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初心者の為の宝塚講座22 トップ娘役編1

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本当は「ベルばら」時代からのトップ娘役を取り上げたいのですが、実際に見ていなくて、また当時の「相手役」に関しては色々な経路があり、やっぱり実際に見てないとわからないよね、ということで、今回は実際に私がみたことがある人のみを取り上げることにします。

 花組 

私が最初に見た花組のトップ娘役は千ほさちですが、当時のトップスター・真矢みきには最初、純名里沙が相手役として就任していました。

 純名里沙

76期。同期には樹里咲穂・星奈優里・風花舞など。

1990年入団 → 「ベルサイユのばら」のエトワールに抜擢

1991年雪組配属 → 研2で「微笑みの国」のヒロイン。「華麗なるギャッツビー」の新人公演ヒロイン。

1994年 → NHK朝ドラ「ぴあの」のヒロインに抜擢

1995年 → 花組に異動「エデンの東」で真矢みきの相手役であるトップ娘役に就任。

1996年 → 「ハウトゥサクシード」で退団

純名里沙はその類稀なる歌唱力で入団当初から注目を集めていた娘役ですが、そのまま雪組で活躍していたらもっとトップ娘役生活も長かったかもしれません。でも朝ドラの為に1年休演した事が仇となってしまい、帰る組を無くしたんですよね。

丁度その頃、花總まり・星奈優里 ・・・星組 → 雪組

      純名里沙・・・雪組 → 花組

      月影瞳・・・花組 → 星組

という玉突き状態になったわけですが、ほぼ落下傘状態で花組へ行ったことが結構大変だったんじゃないかと思います。

純名里沙が退団したあと、「グラフ」で真矢みき・涼風真世・黒木瞳の同期対談があったんですけど、その時に真矢みきがはっきりと「(純名里沙とは)結婚したけど離婚した」と言ってますし、100周年行事の時も純名里沙に向かって「どうして退団したの?私の何がいけなかったの?」と聞いていますから、相性が悪かった事は事実でしょうね。

当時の真矢みきは今のような温和な雰囲気はみじんもなかったですし、花組自体が娘役を必要としない組と言われる程、男役同士で固まっている印象がありました。

娘役というよりも女役の需要は高かったと思うのですが、そんな中にぽんとドラマ上がりの娘役が入っても馴染めなかったんじゃないか?と想像しています。

あんなに輝かしい新人時代を過ごしておきながら、退団の時はやたらあっさりしてて、何だかなあと思いました。(実際は見てないんですけど)

 

 千ほさち

1994年、80期として入団し月組配属。同期には霧矢大夢・彩吹真央ら。

1995年 → 「三―アンドマイガール」の新人公演ヒロイン

1996年 → 花組配属。真矢みきの相手役として娘役トップ就任

1998年 → 「SPEAK EAGY」で真矢みきと同時退団

1999年、森ほさちに改名

1996年久世星佳のお披露目公演「CANCAN」でクロディーヌちゃんを演じていた時、2期上の檀れいは花売り娘だったわけで・・人生ってわからないです。あのクロディーヌちゃんは売れない芸術家に恋をしてピスタッシュに叱られていました。目が大きくてとっても可愛い娘役。

同年「チェーザレ・ボルジア」と併演のショー「プレスティージュ」で真琴つばさと一緒に踊っていました。この時も目を引く可愛らしさだった事を覚えています。

花組に異動後はドラマシティ公演「RYOMA」でお竜を演じていましたが、この役は結構ハマっていたんじゃないか?と思います。

ところが、正式に真矢みきの相手役になった途端にバッシングが起きるんですね。それもしょうがないっていうか、とにかく若くて声も出来上がってなくて歌は下手で、どう見ても真矢みきを引き立てるような印象がなかったんですよ。

特に酷評されたのが「失われた楽園」のリアで、あまりにも子供っぽくて背伸びしすぎてて・・・真矢みきは下級生を育てる能力はなくて、ぐいぐい押すタイプですから、どっちかっていうと美月亜優のような大人の女性の方があっていたんだと思います。この頃の千ほさちは完璧に世間知らずの女の子で、空気を読まない部分があったのかなと。

確かWOWOWの「スターの小部屋」で真矢と千がインタビューに答えていた時に、真矢がずっと千をにらみつけていて、そのシーンを見たファンたちが「一体何があった?」と騒然としたんですよね。千の方はのほほんと答えていたんですけど。

別に真矢みきファンじゃなかった私は「あーあ、また相性が合わないのか」と思った程度でしたが。

どっちかっていうと愛華みれとの相性の方がよかったと思います。二人の「ヴェロニック」のポスターが本当に可愛らしくて、次はきっとラブラブカップルになるんじゃないかと期待していたんですが、いきなりの退団です。

しかも、本拠地のさよならはしてない筈なんです。東京に来る直前に退団発表があったと記憶しています。確か噂では愛華みれと大喧嘩して「やめてやる」みたいになった・・・かな?事実を知る人、教えて下さい。

ほんわりとした愛華みれとちゃきちゃき娘役の千ほさちのゴールデンコンビは見ることが出来なかったわけですが、それから随分たって、時代劇の舞台で彼女を見た事がありました。本当に綺麗で演技力に優れた女優さんになっていてびっくりしました。

2015年に女優業を引退しているんですね。残念ですね。

 

 大鳥れい

1993年79期生として入団。同期には水夏希・未来優希。

1999年 愛華みれの相手役としてトップ娘役に就任

2003年 「エリザベート」で退団

まさに棚ボタというか、もし千がそのままトップを続けていたらどうなっていたんだろう、この人という感じです。歌劇団も「若けりゃいい」路線は改めようと思ったんでしょうね。千より1期上の大鳥れいを選んだというわけです。

が!とにかく、最初見た時は「なんて顔がごつい人」でした。相

手役の愛華みれが非常に柔らかい印象なのに、一人でごっつい、どしっとしている感じ?だから「夜明けの序曲」の貞奴はそれなりに似合っていたと思うんですが、この頃から宝塚では「綺麗な娘役」がいなくなってきたことは事実。

一体何を根拠に入れているんだろう?みたいな疑問のハシリは大鳥れいだったかもしれません。だって「ルードヴィッヒ2世」の妖精?マリーアントワネットなんてものすごく気の毒な役回りでしたしね。

宝塚が今まで上演してきた「儚い」イメージがとことんないものですから。

とはいえ、だからこそ名作も誕生する訳で、愛華みれ退団のあと、匠ひびきと組んだ「カナリヤ」のアジャーニは名演中の名演でした。娘役のからを破った一作。

そして病気を抱えつつ匠が演じていた「琥珀色の雨にぬれて」「カクテル」を支えたのも大鳥れいであったと思います。確かに彼女はシャロンというにはごつすぎたけど、その分、ショーでははっちゃけてくれたし。東京公演では突如春野寿美礼が相手役になったけど、それも無事に乗り切り、まさにこれぞ花組のトップ娘役だと思ったものです。

だけど、「エリザベート」は失敗だったと思うんですよね。花組版を見て私は初めて「何でトートとエリザベートは憎み合っているのにラストは一緒にラブラブなの?」って思いましたもん。作品のあらを見せるような演じ方だったというか、はっきりいって春野寿美礼や瀬奈じゅんとは相性が悪かったんでしょうね。

東京公演ではいつもドレスを銀橋のライトにひっかけていたのを覚えています。

退団後は結婚して離婚でしたっけ?でもガラコンサートなどでは活躍しているし、いい女優さんなんじゃないでしょうか?

 ふづき美世

1995年、81期生として入団。同期には舞風りらや大和悠河がいる。

花組配属。

2001年 → 宙組へ異動

2002年 → 花組へ異動。春野寿美礼の相手役として娘役トップに就任

2006年 → 「落陽のパレルモ」で退団

綺羅星のごとくスターを輩出した81期の中でも成績がよかったんでしょうね。「国境のない地図」での初舞台生のあいさつは彼女の映像が。

花組時代はよく知らないのです。同じ81期なら舞風りらの方が有名だったと思うし。でも宙組でふづき美世を見たとき、あまりに可愛くない容姿と演技の下手さにぞぞっとしたんですよね。

この頃の宙組は花總まり女帝君臨のもと、幾人もの娘役が退団していき、花組から移動して来た彩乃かなみもあまりいい扱いを受けていなかったんです。

「エイジ・オブ・イノセンス」椿比呂花主演の舞台を見てますが全然印象になく。でも「鳳凰伝」でどこかの国の傲慢なお姫様を演じた時は、何だか気持ちが暗くなりましたよねーー

そしたら今度は春野寿美礼の相手役になって花組へ帰るというのでなおびっくり?

「オサさんは舞風りらがよかったけどコムちゃんにとられたから、あとは誰でもいいよーって感じ」というのはあくまで噂です。

春野寿美礼自体が相当なナルシストで、瀬奈じゅんがいれないいや・・というひとだったから、そういう人の相手役になるというのははっきり言って不幸だったと思います。自分を愛してない人と結婚するようなものですから。

だけどもし、彼女が花總まりのような一本立ちできる実力を持った娘役だったらそれなり作品も変わったろうなと思うんですが、なかなかうまく行きませんでした。

最初はそんなに嫌いでもなかったんですが、全ツ「琥珀色の雨にぬれて」を見てだめだーこりゃって。大鳥れいよりひどいシャロンで、作品が台無しになってましたから。当然「カクテル」もひどくて。だったら見なければいいのに・・・彩吹真央ファンになったのが運のつきとでもいいましょうかねえ。

でもそもそもの原因は相手役を大切にしない春野寿美礼にあったのかもしれませんけどね。

 

  桜乃彩音

2002年→ 88期生として入団。同期には朝夏まなと・紅ゆずる・花影アリスなど。

     花組配属

2006年 → 春野寿美礼の相手役としてトップ娘役就任

2010年 → 「虞美人」で退団

最初、2003年「野風の笛」の千姫を見た時に「二番手なのかな」と思いました。花組で断然演技力に優れていた遠野あすかが専科行きになって(なんで春野は遠野あすかを選ばなかったのかと)空いた2番手に颯爽と登場したのが桜乃彩音です。

併演のショー「レビュー誕生」でピアノを弾いていて、得意なんだなと思いました。

2003年の「二都物語」のルーシーに抜擢。これも見ましたけど大地真央版と比べて全体的にネガティブな作品で好きになれなかったんです。ルーシーに関しては倒れてばっかりの役でしたっけね。

2005年「マラケシュ紅の墓標」「落陽のパレルモ」で存在感を発揮した後、「ファントム」のクリスティーヌ役でトップ娘役デビュー。

正直、クリスティーヌは花總まりの印象が強かったですし、歌唱力にそれほど定評があるわけじゃない桜乃彩音が演じることに不安はあったんですが、実際に見てみると、「こっちが本物かも」って思いました。

ちゃんと「農家の娘」に見えたし、彼女にはどこか「守ってあげたい」雰囲気があったので、エリックやシャンドン伯爵との相性がとてもよかった気がするんです。ラストシーンも彩音仕様に変えられてて感動しました。

2007年「明智小五郎の事件簿」では黒蜥蜴という悪女を演じたのですが、そういう役もさらりとやっちゃう人で、まだまだだけど先への期待感はあったと思います。

でも桜乃彩音が本当に素晴らしい娘役になるのは春野寿美礼ではなく真飛聖の相手役になった時ですね。

2009年「太王四神記」のキハは当たり役だと思っています。正直、ドラマより感動したというか、納得できました。何よりも真飛とのラブラブ感が素晴らしくて、よそから来て浮き気味の真飛をしっかり支えていたと思います。

だから「虞美人」の時は、何だか知らないけど泣けて泣けて・・・桜乃彩音がよく言ってた「添い遂げる」という言葉をこんなに実感したことはありません。

桜乃彩音は美人顔ではありますが、ちょっと鼻が大きくてそれが今一つだったと思います。決して歌やダンスが得意というわけでもなかったし、歴史に名を残す娘役でもなかった。それでも、彼女の「娘役としての在り方」は宝塚歌劇の基本であり、そのおかげで真飛聖が生き生きと男役を全う出来たことは称賛に価すると思います。

退団後、結婚して子供を持ち、ドラマで見る限り在団中よりずっと綺麗で演技派に転身したなと思いました。今後が楽しみです。

 蘭乃はな

2006年 → 92期生として入団。双子の同期にすみれ乃麗。

      月組配属

2010年 → 花組に組替え。真飛聖の相手役としてトップ娘役に就任。

2014年 → 「エリザベート」で退団

何気に真飛聖・蘭寿とむ・明日海りおと3人の相手役を務めているんですよね。

月組での印象は全くなくて、どっちかというと宙組で活躍していたすみれ乃麗の方が印象的だったのですが、あっさり蘭乃はなの方が花組のトップ娘役になってしまうんですよね。

いきなり真飛聖のさよなら公演「愛のプレリュード」で出て来た時は、きゃぴきゃぴした娘役という感じで、真飛が持てあましているようにみえました。娘役ってあまりに子供っぽく見えるのはマイナスなんじゃないでしょうかね。

蘭寿とむの相手役になってからは、数々のショーにおいてダンスのうまさを披露。そういう意味ではダンサー同士だったので見ごたえがあったかなと思います。出来れば1場面、全部蘭乃に踊らせてもよかったよねと思う程です。

だけど本人は演技に関しては右も左もわからないというような状況で、何をやってもきゃぴきゃぴギャル。そんな彼女が「エリザベート」を演じる事になった時は、「だったら映美くららでも彩乃かなみでもエリザベート出来たじゃん」などと言われる始末。退団後も花總まりと同等でエリザベートを演じてて・・・ある意味、とってもメンタルが強い女性なんだと思いました。

トーク番組にすみれ乃麗と出演した時は、アクティブな蘭乃、ひきこもり気味のすみれ乃という感じで、結構よくしゃべる人なんだと思いました。

蘭寿とむの時代は、あまりにも作品に恵まれなさ過ぎて、ちょっと気の毒な部分はあったと思います。

 

 花乃まりあ

2010年→96期生として入団。同期には綺咲愛里・咲妃みゆらがいる。

     宙組配属

2014年 → 花組に組替え。明日海りおの相手役としてトップ娘役に就任。

2017年 → 「金色の砂漠」で退団

なんせあの96期ですし、どうせ特別扱いされているんだろうと思いましたし、そう思わせる程、とにかく貧相で見てて宝塚って感じがしない人でしたよね。

沢山娘役はいるだろうに、何をどうして花乃まりあなの?と何度も思ったし、多分明日海ファンもそう思っていたんじゃないかと思います。

96期といえば・・・というこの印象が本人に対してより悪印象を持たせるには十分だったかなと。

でも、そうはいっても「ミーアンドマイガール」のサリーは名演で、今更ながら明日海りおとの相性のよさを感じました。(明日海はそう思ってなかったみたいだけど)下手に花乃が美人でなくてよかったねーー明日海をたててくれて、男役度を増す力を与えてくれていたんだなと思います。

綺麗で中性的な男役に対して、不美人でやせっぽちの娘役、まさに女性からしたらシンデレラ願望をかきたてる二人だったわけですよ。そこらへんを上田久美子が考えてあえて「傲慢な姫とマゾっけのあるおつき」的な役を与えたことがよかったなと思います。フィナーレで大階段を二人で上がっていく様はまさにゴールデンコンビでしたよね。

今、テレビで見るとそこらへんのアイドルなんかよりずっと可愛らしくて印象的。やっぱりこの人はテレビ向きな人だったんだなと思いました。

 

 仙名彩世

2008年 → 94期生として入団。花組配属。同期には珠城りょう・早乙女わかば。

2017年 → 明日海りおの相手役としてトップ娘役就任。

仙台出身の娘役トップですよ。力が入るんですが、この人がトップになれたのは明日海りおからの御指名だったんですよね。

なんせ新人公演ヒロインやってないし、研9だったし、逆転ホームランというか運がよかった?これも実力?

全然花組に縁がない私あ「ミーマイ」のマリア公爵夫人にすっかり魅了され、その大人の雰囲気が大好きになりました。

が!仙名彩世が本当に明日海りおと相性がいいかどうかは未知数。

だって「ポーの一族」ではシーラを演じて何の不思議も感じなかったんです。トップスターが義理の息子役で違和感がないトップ娘役なんています?確か「金色の砂漠」でもお母さん役だったでしょ?仙名の持つ女性的な色気やボリュームが大人っぽい母性を感じさせるんだと思います。

仙名の相手役としては明日海りおはちょっとひ弱な感じがするんですけど、とりあえず二人はラブラブで幸せそうなのでまあ、いいっか。

 

 


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