しつこく華流初心者が越えなければならない壁に「漢字の読みが難しい」というのがあります。特に人の名前で、日本では使われていない漢字が多く、訳によって、それが日本語読みだったり中国語読みだったりしますので、理解するのが難しい。
中国語・・・全然上達しないなとイライラします。
やっぱり単語が覚えられないんだなあ・・・語順も英語とちょっと違うし、かといって日本語とは全然違うし。
そもそも簡体字って・・何でそこまで省略する?って感じなんです。私にはもはや文字に見えないよ~~~ (ハングルはもっとだけど)
中国語を勉強したいと思ったのは「陳情令」を見てからですが、その理由は、人の名前が日本語読みではなく、中国語読みだったからです。
例えば
「魏無羨」 → ウェイ・ウーシェン(それを演じた「肖戦」はシャオ・ジャン)
「藍忘機」 → ラン・ワンジー(それを演じた「王一博」はワン・イーボウ)
それまでは漢字を日本語読みで訳すドラマばかり見ていたせいで興味を持ったのです。
でも、雑誌によっては「肖戦」をしょうせんと読んでいるものもありますよね。
中国ドラマの登場人物の命名の仕方が面白いというか、何でそこでその漢字をあてるのか?なんて興味を持つと、日本人の命名の仕方がわりとフィーリングばっかりで意味をきちんと理解していない場合が多いなと感じたりします。
「陳情」と言えば、日本の場合「お願いする」という意味に捕らえがちですが、中国語では「言葉に出せない真意を表す」とかいう意味なんですよね。
同じ漢字でも日本語と中国語では意味が違う!と思う事も多々あり。
よくドラマを見ていて「ブカナ」という言葉は出てきます。
「ブカナ」というのは「ありえない」「そんなバカな」という意味ですが感じで格と「不可能」なんです。似て非ざる意味ですね。
また、「陳情令」のメイキングなどを見ていた時、肖戦が王一博の事を「先生」と読んでいたんです。8つも下の子に「先生」をつけるの?なぜ?と思ったら、「先生は」男性につける敬称で「さん」に相当するんですね。つまり「王さんは」と言っていたんです。
ところで、華流では「男女が一途に愛する」という物語が多いです。
幼い頃から思い続けて・・・やがてそれがかなわないと執着にになり、悪に豹変する
話は枚挙にいとまがないです。
しかし、その一途な「愛」が本当に美しい物語を生み出す事もあります。
今回はそんなお話を。
白華の姫
(2018年)
中国名タイトルが「白髪王妃」ですよ。笑っちゃいます。日本語にして「白華の姫」になる・・・日本人のネーミングはいいなあと。
何で白髪王妃なのかというと、ヒロインが一時白髪になるからですし、「共白髪まで添い遂げよう」の意味もあるかと思います。
この方、子役から出て来た女優さん。
史劇においては初主役かな?八重歯の可愛い人ですが今時、本当にこの歯並びで大丈夫なのか?と思ってしまう。そう考えると歯並びばかり気になって。
役柄としては、
ふと気づくと彼女は「容楽」公主として西啓という国の王女、容斉皇帝の妹になっていた。
何が何だかわからないけど、兄皇帝が優しくしてくれるのですっかり信じ込み、政略結婚で北臨の皇子に嫁ぐ事になった。
そこで出会ったのが相政無憂(黎王)という第七皇子で彼と運命の恋に落ちる。
容楽を一途に愛し抜く北臨の皇子。
こちらは産みの母の悲劇的な死によって女性を近づけない頑なな道楽皇子で、容楽が北臨でもう一つの顔「茶店」の主、漫夭としての姿に一目ぼれ。
長い間、自分の結婚相手である事を知らず漫夭と付き合って相思相愛に。
しかし、その間に西啓の皇帝によって容楽の結婚相手は傅筹将軍にされてしまう。
この方、最近売れっ子です。
傅筹は北臨の将軍で勝利をおさめ凱旋。しかし実は密かに北臨の皇帝暗殺を企む悪人。本当は皇帝の息子で無憂の双子の弟であるが、それはずっと後の話。
こちらも容楽に一目ぼれして、容楽は二人の男性から愛され奪い合いになるわけ。
ご存知、レオ・ロー。
この方を見たくてドラマを見始めたのに、全然出てこない。危うく挫折しそうになったんですが、ラストはこのドラマの全てがレオ・ローの為に作られたんじゃないか?と思う程の存在感と演技力を発揮します。
この皇帝は母によって「天命」という毒を体に持ち、毎月毒消しを飲まないと生き残れない運命を持っていました。
しかし、出会った容楽と恋仲になるも母の手によって容楽にも同じ「天命」の毒が盛られ、結果的に好きな人の命を守る為に母の操り人形のようになり、恋人の容楽は薬のせいで記憶を失い、無憂を一途に愛する女性になっていて・・・
この世で最も大切な女性が、違う男性を恋し自分を敵とみなし憎み、それでも愛し続け、子供を身ごもったら守り、最終的には命も差し出すという。
究極の「愛」の形を見せてくれる人でした。
この容斉帝の前には無憂も傅筹もかすんでしまいます。
ラスト数話の為のドラマ・・・そういっても過言ではありません。
という事で、長い伏線を楽しみましょう。
王女 未央
(2016年)
原題は「錦繍美央」というのです。
物語は南北朝時代、涼という国の王女である馮心児(ふうしんじ)は北魏によって国を滅ぼされ、父や祖母を失う。
逃げる途中で出会った「李未央」に助けられる。李未央は北魏の官僚李家の側室の娘。しかし、彼女は本家に戻る前に殺される。
とっさに未央になりすました馮心児は北魏の李家に乗り込み、涼を滅ぼしたのが誰で敵が誰かを探り出す。
その過程で出会ったのが皇帝の孫の拓跋濬(たくばつしゅん)に出会う。
ティファニー・タン。彼女が未央です。
拓跋濬を演じているのがルオ・ジンです。
彼は非常に優しいマスクとおちゃめな仕草で未央が好きでたまらない・・・という表現をするので見ているこちらがもう顔が真っ赤。
上記、二人は出会った時から運命の恋に落ち、最後の最後まで一緒です。
未央は前半では李家の娘として他の異母姉妹や嫡母からの虐めに耐え抜きますが、後半では様々な事件の解決の功により、皇室の女官となり、陰謀によって洗濯女になり、そこから這い上がっていくというサクセスストーリーです。
拓跋濬は皇帝の息子達と後継者争いに巻き込まれ、母を殺され一度は未央を犯人と思いますが、最終的には「愛は決して裏切らない」事を証明します。
その拓跋濬を小さい頃から好きで好きでたまらず、その怨念を未央に向けるのが
李長楽。リー・シンアイです。
長楽は李家の長女で腹黒い母の血を引き継ぎ、次から次へと陰謀を巡らします。
一度は拓跋濬の妃にすらなるのです。
そしてもう一つの報われない愛を演じるのが
拓跋余(たくばつよ)演じているのはヴァネス・ウー。
彼は皇帝の次男で、皇位継承する為に悪逆非道をやりつくします。
それとそっくりな性格で、尚且つ余を一途に愛しているのが
李常茹(りじょうじょ)
マオ・シャオトンが演じています。
彼女は李家の3女で最初こそ優しかったものの、余が未央を愛するようになると牙をむきます。
そしてもう1カップル。
拓跋廸(たくばつてき)チェン・ユーチーが演じています。
皇帝の一人娘。余の妹、濬からみると叔母ですね。
彼女はとにかく肉食系。好きになったらとことんつきまとう感じ。
そういえば「霜花の姫」の魔界の王女の時もがんがん攻めていました。
そんな王女の恋の相手が
リャン・ジェンルンが演じる李敏徳です。彼は李家の子供として育てられますが実は柔然の皇子さま。
敏徳は未央が李家に現れた時から恋をして、その思いを断ち切れないでいるのです
北魏やら柔然やら聞きなれない国の言葉が出てきて戸惑うんです。しかも漢字の読みが日本語読みですから、字幕で見るとちょっと違う感じ。
拓跋濬は「たくばつしゅん」と訳されていますが、発音は「とばじゅん」なんですよ。「とばじゅん」と連呼されると笑ってしまって・・・
いやいや、とにかく男性陣はみんな未央を愛する。
女性陣は静かに待つか、殺そうとするか。いわば王道のラブロマンスです。