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初心者の為の宝塚講座 9

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 谷正純 → 皆殺しの谷と呼ばれて

1979年に入団。日大芸術学部出身。大劇場デビューは1990年花組「秋・・冬への前奏曲」

直近の作品は「ANOTHER WORLD」2018年星組

 

あれは1996年の頃だったと思うのですが、「スターの小部屋」で「アナジ」の稽古場風景をやっていて、見たいなあと友人に話したら「谷先生ってすぐに人を殺すから嫌い」と言われ、一人で見に行った記憶があります。

この時が初谷正純で「アナジ」自体はそれなりに面白かったんですけど、話の通り全員皆殺し状態でした。すぐに死んで結末を迎えればいいという安易さを感じるし、これは「滅びの美学」ともいえないのではないかと。

谷作品の特徴は、主人公ひとりを囲んで周囲が一言ずつセリフを言う「学芸会方式」で、こうすれば新人にもセリフが回ると思っているんでしょうね。だけど幼稚に見える事は確かです。

また、男役の美学に拘るあまり、娘役をないがしろにして男女の恋愛をほとんど描かないという欠点もあり、そこらへんがヅカファンに嫌われる理由なのかなと。古き良き時代の女性を描きたいとどこかで思っているのかもしれませんけど、時代遅れだなと思います。

最近は落語やオペラにも挑戦。少数民族への思い入れは尋常ではないのですが、そこに民主主義思想が入ると価値がわからなくなります。

 

 谷先生の皆殺し作品

・アナジ(1996年雪組) → 外国から帰ってきたら鎖国で追い出され隠れキリシタンの島に迷い込み、そこで全員死んじゃう話。琉球民謡が素敵でした。

・エル・ドラード(1998年月組)→スペイン人がエル・ドラードで迷い込み、スペインに場所を知られて全滅。真琴つばさのお披露目だったのに何が悲しくて全員で笑いながら死ぬのか?

・望郷は海を越えて(2000年宙組) →「おろしあ国粋夢譚」をベースにした話で日本人が漂流してロシアのエカテリーナ2世に会う話で、帰国した時は主役を覗いて皆殺し。和央ようかのお披露目だったのにあまりに暗い話で顰蹙を買いました。

・SAMOURAI(2013年雪組)→ これまた音月桂の貴重な1作だったのに、死んじゃったーー

 谷先生の散々な駄作

・白夜伝説(1992年星組) → 紫苑ゆうのお披露目だったのにあまりのくだらなさに観客が椅子からずり落ちたとか・・・

・ミケランジェロ(2001年花組) → 愛華みれのさよなら公演なのに、覚えているのは「私は神のごときミケランジェロだ!」のセリフの繰り返しばっかり。さらにあのダビデ像を正面から出すかどうかでもめて結果的に後ろになったという話。

・サン・テグジュペリ(2012年花組) → 見ててさっぱり意味がわかりませんでした。書きなぐったような脚本でしたよね。

・フォルスタッフ(2016年月組) → 星条海斗の最初で最後の単独主演作品だったのにスカステで見てても途中で消しちゃった程意味不明。

 ・CAPTAIN NEMO(2017年雪組) → 出演者が気の毒になるほどの作品だったとか・・・

 

 谷先生の少数民族への思い入れ作品

・エールの残照(1994年月組) → アイルランド民族紛争を描いた作品。比較的好きでした。谷村新司の「風のシャムロック」もよかったし。でもラスト、死んだ相手役の麻乃佳世を銀橋で担ぎ上げる天海祐希にびっくり。なんで男役にそこまでさせる?あんまりじゃないかと思いました。

・エル・ドラード(1997年月組) → インカ帝国がスペインによって滅ぼされる様を描いた作品で、腹が立ったのは主人公が皇帝に自国のルールを押し付けるシーン。例えば皇帝を「ワルパ」と呼んで「親しいと名前で呼ぶものだ」とかね。

 

・春櫻賦(1998年雪組) → 琉球が島津藩に併合されて、その復讐に日本全国を櫻をおいかけていくという話・・・(?)最後の桜のボレロはよかったけどね。

・ZORRO仮面のメサイア(2009年雪組)→ 所はスペイン領のカルフォルニア。スペインと現地の少数民族の間に生まれたディエゴが民族を守る為に戦う話。

何で彩吹真央を死なせたままほったらかし?憎しみは愛ってなによ。BLなのか?と怒った私です。

 谷先生の落語を題材にした作品

・なみだ橋えがお橋(2003年月組) →結構笑える作品でしたが、本当は霧矢大夢がやる予定だったのを月船さららが代役で演じました。

・やらずの雨(2005年雪組)音月桂主演で、明るくてぼんぼんの音月にぴったりの作品でした。

・くらわんか(2005年花組) → 正直言って貧乏神が何で出てくるのかわからないし、主役はでずっぱりでほとんど娘役も出てこないし。不思議な作品でした。

 

 谷先生のオペラちっく作品

・ジプシー男爵(2010年月組) → 見たけど全然覚えていない。

・メリーウイドウ(2013年月組)→ 専科だった北翔海莉の作品でめちゃくちゃ笑いましたが、2幕最後の組子たちのダンスがすごいです。

・こうもり(2016年星組) → よくよく考えると面白みのない作品なんですけど、何も考えずに笑って見る事が出来る作品です。

このように「笑い」を扱うということでも谷先生は結構面白いものを作るのですが、その理由は、ほとんどのアドリブを役者任せにしてくれる事で、その点だけは評価しています。

 

 ふぶきが考える谷作品ナンバー1

・CANCAN(1997年月組)→ 明るくて皆上手で楽しい作品でした。

・武蔵野の露と消ゆとも(1997年星組) → 和宮と橋本実簗は実は愛し合っていた・・というストレートプレイ。「言葉にも表情にも出しません」というセリフが何度も出てきて「はあ?言葉にも顔にも出さなくてどうしてわかるんだよ」と突っ込んだ覚えが。それでも歌が苦手な麻路さきから歌を抜いて日本舞踊と白城あやかの美を引き立てたことは素晴らしかったです。

 

 

 

 

 

・石田昌也 → セクハラ・マタハラなんでもあり?

1956年生まれ。直近は2018年月組「カンパニー」

・木村信司 → 私は出来ない日本語を


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