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Channel: ふぶきの部屋
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華やかなりし日々

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 退院後の初観劇でした 自分としては体力が回復していたと

思ったんですが、意外と帰宅してからぐったり・・・みたいな?

でも劇場にいるとそういうのは忘れますね

自覚していなかったけど、私って大空祐飛ファンだったんだなーーって。

キャトルで思わずクリアファイルだ、お写真だーーって買い捲り

なんていうか・・・どこまで素顔が綺麗で可愛いんだろうーーほれぼれーー状態。

天使の笑顔と悪魔の微笑を持っている人なのね。

 

 華やかなりし日々 

 

 作品について

一人の天才詐欺師がスターの卵に恋をして足を踏み外す。

追われたけど捕まりはしない。

女も金も捨てて最後はコイン一個からやり直し・・・・・という話は月並みだけど

目のつけどろこはいいと思いました

少なくとも「当時はーー云々」の児玉明子やら「トップは私のもの」の植田景子

よりはずっと脚本家として才能があるし公平だし。

台詞・・・理屈っぽくなりがちだけど硬くなく、韻も響く

演出・・・レビューショーの挿入や、ラストの銀橋に薔薇を置くシーンなど

      センスがいい部分もある

だから 問題は「場割り」なんですっ

これ、「キャパ」の時も書いたんですが

 1幕22場は多すぎる

 暗転が多い

 伏線が中途半端

要するに脚本家としての技術を学んでいないって話で。これでも座付き作家と

言われたんじゃ、基本をしっかり学びつつ、発表する場がない他の脚本家が

かわいそうです

上記3つをやると舞台はどうなるか・・・まるでテレビを見ているみたいに場面が

ぶつ切りになる。余計なシーンに1場面を費やすので芝居が間延びし

退屈になる。

例えば、3場の街角でニックが彼女に会いに行く・・・と別れて4場の回想シーンに

行くんだけど、そうじゃなくて、ロナウドを去らせてニックが舞台に残り、彼女に

宝石をプレゼントするシーンに入れば、12場の街角はいらないわけ

アーサーが警察で、ロナウドを殺そうとした犯人が自殺して写真を残したことに

ついてあれこれ言うけど、あれは舞台の端っこでちょろっとやれば十分。

伏線の引き方で言えばジュディとアーサーが幼馴染だったという設定を知るのが

遅いから、回想シーンの中にさりげなくジュディとアーサーを入れてしまうえば余計な

台詞は省かれます。

アンナの引き抜きシーンもわざわざ1場面にしなくても、劇場のスポンサーに

なった瞬間にこっそりアンナに「実はあなたにぴったりの劇場があるんですがね」と

話せばわざわざ1場面使って副組長に下手な歌を歌わせる必要はなかったと

思います

謎解きのシーン・・・・これは一つの山場でもあると思うんですが、名場面に

ならなかったのが残念で

ここでトップと二番手の「対決」をより効果的に見せる為には、最初から二人の

関わりを『ルパンと銭形」風にすべきだったのでは?

ちょっと「ガラスの風景」の香寿VS安蘭風ではありましたけど、あそこまで緊張感

漂うシーンになったかというと疑問。

アーサーはジュディを好きで、そのジュディがロシア貴族の末裔である大富豪と

くっついている・・・嫉妬と疑問の交錯。

恋と犯罪の駆け引きをもう少しうまく構成出来れば、トップと二番手が浮き彫りに

なったろうなーーと残念。

大劇場のよさは盆だのセリだのがいつでも使える事で。こんな恵まれた劇場は

他にないんですから、すぐに暗転とか紗幕を下げるなんて事をせずに、銀橋を

使う・・ダンスで時間経過・・・などを使えばスムーズな場面転換が出来たのでは?

小池先生の舞台をちゃんと見るべきですね。

あるいは植田先生の「ソルフェリーノの夜明け」を見て、「一点豪華主義」を学ぶと

よいでしょう。

 

 ちょっと疑問

 最初にロナウドを殺そうとした人間がロナウドの幼馴染だったらしいけど

  そんな彼が親友を殺そうとするだろうか?

 ジュディを追うギャングが彼女を「消す」と公言しているのに、なぜかファンに

  なっている。

 楽屋から外に出る方法を「こんど教えてやる」と言われていたロナウド。いっそ

  最初に教えてもらえていればラストシーンに「ああ」と素直に思えたかも。

 

要するに・・・・・「練り直し」が必要な作品でした。突っ込みを入れられつつ

3回くらい書き直しすれば完璧な脚本になったと思います。

ああ・・・残念

 


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