タイのプミポン国王は在位76年。意識不明になってから数年間、公に出なくても国王は国王です。
現在90を超えているイギリスのエリザベス女王は退位しません。
今上なんてまだ82、今度83歳ですよ。
とはいってもこの二つの国では次世代にかなりの不安があり、それは日本と同じです。
退位したオランダのベアトリス女王は「王女」に格下げになっています。
スペインのファン・カルロス一世は引き続き「陛下」と呼ばれているようですね。
どちらにせよ格下げです。
が!日本における上皇って天皇の上なんですよねーー
「源氏物語」でいうと、桐壺帝が朱雀帝に位を譲ったのは藤壺女御が産んだ子を東宮にする為でしたよね。
平安時代に突如現れた「中宮」という位は皇后とほぼ同格。帝が本当に愛する人に称号を贈りたい時に「中宮」にする・・・・今上にとっての「皇位」は息子への最愛の証なのでは。
話が飛んでしまったけど、21世紀には必要のない位です。