1956年生まれ。バウデビューは1986年雪組「恋のチェッカー・フラッグ」
直近は2018年月組「カンパニー」
ウィキによると「エネルギッシュなショー作品を得意とする他、近年は和物芝居の上演にも力を注いでいる。「様々な客層が楽しめる娯楽作」の上演をモットーとしており、コメディタッチの作風が中心」
と書いてあるけど・・・「和物芝居」って「カンパニー」のこと?あれって和物だっけ?むしろ「名作の舞台化」に力を注いでいるような気が。
石田先生といえば谷先生と並んで「ヅカ女子が嫌いな演出家ナンバー2」ですね。なぜってとにかくセリフが下品だったり、一般の男性がやるようなセクハラシーンをちょこまか入れたりするので。石田先生の頭の中には演じているのが全員女性だという事に気づいていないんじゃないか?と思う程で、女性が女性を侮辱するようなセリフやシーンのオンパレードは見てて辛いものがありました。
例えば「銀ちゃんの恋」これ自体が品のいい作品ではないかけど、久世星佳の「ズベ公」にはまいったな・・・
それから「青い鳥を探して」の中の「産むだけだなら豚でも産める」まさにひどすぎて唖然。自分勝手に夢を追い、女はただついていくだけーーみたいな主人公ばかり描いていた時期がああり、(2002年雪「猛き黄金の国」とか1999年雪「再会」とか)そういう意味では轟悠との相性はバッチリだったのかなと思います。
また、一時的にやたら「幕末」が大好きだった事があり、1989年花組「硬派!坂本龍馬!」から始まって1998年星組「誠の群像」
2008年宙組「維新回天!竜馬伝」など、これでもかっというほど幕末にはまり込んだ時期もありましたね。
それでも石田先生なりの名作もあるようで、
・銀ちゃんの恋 → 1996年月組版に関しては久世星佳・汐風幸・風花舞の代表作だと思います。「鎌田行進曲」をここまで生き生きと舞台化して、実際に見た時にあんなにあんなに笑って、あんなに泣いた作品は他にはありません。
・長い春の果てに(2002年月組) → 初めて紫吹淳と映美くららが年相応の役を演じたという点、ストーリーがまとまっていたという点で秀作でした。
・黎明の風(2008年宙組)→轟悠が白洲次郎を演じ、大和悠河がマッカーサーというありえない取り合わせだったのですが、なぜかおしまいの頃には号泣している自分がいました。いいなあ・・日本にはこんな立派な人もいたんだなと。
・モンテ・クリスト伯(2015年宙組) → 石田先生の一連の「名作シリーズ」の中では群を抜いていい作品だったと思います。涙腺がゆるみますよね。
・明日への指針ーセンチュリー号の航海日誌(2014年月組) → 短い作品ながらほっこりしつつ泣ける作品でした。
石田先生のショー作品
ショーの大劇場作品は1991年月組の「ブレイク・ザ・ボーダー」で、
その後1993年雪組「TAKE OFF]1994年花組「ハイパーステージ」と続くのですが、やっぱり最高傑作は1997年星組「ジュビレーション」
ではないでしょうか。
オープニングのオレンジと黒のごてごてした衣装は星組生じゃないと着こなせないデザインですし、トップの出番が少ないとか、延々と50年代の海外テレビの再現をやってしまったとか散々な言われ方もしているんですけど、トップコンビの素晴らしさは勿論、脇にいる人達をこんなにも使ってくれた作品は90年代には珍しいと思います。真織由季の退団公演でもあったので、大階段での歌は最高でした。
またポンポンもって踊るというのが体育会系そのもので楽しかったです。
その後、1998年花組「スナイパー」もみましたが、
衣装も作りもじゅびレーションっぽくて。
2000年宙組の「ミレニアムチャレンジャー」
はSAMの振付シーン意外は見るべきものはなかったです。
2009年雪組の「風の錦絵」は初の日本物ショーでしたが衣装が安っぽかったなあと思う以外はそこそこよかったような?
でも石田先生には歴史に残る駄作というのがあり、それが2003年宙組の「傭兵ピエール」で、 これこそセクハラ以外の何物でもない作品。一度見て下さい。
石田作品は、場面転換が頻繁な割にはぶつ切りシーンが多く、ゆえにだれるという欠点を持っています。「カンパニー」もその典型例。さらに2009年花組の「相棒」や2012年雪組の「双曲線のカルテ」などもその典型的なものです。
・