政府と宮内庁がこんなに素早く、しかも同時に抗議文を出すというのは
極めて異例の事です。果たして政府と宮内庁の立場はどちら? そして本当の思惑は何?
事の発端は・・・・・今週発売の「週刊新潮」の記事です。買う価値がないので立ち読みで終わらせてしまったのですが
タイトルが「雅子妃不適格で悠仁天皇即位への道」というのです。
おおざっぱに内容を思い出してみると
皇后がついに「雅子妃に皇后の役目は務まらない」と漏らした。もし、自分一人が残されたら即位した皇太子一家にどのような
扱いを受けるのかと心配している。
毎月1度行われている頂上会議。天皇・皇太子・秋篠宮の会談は皇室典範改正に向けてのもの。
その内容は「生前譲位を可能にし、皇位継承権のある皇族が即位する」(両陛下の思し召し)
2月1日、午後16時30分に風岡長官が安倍総理にたいして「皇室典範改正」を打診。
天皇陛下はその御役目を全うして頂き、一旦皇太子が即位。そしてころあいを見計らって悠仁親王に譲位。
宮内庁長官いわく「兄弟相続は争いの歴史があるので秋篠宮は即位を辞退」という事で」
皇太子は一宮家になって家族3人で暮らしたいという意向を持っている。
というもの。
ここで重要なのは、全てが「陛下の思し召し」としている事。そして風岡宮内庁長官はその陛下の思し召しを持って
政府に要求し、水面下で事が進んでいる・・・・という事なんですね。
それに対して、最初に抗議したのは菅官房長官でした。そしてその次が宮内庁。菅官房長官が抗議したのは雑誌が出てすぐ。
まるで待ち受けていたかのような抗議の仕方でした。
内閣官房長官の質疑応答。
記 者 ; 週刊誌の報道でお伺いしたいんですが,今日発売の週刊新潮でですね,
宮内庁の長官が総理と面会,これは首相動静で残っている今年の2月1日なんですが,そこでですね,
皇室典範の皇位継承を巡る制度の改正を長官は求めたと,宮内庁の長官ですね,この事実関係について,お伺いします。
官房長官 ; あの,所管しているのは私(官房長官)でありますから,私自身のところにはまったくそういったことは一切ありません。
ですから事実無根であるということをはっきり申し上げたいというふうに思います。
また,事前の取材に当たってもですね,そのような事実は一切ない,その旨を事務方から週刊新潮編集部に対して,文書で明確に,
これ,回答をいたしております。
そうしたことがあったにもかかわらずですね,
このような事実無根の記事が掲載されたことはですね,皇位の継承という極めて重要な事柄であって,
国民の皆さんに重大な誤解を与える,そういうおそれのありますんで,極めて遺憾であって厳重に抗議したいと,こう考えています。
この発言がアップされたのが13日、木曜日の午後12時半。つまり雑誌が棚に並んですぐの事でした。
まさに「事実無根」と言っているのです。
わりと皇室に関しては何を書かれようとほったらかしの政府が、速攻で否定にかかるというのは極めて珍しく、予定されていた抗議では
ないかと言われています。
記者は2月1日について尋ねています。風岡長官が総理と会って「皇室典範改正」≒生前譲位、悠仁親王の即位を打診したと。それが
両陛下の思し召しであったという事が事実かどうかと聞いているのですが、官房長官の答え方には日付についての話はなく、
風岡が総理に会ったかどうかも答えていません。
ただ「所管である自分の所にはそんな話は来てません」という事。考えようによっては官房長官をすっとばして直接打診?という事を
暗に言っているような気がするのです。
宮内庁長官
「本日発売の週刊新潮に,「『雅子妃』不適格で『悠仁親王』即位への道」との記事が掲載されておりますことについて,一言申し上げたいと思います。
この記事では,私(宮内庁長官)から安倍総理及び菅官房長官に対し,
「天皇の生前退位及び譲位」並びに「皇位継承の辞退容認」を可能とするような皇室典範改正の要請を行ったこと,
また,そうした宮内庁の要請内容については,天皇・皇后両陛下と皇太子・秋篠宮両殿下の間では,既に納得されていること,
などが記述されておりますが,このような事実は一切なく,この記事は全くの事実無根であります。
そもそもこの記事については,週刊新潮編集部より事前(6月10日付)に文書にて取材申請があり,
当該事実は一切ないことを文書にて明確に回答していたにも関わらず,その回答には全く触れることもなく,
このような記事がそのまま公表されたことに,強い憤りを感じます。
少しその内容について個別に申し上げますと,最初に「ついに『雅子妃に皇后は無理』の断を下した美智子さまの憂慮」との見出しで,
「皇后陛下はすでに,周囲には『皇太子妃には将来,皇后の仕事はつとまらないでしょう』と漏らされています」との記述が
「さる宮内庁幹部」のコメントとして記載されておりますが,皇后陛下はお誕生日会見などでもかねてより,
「妃は皇太子にとり,また,私ども家族にとり,大切な人であり,妃の快復を祈り,見守り,支えていきたい」と仰ってこれらたところであり,
そのようなご発言をされることなど,全く考えられません。
また,「さる宮内庁幹部」とありますが,私は宮内庁幹部の一人として,もちろんそのようなご発言を耳にしたことはございません。
さらに,「皇后陛下は,『もし仮に,陛下がおられなくなって,私が一人残されたとします。
その時のことを考えると,とても不安を覚えます』と近しい人に打ち明けられている。
ご公務の引継ぎなどはもちろんのこと,はたして皇太子ご夫妻が,ご自身を適切に遇してくれるのだろうか…その点を気に病んでおられるのです。」
との記述もありますが,常に周囲をお気遣いになっている皇后陛下のお立場を鑑みるに,そのようなご発言をされることなど,到底考えられません。
この記事の内容を皇后陛下はまだご存じないものと思いますが,仮にこの記事を実際ご覧になられれば,
大変お心をお痛めになるのではないかと思われ,とりわけ現在ご体調を崩されているところでもありますので,非常に心配をしております。
また,次に「『皇太子即位の後の退位』で皇室典範改正を打診した宮内庁」との見出しで,私が安倍総理及び菅官房長官に
皇室典範の改正を提案したとの記述がありますが,そもそも宮内庁は,皇室典範等が定める皇室の制度を前提に
天皇皇后両陛下及び皇族方にご奉仕申し上げるのが務めであり,
制度の在り方を宮内庁から提案することなどあり得ません。
さらにこの記事の中では,その背景などについても記述されておりますが,改めまして,全くの事実無根,荒唐無稽な話であると申し上げておきます。
次に,「『秋篠宮は即位すら辞退』が頂上会談で了解された深い事情」との見出しで,
こうした宮内庁から官邸への提案が,「すべて天皇・皇后両陛下の思し召し」であり,
「すでに天皇・皇太子・秋篠宮の三者による頂上会談でも話し合われ,納得されている」との記述がされております。
私(宮内庁長官)は,今上陛下,皇太子殿下,秋篠宮殿下のお三方によるお話し合いの場には常時同席させていただいております。
そこでのお話し合いの内容については,本来私から申し上げることは控えるべきことと思っておりますが,
この件に関してのみは,そのような内容のお話し合いはこれまで一度も行われたことはなく,
全くの事実無根であるということを申し上げておきたいと思いますし,そもそもそのようなことを仰られること自体,あり得ないことと考えております。
以上申し上げたようなこの記事の内容について,両陛下は未だご存じないものと思いますが,
ご覧になられれば大変悲しまれるのではないかと非常に憂慮しております。
また,皇室制度や皇位継承のあり方という極めて重要な事柄について,このように憶測等に基づく,
全く事実と異なる記事を掲載することは,国民に重大な誤解を与えかねないものであり,大変遺憾に思っております。
このため,この週刊新潮の記事に対しては,内閣官房と宮内庁の連名により,文書にて厳重に抗議するとともに,
速やかに訂正記事を掲載することにより,記載のような事実がなかったことを明らかにするよう求めることとしているところであります。
あの,具体的には内閣官房と宮内庁連名で新潮社に対して厳重抗議と同時に訂正記事の掲載を求めていく,こう思っています。
風岡長官は創価学会員である事。羽毛田前長官と同じように「女系派」であり、小和田一派として考えつつこの文章を読むと
文章の特徴及び、隠したい事などが見えてきます。
新潮の記事で最も重要な点は
今上亡きあと、皇太子が一旦即位をしてころあいを見計らって悠仁親王へ譲位 →
皇室典範に生前譲位を盛り込む
秋篠宮は即位を辞退
上記2点について風岡長官が2月1日に安倍総理に会って打診した。
ここなんですよ。
実際に、2月1日の午後4時半頃、風岡長官は安倍総理に会っています。何を話したのか・・・・その内容が上記であると新潮は書いています。
さらに重要なのは風岡がその打診をした理由を「両陛下の思し召し」であると言っている事。
しかし、風岡長官は直接それに触れる前に、延々と皇后が「雅子妃について不適格とは言ってない」と弁明しています。
「そんな事をおっしゃる筈がない」と。宮内庁職員もそんな風には思っていないと。
何で長々そんな事を引用までしていうのか・・・印象操作ではないかと私は思います。
世の中が「雅子妃は皇后にふさわしくない」と思っている事は確かでしょう。雅子妃は相当嫌われている事も確か。
でも皇后が認める限り、雅子妃は将来必ず皇后になるのだと・・・・言っているわけです。
風岡は「自分が」とは言わず、「宮内庁」が皇室典範に関わる事はないし、陛下の思し召しとして打診することもないと言っています。
その事に間違いはないでしょう。「宮内庁」は。
でも、風岡個人としてどうでしょう? 以前、羽毛田前長官が「女性宮家」を陛下の思し召しとして民主党に要求した事がありました。
あの頃、「長官が陛下の意思を無視して動くはずがない」という意見が大勢で、ゆえに陛下は「女性宮家」推進派なのだと思われました。
個人的には全くの嘘でもないような気がします
でも羽毛田長官の言う「女性宮家」と天皇が考える「女性宮家」では意味合いが違っていたのではないかと思います。
羽毛田前長官のいう「女性宮家」は愛子内親王を女帝に押し上げる為の布石である。今上はあくまで悠仁親王を支える為の
眞子・佳子内親王の処遇改善であると思います。
風岡が頂上会談に同席している事。何が話し合われているか知っている事。その中で仮に・・・・仮にですよ。
「皇太子は即位せずに一宮家降格」について話し合われていたとしたら?創価学会の風岡にとってそれはまことにまずい話です。
風岡は多分、この話を歪曲して「陛下の思し召し」として総理に打診したとしたらどうでしょうか?
つまり「一旦皇太子が即位し、その後悠仁親王に譲位」案。これなら皇室典範改正も難しくないのでは?と。
なぜ皇太子が一旦即位しなくてはならないのでしょうか
そこには「即位さえしてしまえば口約束なんてどうにでもなる」という半島人的考え方がそこにあるからです。
だって、ころあいとはいつか明記されていませんしね
皇太子が即位すれば「愛子ではいけませんか」になるのは当然。ダメ押しで壬申の乱まで引き合いにだして秋篠宮即位を辞退
などという。陰謀が見え見えでは?
風岡が延々と皇后の言葉に着目し、雅子妃を擁護を前面に押しつつ、仕方なく「陛下の思し召しで打診なんかとんでもない」と
否定するに至った・・・と考えるのが自然。
だって、2月1日に風岡が安倍総理に会った事は事実なんですもの。本当に否定したいなら2月1日に何しに総理官邸へ行ったか
説明すればすむ事でしょう
これで政府側の速攻抗議の意味がわかりますね。風岡・小和田の手には乗らないという事です。
即位するという事は「元号」が変わるという事です。天皇の葬儀と即位は天皇家としても国家としても一大事。
どちらもおおがかりな予算を組み、大々的に国際的にアピールしなくてはならない行事なのです。
しかし、今上はその事に対してかなりの抵抗感というか・・・「申し訳なさ」を感じているんでしょうね。
「火葬にして陵も小さく」なんて言い出した事からもわかるように、元号改正などというものは、そうそうない方がよい。
大正時代のように15年で終わるなんて事よりも、明治や昭和のように長く続いた方が国民の負担も軽い。
もしかしたら元号すらなくして西暦で統一した方がいいかも・・・・と思っていらっしゃるかもしれません。
そんな陛下の心のひだを掴んだのが秋篠宮の辞退と悠仁親王の即位。皇太子の生前譲位で元号を替えず・・・という
思惑だったのではないかと察します。 (あくまで私見ですよ・・・・)
政府が速攻否定したので、風岡としても否定せざるを得ず・・・・という所ではないでしょうか。
「皇后陛下はこの記事を知らないだろうけど知ったらどんなに・・・」「陛下はこのことをご存じないだろうけど知ったら・・・」の部分に
非常に小和田っぽさを感じるのは私だけでしょうか?