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今時の女の子に読ませたい昭和の少女漫画5

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 みなさん、漫画が好きでいてくれて嬉しい

「いつまでとっておくんだーーゴミの山だ」と言われて来た40年が報われた思いです。

そりゃあ、たびたび引っ越しもしました。マンションもアパートも狭かった。

それでも何とか守り抜いた漫画達をこうやって紹介出来るのは

生きててよかったーーと思います。

 「呪われた孤島」(昭和49年別マ)

登場人物・・・小座倉曜子 (表紙)

         日下部亜矢

         間久部五郎

ストーリー・・・無医村の孤島に日下部亜矢という医師がやってきた。

         これで村は救われると大喜びしたが、実は亜矢は医師界を

        追放され復讐をたくらむ女だった。

        島に毒クモがいて、その解毒に八千代菊が効くとしると全ての

        菊を刈り取りエキスを作り、毒クモを操り、島を掌握していく。

        網元の娘、曜子は亜矢の陰謀で父を殺され、自分もまた殺されかけ

        命からがら島を脱出し医学部に入る。

        そこで知り合ったインターンの間久部五郎と共に、島を救う為に帰る。

 

いやーー本当に怖い漫画でした。特に亜矢のセリフ

「今に見ているがいい そして後悔するがいい この島は地獄になるわよ」の

ドアップは夢に出てきます。さらにラストで亜矢が毒クモに殺されるシーンは・・・・

こ・・・怖すぎてっ

でもだからこそ面白いというかドラマチックというか。

少女漫画では異色の分野だったなあと思う今日このごろです。

 

 「怪盗アマリリス」(昭和48年別マ)

登場人物・・・椎崎奈々 (アマリリス) 表紙

        佐藤容子 (奈々の同級生)

ストーリー・・・怪盗アマリリスとして金持ちから金を奪う仕事をしている奈々が

       久しぶりに故郷へ帰ると、町がけだるいムードに変わっていた。

       その昔「怪盗白水仙」として名をはせた母はおデブになり、おヒョロと

       言われていた容子もまた肥満に。奈々自身、食べる事が多くなりいつの間にか

       太ってしまう。

       それは実は食品に麻薬成分が含まれていた・・・・

 

毒入りギョーザ事件など想像もつかない昭和40年代に、このような作品が

作られたというのはすごい事です。

まあ、古い話ですけど森永の粉ミルク事件とか水俣病とかイタイタイ病とか

食の安全は決して守られていたわけではないんですけどね

でも、少女漫画の中でこれだけ硬い話題をリアルに描くって、今時の作家は

なかなか発想として持てないのではないかと思います。

 

さて・・・・次は早々と真打登場?

萩尾望都です

萩尾望都は少女漫画のくくりでは語れない人です。

一般的な少女漫画が嫌いな人でも彼女の作品だけは読めるという人が多い。

この「ポーの一族」に加え「トーマの心臓」などは今時のBL大好き女の子達の

要求にも十分に応えられる作品ではあります。

っていうか、BLの原点がここにあると言っていいでしょう。

さらに「百億の昼と千億の夜」など、少女漫画界を飛び出していったすごい人でも

あります。

それらはおいおい紹介していくとして。

 「ポーの一族」(1972年 別コミ)

登場人物・・・エドガー・ポーツネル (表紙右)

        メリーベル (エドガーの妹)

        アラン・トワイライト (表紙左)

ストーリー・・・仲間を増やす為にポーの村を出たポーツネル夫妻と

       エドガー、メリーベル。そこで金持ちの息子、アランと知り合う。

       しかし、やがて正体がばれて・・・・

 

ヅカファン必読の書です。「薔薇の封印」も「シルバーローズ・クロニクル」も

元は「ポーの一族」です。

ヴァンパネラという言葉を定着させ、吸血鬼の定義を説いたのがこの作品だからです。

本来、成人しかヴァンパネラとして迎えられない筈なのに、なぜエドガーと

メリーベルが?そこは続きがあるけれど、この作品では愛する妹を失った

エドガーがアランを自分の仲間にして、長い旅を続けていく・・スタート地点です。

 「ポーの村」(1972年 別コミ)

登場人物・・・グレン

         エドガー

        メリーベル

ストーリー・・・貴族のグレンは狩りの最中に仲間とはぐれ、誤ってメリーベルを

        撃ってしまう。

        紛れ込んだポーの村はバラばかりで、食事も薔薇のスープだけ。

        メリーベルの傷の治り方に不審を抱くグレン。ある日、エドガーに

        血を吸い取られ・・・・

        その後、自分の世界に戻り年老いた彼はメリーベルそっくりな少女と

        出あう。その娘が実は本物のメリーベルと知り・・・・

 

ヴァンパネラが暮らすポーの村の生活ぶりがほんの少しわかります。

薔薇を栽培し、薔薇のお茶と薔薇のスープのみの生活・・・私も嫌だなあ

それにしたってメリーベルの可愛らしさは格別だし、エドガーの妹思いも

ここに極まれりです。

 「グレンスミスの日記」(1972年 別コミ)

登場人物・・・エリザベス

ストーリー・・・グレンスミス(ポーの村のグレン)の娘、エリザベスは父が

        亡くなった後、その日記を受け継ぐ。

        日記にはポーの村の出来事が書いてあった。

        やがてエリザベスは結婚してドイツに渡り、子供達が生まれ、孫が出来

        さらにその子供が出来る。

        エリザベスのひ孫、ルイスがエドガーと出会い・・・

 

これは隠れた名作ではないかと思います。

それというのも、一見、ヴァンパネラの話とは全く関係のないストーリーが

展開していくのです。

エリザベスは貴族の身分を捨てて音楽家と駆け落ちし、ドイツへ渡り、

幸せに暮らしますが、戦争が始まって夫は戦場へ。貧乏な生活の中で

子供が死んだり、孫が出来たり・・・・「グレンスミスの日記」はひ孫へと受け継がれ

ある日、エリザベスのひ孫、ルイスは日記に書いてあるのとそっくりな人物に

出あうのです。

要するにラスト、ルイスが「エドガー、君、妹いる?」的な話から始まって

エドガーが「いたよ。メリーベルっていう」

ルイスは「僕におばさんがいてさ・・」といいかけてやめる。そして「まさかね・・・」と。

そのシーンの為だけに数10ページを描いてきたという・・・・すごさです。

 「すきとおった銀の髪」(1972年 別コミ)

登場人物・・・チャールズ (表紙右)

        メリーベル

        エドガー

ストーリー・・・ある日、小さなチャールズが可愛いメリーベルと出会う。

        一目で恋に落ちたチャールズは毎日のようにメリーベルと会う。

       でも、突然、メリーベルは消えた。それから何十年。

       年老いたチャールズは、メリーベルそっくりの女の子に出会う。

       「あなたのおばあさんを知っていますよ」と声をかける。しかし、

       少女の後ろから姿を現したエドガーを見てチャールズは凍りつく。

 

短編ですが、おじいさんになったチャールズがメリーベルとエドガーに会う。

メリーベルは悪びれもせず「メリーベルは私の名前よ」と答えるのが

かえって怖い・・・というか。

 

 「はるかな国の花や小鳥」(1975年 別コミ)

登場人物・・・エルゼリ

        エドガー

        アラン

ストーリー・・・エドガーは音楽教師のエルゼリと出会う。毎日彼女の所に出向き

        エルゼリの過去を知る。

        ひと夏の恋で捨てられた彼女はその後独身を貫いていたのだ。

        その捨てた彼が死んだ事を聞くとエルゼリは・・・

 

エドガーの初恋物語でしょうか。

彼がメリーベル以外の女性に興味を持つというのは非常に珍しい事です。

そしてそれを見ながらアランはすねるという図式も。

 

「ポーの一族」に出会ったのは小学生の頃。しかも低学年。

頭のいい友人は「面白い」と言いましたが、私はあまり。

話が難しいし、ドラマチックな雰囲気を感じなかったし。

でも、今、読み返してみると引き込まれてその世界に埋没してしまいます。

あの頃、大人だった人にとって「ポーの一族」とはどんな作品だったんでしょうね。

私が持っているのは愛蔵版です。

順次、ご紹介していくつもりです。

 


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