みなさん、盛り上がっていますね。
少女漫画がつなげる「友達の輪」という所でしょうか。
今回はまずは山岸涼子いきまーーす。
山岸涼子の初期の作品といえば「アラベスク」が有名ですが
その頃の絵って苦手であまり読んだ事はないのです。
後年、愛蔵版で色々読み進めてすっかりファンになり、揃えました。
それは後々ご紹介するとして。
「妖精王」(昭和52年 花とゆめ)
登場人物・・・爵 (ジャック)
風野林 (クーフーリン)
プック
クイーン・マブ
ストーリー・・・北海道に転地療養に来たジャックは、そこで妖精の世界に
引き込まれ、妖精王としてエゾジカのプックと一緒に冒険の
旅を始める。
日本とイギリスの妖精神話が混在する、温かでわくわくする妖精王の物語。
今回読み直して思ったのは、主人公のジャックとプックの語らいがなんとも
愛しいって事です
10代の頃に読んだ時のプックはただうるさくていい気な奴程度の認識でしたが
親になった今、息子のように可愛いです。
クーフーリンのかっこよさは格別っ
クイーン・マブの恐ろしさ。そうそう、宝塚の「ロミジュリ」を見た時
「マブの女王」というタイトルがあって・・・すぐに「妖精王」を思い出した私。
マブの女王、ニンフィディア、エルフ、コボルト、ヒッポテス等々
知っているような知らないような名前が数々出てきて非常に勉強になります。
次は「河あきら」です。小さい頃、河さんの描く自画像を見て、男なの?女の?って
不思議に思いましたが・・・女性でした。
男か女かと迷ったのにはその作風もあったと思います。
少女漫画らしくないというか。
「故国の歌は聞こえない」に代表されるハードボイルド系を描くかと思えば
「いらかの波」のような作品も描く・・・表裏がはっきりしている印象です。
私はどちらかというとほのぼの河あきら作品が好きですが。
「わすれな草」(昭和50年 別マ)
登場人物・・・上原緋沙 (表紙左)
永沢護 (表紙右)
北村佑介
ストーリー・・・「わすれな草」の花言葉は「私を忘れないで」
小さい頃に生き別れになった兄、護はずっと妹、緋沙を思っていた。
偶然の再会、しかし、緋沙は父親に虐待されている。
そんな緋沙が御曹司の佑介と恋に落ちる。何とか成就させようと
護は妹守る為に犯罪を・・・・
護にはなさぬ仲の母親がおり、その母子関係がラストで大きく変わり
感動の涙を流します。
今の生活を受け入れる事が出来ず、過去の妹にこだわりをみせる護。
妹を思い出す事が唯一のアイデンティティであるという事ですね。
妹の為に人を刺す兄がいれば、娘の為に身を隠す父もいる。
なさぬ仲の息子を愛する母がいて・・・という沢山の愛の物語がここにはあります。
西谷祥子作品はこれ一冊きりです。
わりと大人っぽい作品を描く人で、この人の漫画はマニアの間では
高額になっています。
別冊マーガレットに掲載されてから何度も読んでついにコミックスにまで
手が出ちゃったという代物です。
「オリンポスは笑う」(昭和49年 別マ)
登場人物・・・リーリ(表紙左)
ユーリアス (表紙右)
ストーリー・・・人間なのに神々より美しいユーリアス。でも彼がもっとも愛しているのは
妹のリーリ。
ある日、月の女神アルテミスに見初められたユーリアスはそのまま
天界に連れ去られてしまう。
リーリは兄の行方を追ってオリンポス山の神殿に。
そこでビーナスの息子であるエロスとマンテーロス兄弟に言い寄られ
実はエロスの愛の矢がアルテミスを恋に導き、ユーリアスがリーリに
恋心を抱くように導き、太陽の神、アポロまでリーリのとりこになり・・
やがて意外な事実がわかる。
当時、10歳くらいの私は天文クラブに入って、プラネタリウムに行ったり
星座の勉強をしたりしたのですが、星の動きよりも神話の方に興味を
持ちまして
この作品でギリシャ神話の神々の名前を憶え、図書室で「ギリシャ・ローマ神話」
という本を借りて読んでおりました
6年生の学芸会では「人間の火」というプロメテウスの火の話が演じられ
初恋の彼がアポロをやるので、ぜひぜひ主役クラスになりたいと立候補したのに
私に回ってきたのは飲み物を運ぶだけの侍女の役・・・・・
一晩泣きあかし (本当に泣いたんですっ そりゃあ私は美人でもないし
頭もよくないし、大学教授を親に持っているわけでもない。
彼のようなイケメンで秀才の傍には近寄れないけど舞台の
上では・・せめて舞台の上なら対等でいられると思ったんです)
その悔しさがやがて「ガラスの仮面」をして演劇部への熱に変わり・・・中学では
演劇部にっ という流れになったんですが。
だから私はこの作品を読むと、ほろ苦く片思いで終わった小学校時代の
初恋を思い出し、誰かを好きでたまらない気持ちを思い出すのです。