「たられば」の話について姫と結構話し合いました。あとでまとめて書こうかなと思っています。
月組
榛名由梨(小松美保・五條愛川)・・・ベルばらヒットに導いた立役者
・49期生。実際には花組版「ベルばら」のアンドレしか見ていないですし、最近のショウちゃんがよく話す昔ばなしを元に紹介しますが。
私が持っている「ばらよ美しく咲け」によるとショウちゃんは優等生だけど今一つ面白みがないスターだと思われていたようです。本人もその自覚は大いにありで、その殻を破ったのが「ウエストサイト物語」のアクションという役。足の小指を骨折する程頑張った作品でした。
「霧深きエルベのほとり」「白い朝」「花のオランダ坂」などを覚えている人も多いのでは?
大滝子と共に月組トップになったのはいいけど、二人の関係はあまりよくなかったみたい。それが花組で安奈淳とのダブルトップ時代はかなり充実。やっと月組に単独トップで返り咲き、一生を宝塚に捧げようと思って専科入り。そしたら「大地真央をよろしくね」と植田紳爾に言われて・・・
本人の思い入れも強く、よく歌っている「バレンシアの熱い花」は主人公がわりと女の敵のような人物ですがなぜか憎めない役柄になってました。
「でもやっぱり1982年の「永遠物語」の松五郎を代表作に上げる人も多いです。どんなに頑張っても彼女以上に松五郎が出来る人は今もいないと思います。1988年には再演され、現役と一緒に演じる快挙を成し遂げました。
1988年「戦争と平和」で退団。本当は一生を捧げたかったんだろうなと思ってます。
今は喋り出すと止まらないおばあさま。時々出てくるとんでもな話にファンは大いに笑わせて頂いてます。太っても年取っても♪ バレンシアーー♪が始まるとかっこよくなるから不思議です。
大地真央(黒木瞳)・・・大スターなれど代表作は・・・?
59期。同期に一樹千尋、美沙のえる。
とにかく入団した時からスター候補。歌劇団としては「この子は売れるで!」という事でプッシュに次ぐプッシュ。トップになったらさらに人気が出て宝塚を知らない人でも「大地真央」の名前は知っているという、数少ない一人です。
相手役は黒木瞳。最年少娘役トップでこの大根娘役をよくお守りになった・・というイメージですが、トップになってからの作品は恵まれずという印象。うちの職場のPTA会長はその昔、大地ファンだったそうですがほとんど作品を覚えていないんです。でも「光源氏は綺麗でした!!」と言ってました。「二都物語は見なかったの?」って聞いたら「見たと思いますけどどんな話でしたっけ」って言われてしまいました。
テレビでちらっと「ディーン」を見た時は「わあ、かっこいい」で、またNHKで「二都物語」を見た時は名作だと思って原作買ったりしたものです。後に瀬奈じゅんで同作を見るのですが、全く印象が違いました。
大地真央というスターはそこにいるだけで存在感のある陽のスターなんです。彼女がやればどんなはちゃめちゃな事も整合性がつくというか、不自然さがないんですよね。いるだけでスターとはこういう人なんだろうと。
退団後は「風共」「ローマの休日」「カルメン」「スカーレット」「マイフェアレディ」と結構みているんですけど、どの作品も喋り方が好きじゃなくて評価出来ませんでした。いつまでも歳をとらないことはいいけど、いずれ舞台で主役を張る事が出来なくなる・・その時、この人どうするんだろうと思いました。っていうかぶっちゃけ「いつまで主役やるの?」でしたけど。
むしろ、今、ドラマで見ている方がやっと自然さが出て来たというか。それでもあのぶりっこな喋り方はイマイチだよなあと。ずっと男役をやれたらよかったんだろうなと。
以前、轟悠の「ノバ・ボサ・ノバ」の時に松平健と一緒に観劇して車に乗り込む所に遭遇したのですが、まるでハリウッドの女優さんのようでした。
黒木瞳の方はいうまでもなく、女優としてテレビで大活躍。こっちは年相応かなと。
剣幸(こだま愛)・・・伝統的な月組を引き継いだ隠れ大スター
60期。「隠れ大スター」と書いたのは、トップ就任当時、「あの大地真央の後を受けて大変だよねーー地味だし」って雑誌か何かに書かれていたんですよ。
派手な顔立ちの大スター大地真央に比べると確かに地味だよねとは思います。でもその後5年間に渡ってトップを張り、その演技力で観客を魅了した事は宝塚の歴史、月組の歴史にとって大きな財産です。
特に「ミー&マイガール」の初演を飾り、スタンディングオベーションが起きた事は語り草になっており、以降、再演され続けているわけです。洋物、日本物、どちらもとにかく演技力で乗り切ったスターと言えるでしょう。
こだま愛とは「まめまめコンビ」とか呼ばれていて(背が低いコンビ)個人的にはゴールデンコンビだと思っています。本人は5年もトップをやった事にかんしては「退団するのを忘れていた」とか言ってたらしく、そういうおっとりしたところも魅力ですよね。天海祐希を可愛がってくれて、後をうける涼風真世に「よろしく」と言ったそうですし、人格者でもありました。
今の剣幸は現役当時より断然歌は上手だし、存在感は増しているし綺麗ですよね。私は今の方が好きだなあと思います。
涼風真世(麻乃佳世)・・・娘役より美しい男役
67期。同期には真矢みきとか黒木瞳とか。
「ベルばら オスカル編」のイメージと「PUCK」のイメージかなくて。つまり、どんなに頑張っても男役と言うよりはフェアリーそのものでしたよね。相手役の麻乃佳世が可哀想になるくらいな美女っぷり。魔性の女かなあ。
「PUCK」のような作品が出来る、似合う人っていうのはある意味、男役としては中途半端だったんだろうなと思います。この頃の月組っていえば、「かなめさんによる天海いじめ」(あくまで噂ですが)でわりと組がまとまりをなくしていた頃っていうんでしょうかねえ。
「グランドホテル」の初演でいきなり老人の役というのも驚きでそれがさよなら公演だったというのもやっぱり驚きでしたよね。
退団後は舞台にテレビにと大活躍で、自分で「おばけです」って言う程年齢不詳になってます。
天海祐希(麻乃佳世)・・・お母様よくぞ産んで下さった
これは植田紳爾の名言というか、最初に天海を見た時にそう思ったそうです。
あの頃は本当に天海祐希ブームでした。なんせNHKが日比谷の劇場前で「今日は天海祐希さんのさよなら公演なのでこの人だかりです」と報道していたんですから。
私がヅカファンだというと、よく「私も好きで見てた事があります」と答える人で「誰のファンでした?」っていうと「天海祐希です」と答えられます。
「今は?」と聞くと「私の宝塚人生は天海さんで終わりました」とよく言われます。
それ程までの人なんだと思うと、ああすごいスターだと思うし人気があったのもわかるんです。でも実際に「ミーマイ」を見に行った時に感じたのは「これって宝塚なの?」という事。
天海祐希はトップに就任するのが早すぎたスターです。もうちょっと二番手時代や3番手時代が長かったらしっかりと「男役」としての型を身に着ける事ができたでしょうけど促成栽培のように育てられ、上に涼風真世、下に久世星佳という個性の強い上級生に挟まれて辛かったんだろうなと思います。
公演スケジュールもきつくて組子の体調を心配し、歌劇団に訴えたエピもあれば、差し入れを返品するエピもありました。
何よりメイクを薄くする・・という事で「これが天海流の宝塚なんです」というアピールをして男役不足を補っていた、いや、誤魔化していたんじゃないかと思います。
背が高くて顔も綺麗で、演技力も歌もそこそこ、回りが自分を見る目と自分が知っている自分は違う。私は差し入れをして貰ったり贈り物をして貰う立場じゃないのよ・・的なこだわりの強い人ですよね。
作品としては「エールの残照」が好きです。
思えばこの期は姿月あさとといい絵麻緒ゆうといい、何だかひねくれものが多くて財団当時にきちんと宝塚を楽しめなかった人達です。
退団してから色々やっても名前のわりにはなかなかヒットに恵まれず「女王の教室」でブレイクしてからやっと天海祐希本来のかっこよさが出て来たという感じ。
今がまさに最高潮にかっこいい天海祐希です。
久世星佳(風花舞)・・・名作を残してくれた人
69期。同期には麻路さき、高嶺ふぶきなど。
久世ファンの友達から「のんちゃん、トップになれないかと思った。嬉しい」と言われて連れて行かれたのがお披露目の「CANCAN」でした。この作品は本当に面白くて、しかも初舞台生が舞台にひしめいていたものですから、総勢100人以上?人海戦術とはこのことかあと。
風花舞の弾けっぷりやくるくる回るピルエットの美しさったらなく、何でDVDにならないのかと不思議です(ビデオにはなったのに)
大地真央から天海祐希まで、スターぞろいの月組の中にあって、たった一人1年間だけ地味だけどいかんなく「芝居」を見せてくれたのが久世星佳です。
久世星佳はそこにいるだけでオーラを放つというスターとは一線を画し、いぶし銀のような魅力にあふれたトップでした。似合わないのに紫やらピンクやらを着せられ大きな羽根しょって必死に目立たせてあげているーーっていう感じ?
「CANCAN」は勿論のこと、2作目の「チェーザレ・ボルジア」も似合っていたし、何より「銀ちゃんの恋」を宝塚で上演できたのは久世星佳と汐風幸という、いわゆる宝塚の路線とは違う演技派二人がいたからだと思っています。
当時「トップの娘役に妊婦役をさせるなんて」と言われた風花舞も頑張ったし、久世の銀ちゃんの口の悪さは、彼女にしか出来ない味ですよね。
また、「プレスティージュ」で中村一徳、「NON-STOP」で藤井大介のデビューに関わった久世は演出家にとっても安心できる存在だったのではないでしょうか?
久世が「スターの小部屋」で「月組もやっとまとまってきて」と言ってしまい、ああ、やっぱり月組ってちょっと大変な組だったのねーーと納得したりして。
1年で退団を決めたのも、真琴つばさに取り壊される前の東京宝塚劇場の舞台に立たせていやりたいというもので、そんなところに久世の優しさを見ました。
トップスターだった期間は短かったけど作品に恵まれたトップ人生だったと思っています。
真琴つばさ(風花舞・檀れい)・・・宝塚の広告塔
71期生。同期に稔幸・愛華みれ・轟悠がいる。
1993年に花組から月組へ組替え。+姿月あさとも花組から組替えして月組のイメージががらりと変わったのではないでしょうか?
月組に配属されてから順調に出世、久世星佳時代にはしっかり2番手を務め、トップ生活は5年。1000days劇場のこけら落とし、新東京宝塚劇場のこけら落としを飾り、テレビへの露出も多く、まさに宝塚の広告塔といえるでしょう。
そんな彼女ですが、実は2番手時代、「トップになれるかどうか」の瀬戸際があった事をご存知でしょうか?っていうか、これはあくまで噂ですけど歌劇団としては姿月あさとの方を先にトップにしたかったようなのです。確かに久世時代の姿月は真琴と双璧の目立ち方をしていました。歌とダンスが不得意な真琴より、どっちも上手な姿月の方がいいと思われたのでしょうか?
幸い、宙組が出来て月組での姿月トップはなかったのですが、「バロンの末裔」での姿月の存在感や「エル・ドラード」フィナーレにおける姿月の扱いは2番手というよりほぼダブルトップみたいでしたよね。
真琴つばさの時代は宙組発足によって大幅な組替えが行われた時代でした。1組の人数も100人規模からいきなり70人を切るくらいになり、下級生の顔ぶれも変わり、そんな中で真琴は「いつも変わらず明るくて楽しい」トップさんでした。
真琴つばさの舞台のだいご味は何と言ってもアドリブで、それが日替わりなものですから毎日でも見たくなるんですよね。お客いじりが本当に上手で楽しかったです。
「ル・ボレロルージュ」における「情熱の翼」や「BLUE MOON BLUE」の中の「エンドレス・ドリーム」そしてシングル曲の「EDEN」は名曲です。
始めに組んだ風花舞との相性は抜群だったのでこのまま添い遂げてくれたらよかったのに、退団しちゃって、次のトップは檀れい。
(ここに千紘れいかの退団→劇団四季入り事件が入ります)
今でこそ笑って見ていられるけど、歌も踊りも演技もペケな檀れいは散々ネットで酷評され、結果的に公式HPの掲示板が消えてしまうという事件がありました。でもそれくらい惨かったです。何もかも。
かつらをとばしましたーーなんて笑い話にしているけど、髪をひっかけるわ、イヤリングは落とすは、踊ってて転びそうになるわ・・それらを全部フォローしてたのは真琴つばさです。檀が星組時代には「王家に捧ぐ歌」のフィナーレでどたーん!転んでしまい湖月とのダンスがめちゃくちゃになった事もあります。
それが今や「大女優」の仲間入りなんですから・・・(笑)
TCAスペシャルも真琴つばさのおかげでとっても楽しくてビデオを買いました。喋りもギャグも半端なく笑えて楽しかったです。もうあんな時代は来ないのかな。
紫吹淳(映美くらら)・・・満身創痍でも頑張らざるを得ず
72期。思えば紫吹淳がトップになってから月組の迷走が始まった気がします。
っていうか紫吹淳の最高潮の時代はベルリン公演で、あそこまでは本当にすごいスターだったんです。男役としての貫禄は勿論、役者としても素晴らしかったし、得意のダンスもキレがよくていつまでも見ていたいくらいでした。
が、ベルリン公演で体を壊してからの紫吹は「手抜き」が目立ちました。
それが最初にわかったのは2001年「愛のソナタ」の時で、全然声が出てないじゃない?って思いました。それだけじゃなくダンスが・・どうみてもこれは手抜きじゃないか?と疑惑はふくらみ・・でも誰に聞いても「そう?」くらいしか言われず。
そもそも紫吹淳の相手役選びからして変でした。月組には当時、西条三恵や叶千佳、花瀬みずかに白羽ゆりと可愛い娘役が揃っていたんです。中でも西条が実力的に最も上だったし、紫吹とは「ブエノスアイレスの風」で共演して相性もいいと思われていたのですが、どういうわけか星組から85期の映美くららが来てしまった。そして西条は退団、叶千佳は星へ組替えになってしまったのです。
映美くららは星組のいわば秘蔵っ子だったのですがあっさり月組に奪われてしまいました。しかも、紫吹とは大人と子供程の学年差でどう考えても大人の恋物語は出来そうになく・・・映美くららは今でも綺麗な女優さんですが当時は本当に子供っぽくて、無理して明るく大人になろうとしていたような?そんな気がします。
紫吹の方は花組から星組へ、そして月組へと組替え経験した大人、「オレ様」ですから、子供の相手はしてられないよーー的な雰囲気がありありと感じられて。
紫吹の代表作は「長い春の果てに」だと勝手に思ってますが、これが唯一映美くららとの「共演」だったんじゃないでしょうか?
もうちょっと相手役の成長を見守ってくれたらよかったのにと思います。
個人的にはとにかく力をセーブしているようなダンスや歌が嫌で嫌で・・・・でも御曹司の大和悠河を宙に放出し、二番手の霧矢大夢が病に倒れ、月組全体が満身創痍で早々と退団というわけにはいかなったんですよね。きっと。
今やすっかりマネージャーさんをばあやと呼ぶ世間知らずのへんてこな女優路線。
夢は夢で終わらせて欲しかったかも(笑)
彩輝直(映美くらら)・・・今ならわかるその大物ぶり
76期。正直、彩輝直は嫌いな男役でした。最初は月組に配属されその後路線として星組に異動。そこで散々上に上げられ博多座の「我が愛は山の彼方に」では絵麻緒ゆうと役代わりチャムガになって偉く絵麻緒&星ファンを怒らせ、その後、専科入りして宙組と星組を行ったり来たり。一時は宙組トップも・・・と考えられたし、いやいや星でトップを・・という時もあったようです。
何で迷走したかというと、当時星組を取り巻いていた「〇〇学会」中でも彩輝はその関係者とみられていて、ゆえに植田理事長からえこひいきされているんだろうと思われていたんですね。
星組組替えしてからの彩輝はとにかく美しくて綺麗な少年というイメージですが、さっぱり演技力もダンス力も向上していかない。童顔の上に声まで子供っぽいと男役としてどうよ・・・って思いませんか?「誠の群像」ではBLの役が回って来るし、「イコンの誘惑」では新興宗教の教祖様。おまけにかなり甘ったれた印象もありましたし。この人が星のトップになるなら見ないとまで思っていたものです。
でも、そんな彼女も2001年宙組「ベルサイユのばら」アンドレ役ではコスチュームがよく似合ってきっちり植田芝居をやってのけてましたし、1998年星組「夜明けの天使たち」の評判もよく、「ヘミングウエイレビュー」のヘルズエンジェル役でも妖しい魅力が一杯でした。
2003年月組「薔薇の封印」ミハイル役も今みるととても出来がよかったです。
歌劇団がちゃんと彩輝直というスターの特性を理解して役を与えていたらここまで迷走しなかったのかもしれないとまで思います。でもとにかく昔の彼女は男役なんだか女役なんだかわからない部分があったし、かといってフェアリーなんて明るい存在でもなかった。いわゆるダークな部分が多々あったって事ですよね。
2004年「飛鳥夕映え」でやっと月組トップになりましたが、意外と映美くららとの相性がぴったりで、包容力のある優しい、ラブラブカップルなんだなという事がわかり、これはいいわーーと思っていたらあっさり映美くららが退団。
見て下さい。この美男美女っぷり。勿体ない。
そして彩輝自身も「エリザベート」でさよならを決めるけど、相手役がまさかの瀬奈じゅんで、見ている方もびっくりでしたよ。「エリザベート」では妹と共演したトートと子ルドルフの場面で不覚にも涙が・・
退団してから知ったのですが、彩輝なおって結構背が高かったんですね。何であんなに小さく見えたんだろう。おまけに骨格のいいこと。外に出てからは押しの一手でOGなどと共演してもかなり目立ちますし、存在感が大きいです。
実はとんでもなく大物で植田理事長のえこひいきも理由がなかったわけじゃなないのよねと納得しました。ただ、本人がもうちょっとファンの為に頑張ってくれていたら開花するのが早かったろうにと思います。
瀬奈じゅん(彩乃かなみ)・・・何も残せず月で散った花
78期。
瀬奈じゅんが「エリザベート」のタイトルロールをやると聞いた時のぶったまげた事と言ったら、凪七瑠海がエリザ役になった時とどっちがびっくり?ってなもんでしたよ。瀬奈じゅんと言えば花組の「オレ様」だし、オサアサは永遠に続くと思っていたので。
ほぼ落下傘のようなトップ就任に加え、相手役の彩乃かなみも宙組から連れてくるといった具合。さらに桐二番手の元花組、霧矢大夢、桐生園加や同期の大空祐飛など仲良しで固めちゃったイメージもあります。
そもそもこの人の不幸は「エリザベート」で向かないタイトルロールをやらされた事に始まり、お披露目の「JAZZYな妖精たち」が度肝を抜く駄作、次の「暁のローマ」も駄作、そして「パリの空よりも高く」も・・・こおまで3作、谷正純→木村信司→植田紳爾とファンが見たくない演出家3人が出そろってしまったこと。
「あかねさす紫の花」も花組時代はよく見えたのになぜダメ?
花組時代は男役の色気があり、かっこよくて包容力もあった筈なのに、なぜラッチマンがダメ?ナゼギャッツビーが向かない?って不思議なほどダメダメぶり。観客動員数もそんなに良くなかったと記憶してます。
芝居の方で唯一面白かったのは正塚晴彦の「マジシャンの憂鬱」でショーは謝珠栄の「MAHOROBA」くらい。相手役の彩乃かなみが退団すると相手役を決めず、そういうやり方が何となく月組の娘役を排除しているみたいで、色気もへったくれもありませんでした。
結局、月組が合わなかったんだと思います。
78期って貴城けいや檀れい、夢輝のあ、大空祐飛などがいますが、職人肌というか、苦労した挙句に報われないヅカ人生を送った人も多いんですよね。その理由はやっぱり一期上の77期が綺羅星のごとくだったからかしら?
そんなあさこさんが最近、特別養子縁組によってお母さまになられ、今はとっても幸せなんだなあと思い、ほっとしてます。
霧矢大夢(蒼乃夕妃)・・・宝塚というより劇団四季
80期。私は霧矢大夢を花組時代はよく知らなくて。最初に見たのは「エル・ドラード」の東京公演でしたが、彼女は神官の役でそのあまりにも上手な演技に思わず専科の人かしらと思った程です。
とにかく演技も歌もダンスも上手だし華もあるし、このまま出世していくと思っていたのに1期下の大和悠河がそれを阻んでいる状態。
それでも「ノバ・ボサ・ノバ」の新人公演は今も語り草になるほどの名演ですよね。
「ガイズ&ドールズ」のアデレイドは可愛らしかったし、とにかく何をやらせてもOKな人だからトップになるのが楽しみでしたが・・・病気と聞いた時は本当に心配ししました。以後は舞台を見る度に体力が持つのかどうかそればかり心配していた気がします。
彼女のお披露目2011年「スカーレット・ピンパーネル」はお披露目の話題よりも96期の初舞台と言う事で話題になってしまいました。VISAは降りるし、初舞台生のロケットは拍手したくなかったしでかなり複雑な心境の人も多かったのではないでしょうか?
その後、「ジプシー男爵」「バラの国の王子」とこれまた谷→木村と恵まれない作品に。最後が大野拓史&斎藤吉正で本当によかったなと思いました。
霧矢はとにかくオールマイティですし蒼乃夕妃もどちらかといえばそうです。だからその次がどうなるんだろうと・・というのも霧矢時代のほとんどの作品において、二番手も三番手も実力に差がありすぎて全然霧矢と対等にならなかったからです。
全部出来ちゃうから芝居も歌もダンスもお願いしまっす!みたいな気の緩みを感じていたのは確かですよね。っていうか霧矢自体がそういう人だったんだろうと思います。おかげで宝塚をみているというより、その見事な滑舌ぶりに劇団四季みたいだなあと思ったものです。
多分今はその見事な滑舌は役に立っているだろうとは思うのですが。
ただ、男役というのは上手であればいいというわけではなく、そこに色気とか包容力とかちらりと見える「地」とか様々な要素が入って一人の男役の型が出来上がると思うので。そういう意味では霧矢は最後までタカラジェンヌではなかったのかも。
龍真咲(愛希れいか)・・・裸の王様はド偉い節回しで喋る
87期。この人について語ると悪口になっちゃうのでやめますが、私、龍真咲の喋り方なら真似できます。よくそれをやって我が家の姫を笑わせます。
ついでにいうなら愛希れいかの目を見なかったね!一度も見なかったね!森奈みはるだってそんな事されなかったのに!
珠城りょう(愛希れいか)・・・隠し切れないいい人ぶり
94期。龍真咲のお披露目の頃には上に何人かいたのに、あっという間に飛び越えてトップスターになりました。やっぱり「月雲の皇子」のヒットがトップへの道を開いたのかもしれません。
頑張っているのはわかるけどまだまだ発展途上・・・っていってる間に頼りになるちゃぴ様退団で何が起こる?
今まで月組で珠城りょうのようなトップスターっていたかな?多分いなかったとおもいます。ニュータイプですよね。
伝統的な「芝居の月組」を引き継いでいくのか・・・先が楽しみです。