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ふぶきが選ぶ平成宝塚の傑作 月組編

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   月組大劇場芝居 

 1位・・・黒い瞳(H10) プーシキン原作 柴田 侑宏作・謝珠栄演出

              主演 真琴つばさ

 再演されようとも、やっぱり初演が一番ということです。定在適所に人を配置し、盆を使ってダイナミックに描きました。

 

 2位・・・バロンの末裔(H9) 正塚晴彦作・演出

                主演 久世星佳

 久世星佳と相性がよかった正塚先生が、自分の主義主張をある程度抜いて、彼女のさよならの為に一生懸命に高級感と恋愛を入れ込んで作った作品です。「雉撃ちの丘」のシーンは名場面になっていますし、作家の役者に対する信頼と愛が透けて見えた作品です。

 

  3位・・・長い春の果てに(H14) アルカディ原作 石田昌也脚本・演出

                 主演 紫吹淳

 

 セクハラ作品ばかりの石田先生が嘘みたいに泣ける作品を書くなんて・・・と驚きつつ、最後は号泣した名作です。これこそなぜ再演されないの?と思いますけど。

 

 4位・・・ALL for one(H29) デュマ原作 小池修一郎脚本・演出

                   主演 珠城りょう

 小池修一郎の作品は内容がないと言われますが、これぞまさにその通り。でもまるで下町のお芝居のようにかっこよくてそれぞれのキャラが立って面白い。これに尽きました。

トップスターとしてまだまだ未熟な珠城りょうを精一杯、真ん中に立たせた作品だと思っています。

 

  5位・・・LUNA(H12)小池修一郎作・演出

            主演 真琴つばさ

 この頃の小池修一郎のテーマは「エコ」「新興宗教」「デジタル」で、この3つが全部入れ込んでいるのが「LUNA」です。ラストの紫吹淳がいなくなる部分が今一つでしたが、毎日面白く見ることが出来た作品(日替わりアドリブでしたし)

 

センチュリー号明日への指針(H26)石田昌也作・演出

            主演 龍真咲

 何というか小作品なれど、感動をくれる作品でした。

芝居に関して月組は全体的に作品に恵まれていなかったんじゃないか?と思います。

剣幸や涼風真世時代によい作品が出尽くしたというか、トップが偉大だったんでしょうね。でも久世星佳はわりと恵まれた方、真琴つばさも力技でねじ伏せたけど、その後がちょっと・・となって今に至っています。

 

 大劇場ショー編 

 

1位・・・ル・ポアゾン(H2) 岡田啓二作・演出

                主演 剣幸

 多分「ル・ポアゾン」は岡田ロマンチックレビューとしても平成のショーの歴史の中でもトップになるショーです。テーマ曲が奇跡のように素晴らしく、クイーンの曲が生きており、「別れの曲」でしっかり泣かせる。まさにさよならの中のさよならショーです。

 

 2位・・・BADDY(H30) 上田久美子作・演出

                主演 珠城りょう

 上田久美子デビュー作でいきなりの2位。そう思う位斬新です。斬新すぎて「宝塚っぽくない」と嫌う人もいますが(うちの姫)私はそうでもないと思っていますけど。10年後には当たり前になっているんじゃないかしら?

低予算の中でストーリー性のあるショーをよく作ってくれました・・・という感じです。

 

 3位・・・BLUE MOON BLUE(H11)斎藤吉正作・演出

                主演 真琴つばさ

 こちらも斎藤吉正デビュー作品になります。「赤い花」「ヘビ」「砂漠」をテーマに風変りでよくわからないショーだったのですが、高見沢俊彦が書いた「エンドレス・ドリーム」とテーマ曲の見事な融合、振付の素晴らしさ。その後、どんどん斎藤吉正は迷走していくんですけど、こういう素直なショーは大好きです。

 

 4位・・・ル・ボレロ・ルージュ(H10) 三木章雄作・演出

                主演 真琴つばさ

 三木先生の作品として、宝塚のショーの王道だと思います。風花舞のさよから公演でもあり、彼女のダンス力が生かされていますし、中詰めは盛り上がるし、ラストのアルベルト城間の曲もよかったです。

 

 5位・・・MISTY STATION(H24) 斎藤吉正作・演出

                主演 霧矢大夢

 

  霧矢ファンからすると「トップの出番が少ない!さよならなのに!」と不満たらたらかもしれませんが、体力的にしょうがなかったのかなと。でも構成や選曲、衣装どれをとってもまとまっていました。

 小劇場作品 

 

 1位・・・銀ちゃんの恋(H8) つかこうへい原作 石田昌也脚本・演出

           主演 久世星佳

 宝塚でこんな言葉遣いの、こんな人物が出てくる作品があるなんて。異端児石田昌也の本領発揮作品。でもこれをやれるのは久世星佳しかないと思っての上演だったんですよね。汐風幸も好演してましたし、風花舞も素敵な小夏でした。

そして実際に舞台で見て、こんなに大笑いした作品もなかったなあ。出演者の息がぴったりあっていて本当に楽しかったです。

 

 2位・・・月雲の皇子(H27)上田久美子作・演出

          主演 珠城りょう

 上田久美子デビュー作。こういう神話もどきの作品は外す人が多いのですが、対立の構図をしっかりと描いたことや、わかりやすいナレーションなどが生きたものと思います。

 

 3位・・・から騒ぎ(H11) シェイクスピア原作 藤井大介脚本・演出

          主演 初風緑

 昔の藤井大介作品は、みんな衣装が白でふわっと妖精っぽいキャラ出てきて。これもまたその延長でした。初風緑の髪型や滑舌のよさ、霧矢大夢の演技力に感嘆します。この年は全ての演出家がシェイクスピア作品をやるという企画だったのですが、成功例は「から騒ぎ」しかありませんでした。

 

 4位・・・ブエノスアイレスの風(H10) 正塚晴彦作・演出

          主演 紫吹淳

 正塚ワールドにひたりたい人はどうぞ。紫吹淳のダンス力と、西条美恵の演技力、それからまだ新人だった大和悠河とか、新鮮さを感じるんじゃないでしょうか?

 

 5位・・・なみだ橋えがお橋(H14)谷正純作・演出

          主演 月船さらら

 本当は霧矢大夢主演でやる筈だったのが、病気で急きょ月船さららに回って来た作品。落語がベースの喜劇で、面白い脚本でした。私は後の霧矢作品「大阪侍」よりこちらが好きです。今思えば「ANOTHER WORLD」の原点がここにあったのかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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