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ふぶきの手作りマスク・・・裏は見せられません!

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ごきげんよう・・・ちらかった部屋でごめんなさい。

僕の名前はハッチ。毎日、姫ちゃんのお部屋でいい子にしているんだよ。

夜はね、ビッグプーと一緒に姫ちゃんとねんねしているんだ。

夏場は暑くてしょうがない・・でもあんたたちのおかげで寝相がよくなったわって姫ちゃんに褒められたの。

姫ちゃんの部屋には沢山のぬいぐるみがいるんだけど、僕はすごく聞き分けのいい、優等生なんだよ。すぐに「僕もお仕事一緒に行くよ」ってだだこねるビッグプーとか「プリンセス佳子と結婚する!」って叫んでるカワちゃんとは大違いさ。

今日はね、僕、ハッチがふぶきさんの手作りマスクを紹介するよ。

 

あのね、ふぶきさんは小さい頃から手先が不器用でね。

ふぶきさんのお母さんは洋裁が得意で、中学生くらいまで普段着は全部お母さんの手作りだったの。でもその娘は全然ダメでね。

高校の時、ブラウスを作る授業で、せっかく買って貰った生地を裁断を間違えてダメにしちゃった事があるんだ。

それから授業がさっぱりわからなくて、家でお母さんに習うもやり直しの連続。その頃、家にはシンガーの足踏みミシンがあったんだけど使いこなせなくて泣きそうになって・・・お母さんからは「あんた、本当に不器用ね」と言われ、家庭科の先生からは「あなた、頭良さそうなのな顔だけね」と言われて傷ついてトラウマになってしまったんだ。

出来上がったブラウスはワンサイズ小さくて、きっちきっちだったしね。

それから・・ふぶきさんはダディと出会ったんだけど、カレシの為に意を決して編み物に手を出したんだよ。棒針のね。

仙台は寒いから極太の毛糸がよく似合うの。それに毛糸の専門店もあってね。

ふぶきさんの着ていたセーターは全部オーダーメイドだったんだけど、編んでくれていた人はその専門店に見本を卸している先生だったんだよ。

だからいい糸ばかり選んでカレシの為に沢山セーターやベストを編んであげたの。

質がいいから35年経っても全然古びてないんだ・・ただ関東では厚すぎて無理だけど。

 

ふぶきさんは、針を持つことにトラウマ抱えて今まで生きて来ちゃったの。

でも今回、このコロナ騒ぎの中でふと、「自分好みのマスクが欲しい」って思っちゃったんだ。だから最初は人に頼んで作って貰っていたけど、「ごめん。もう暇がなくて」って言われたので、泣く泣く自分で作る事にしたんだよ。

決心するまで数週間。

思い切って生地を買っては見るものの・・・怖くてハサミが入らない。また間違えたらどうしよう。ダメにしちゃったらどうしよう。

見かねた姫ちゃんが「もうっ!私が切ってあげるわよ」とジャキジャキ切ってくれたんだ。

(きっとスザンナちゃんは笑ってるよね・・・うん。たかがマスクでこの大騒ぎ)

最近はかすみ目がひどいふぶきさん、型紙を切るのも大変で「中表?」「スティッチ?」いや、そもそも針に糸を通すのだって無理無理な状態なんだけど、世の中ものすごく便利になってる。裁縫道具って進化しているんだよ。

針に糸を通す機械があるんだ。それだけじゃないよ、チャコペンだって水性ではっきりくっきりでも消えるってのもあったりして。

おかげで随分助かったんだって。

それで一生懸命縫い始めたんだけど、なんせ素人でしょ?間違えてはほどいて縫い直しの連続だよ。

「どうせ才能ないもん」って布をぽいってやるんだけど、しばらくしたらまた取り組んで、その繰り返しさ。

それでやっと作り上げたの。

まずね。

これは一番簡単な作り方なんでしょう?でもひっくり返したら表が出なくてびっくりした事もあるんだよ。左右が対照じゃないのはご愛敬として。

このままじゃ寂しいから端にレースをくっつけて、リボンとお星さまを縫い込んだ。

星組ファンだからね。

ほら、これ。

僕がつけるとこんな感じ・・・あれ?お目目がなくなっちゃったよ。

生地は一枚作れば終わりってわけじゃなくて、3枚はとれるから頑張って裁断したよ。

2枚目は1枚目程綺麗には出来なかったんだ。

形は同じだけど、両端にチュールレースを貼り付けてみたんだって。

ふぶきさん、本当にチュールレースが大好きなんだよ。もっと若かったらチュールレースが一杯ついた服を着たかったんだって。

でも今はレースなんか来たら太ってるのがバレバレになって無理だよね。

僕も太ってるけど、ふぶきさんはそれ以上・・あわわ。

もう少しチュールレースを中央に持ってきた方がよかったよね。

あっ!汚い縫い目は見ないで~~~~

こっちにもお星さまがついてるの。2つも。

僕がつけるとこんな・・・なんか丸くて大きくてまたも顔がかくれちゃった。

 

三枚目はね、これが一番大変だったの。指が痛くなったんだって。

生地全部にチュールレースを貼り付けてプリーツタイプにしたんだよ。

ふぶきさんったらよく考えもせずにただただ派手にしたかっただけなの。

そしたら生地が思った以上に地厚になってしまって、縫うのが大変のなんのって。

よせばいいのに、それでも頑張っちゃったんだって。実用的じゃないよね。

見た目ゴージャス、でも重い・・・・かなあ。

でも、僕がつけると目が見えたっ!何だか僕、可愛いね。

ふぶきさんの家では誰も布マスクをつけないし、職場でもそうなんだって。

ふぶきさんだけ着けてるんだよ。

世の中には本当にすごい布マスクをしている人が沢山いて、いつも参考にしているんだって。

 

この間、姫ちゃんと一緒に浅草橋へ行って、カニカンと丸カンを買って繋げてみたらゆらゆらしたイニシャルが可愛いね。

その調子で今度はクレイのアクセサリーに挑戦するって言ってたよ。勿論、今度は大臣マスクも作ってみるって。

でもそんなに作ってどうするのかなあ。

僕にはちっともわからないよ。買った方が断然安いのにね~~^

 

 

 

 

 

 


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