出来ればいつか1冊にまとめる事が出来たらいいなという内容です。
プロローグ
皇室ウォッチャーなら誰でも知っているような事を、超初心者向けにわかりやすく書いてみたらどうかなと思って書き始めます。
今上天皇の前代未聞の退位宣言から7か月以上が経過し、現在の皇室典範にはない「退位」を政府が認めました。
元々「どうして退位という文言を入れなかったのかしら」と思う人も多いのではないでしょうか。
「だって江戸時代までは天皇は自由に退位出来たのでしょう」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、だからこそ明治になってからの皇室典範には「退位」条項を入れなかったのです。
・1元号=1天皇
・天皇の上に上皇がいると二重権威になりかねない為
というのがその理由です。
江戸時代まで認められていたことが明治になって認められなくなった背景はこれだけではないのですが、きちんと理由があります。そしてその理由は21世紀の今でも整合性があると私は思っているのですが、今上にはそうは思えなかったらしいです。
・加齢による体力と能力の衰えに天皇の重責は耐えられない
・皇嗣となる男系男子が少なすぎる為に今後を考えなくてはならない
平均寿命が延びた今、一般家庭でも認知症リスクは大きくなるし、それが天皇だった場合どうするのかという問題が出て来ました。
が、それは現在の皇室典範では「摂政」がその任を果たす事になっています。
しかし、今上は「摂政」という言葉が大嫌いらしい(憶測ばかりで申し訳ないのですが)
「天皇が退位しなくても摂政を立てればいいではないか」と誰が進言しても「摂政ではだめだ」と言い張っていたのが今上で、どうも「摂政」という言葉には悪いイメージしかないようなのです。
その悪いイメージについては後述しますが、とにもかくにも近いうちに天皇は上皇に、皇后は上皇后になる事が決まりました。
ここらあたりから、一般人でも「天皇」は必要なのだろうか?と思う人が増えて来たと思います。
今まで何の興味も示さなかった人が「退位」に揺れ動く政府や有識者達、野党の考え方に一種のアレルギーを起こしてしまって「じゃあ廃止すればいいじゃん」と短絡的に考える人が出て来たのです。
今時の人は元号を使いません。
眞子様ですら西暦を使う現在、元号と深いつながりを持つ天皇という存在に何の意味があるのか?と感じ始めているのです。
この現象ははっきりいって、この日本という国に天皇が存在し始めてから初めての、そして前代未聞の、天皇にとっては非常に危険な没落の兆候といえます。
今まで日本がどんなに内乱を繰り返しても、政権が入り乱れても「天皇がいなくてもいい」とは誰も考えませんでした。
徳川家300年の歴史の中でもありえなかった事。それが今、初めてそういう「思想」が出て来たという事です。
もっと簡単にいうと、みんな神社詣ではするけど、日本中の神社の長であるのが天皇であることを知らない?みたいな?感じです。
2000年にわたって日本国民にとって必要不可欠で精神的な支柱であった天皇という存在だったのですが、21世紀の今、それはすたれようとしています。
まさに「すたれる」という言葉がぴったりな状態、それが今なんです。
それを当の天皇や皇族方が実感しているかどうか、それはわかりません。
今上は将来を憂えて「退位」を決め「女性宮家」の創設を願っていると言われていますが、それじゃ歴史の歯車を逆回転させるようなものです。
要するにわかってないんですね。当事者が。多分。
今上の時代、つまり平成になってからやることなす事全部国民の真意の裏をいくような行動ばかりですからしょうがない部分もあります。
天皇制がなくなると日本はどうなってしまうのか。
天皇がいなくても日本人はアイデンティティを保つことができるのか。
天皇がいなくなったら伊勢神宮はどうなるのか?
などなど実はわりと怖い事なんですよ。この日本から天皇がいなくなるという事は。
そのあたりをこれからゆっくりと考えてみたいと思います。