かわりどころで。
今回は「くらもちふさこ」です。
くらもちさんといえば「いつもポケットのショパン」でしょうか。
でもその作品のずーーっと昔から描いていた方です。
美内すずえや和田慎二や三原順がどこか非現実的な世界を描き、
河あきらがさっぱり路線、市川ジュンが上品路線を突っ走っていた頃
いわゆる「普通」路線を貫いた人・・・というイメージが。
彼女は学園物や、普通のコンプレックス持ちの女の子を主人公にする事が多く、
まさにこれぞ「少女漫画」って感じですよね
槇村さとるなんかもこの系統かな。
ちなみに「はみだしっ子」に出てくるフーちゃんはくらもちさんがモデルです。
「白いアイドル」(昭和50年 別マ)
登場人物・・・澄川純一 (表紙右)
笑 (表紙左)
ストーリー・・・高校の同級生だった純一と笑は友達同士。
しかしある日、純一は高校を去り、アイドルとしてデビューした。
心ならずも「歌手」になった純一は回りに心を開く事が出来ない「笑わないアイドル」
心配した笑が彼に近づき、やがてお忍びのデート。
しかし、その事が純一の取り巻きに見つかってしまい、笑はリンチに。
一言でいうと「アイドルとお友達から恋人になっていく過程がいいわーー憧れちゃう」
って感じです。女の子なら誰だって一度は思いません?
隣の席のあのかっこいい男子がアイドルになって、白馬の王子様のごとく
私を迎えに来てくれたら・・・・・ って。
そんな願いを叶えてくれる作品。
なんせ、ジュンはかっこいいし、男らしいし。特にラストシーンは もうね・・きゃあ
「青いリサイタル」(昭和50年 別マ)
ストーリー・・・・「白いアイドル」の続編です。
堂々と交際宣言したはいいけど、嫉妬に狂うファンのおかげで生傷の絶えない笑。
純一のコンサートでもファンの心無い行為がスキャンダルを呼び、純一は
一時的にイギリスへ行く事に。
その見送りの為、空港へ行った笑は・・・・・
今やアイドルが出来ちゃった結婚する時代ですし、堂々と交際宣言しても
「ふーん、よかったね」で終わる時代ですが、あの当時、つまり昭和50年代。
そう、新御三家やたのきんがアイドルだった頃は、「恋愛」の「れ」の字もご法度
噂が出ただけで一大スキャンダルっ ってな時代で。
澄川純一、今ならさしずめ還暦前のおじさまかあ。実力派俳優とかになってたりしてね。
で、初恋を貫いて結婚とか?
そんな幸せを夢に見る漫画です。
「クローバーの国の王子様」(昭和49年 別マ)
登場人物・・・マリ(表紙)
ケイ
ストーリー・・・ケイはちっともハンサムじゃないけど優しい男の子でマリの事が大好き。
でもマリはハンサムな彼氏が欲しいーーと恋に恋する乙女。
ケイがプレゼントしてくれた四葉のクローバーをぽいっと投げ捨ててしまい。
そしてマリはいつしかクローバーの国に紛れ込んでいた。
そこにはケイそっくりの王子様と可愛い妖精たち。
でもマリは回りに立つ鎧の騎士たちからケイが実はとてもハンサムな青年だった事を
聞き、もう一度、彼をハンサムにしてと彼の口から「ハート」を取り出してしまう。
まさにメルヘンチックで大好きなお話ですが、いわゆる定番ですね。
「人間のよさというのは顔じゃなくて心ですよ」という教訓があふれているもので
小学生にでも読ませたい感じ。
わかっちゃいるのよ。彼氏は顔より心だって。
でも、それでもハンサムならなおいいよなーーと考えるのが女の子なのよね。
何度も読み返して「それでもハンサムなら・・・」と思っていた自分を思い出します。
「ジュンのほほえみ」(昭和49年 別マ)
登場人物・・・ジュン(表紙真ん中)
山本さん(表紙左)
ストーリー・・・山本さんは非常に引っ込み思案で人と話す事が超苦手。
ほぼ一日中誰とも口を聞かず、笑いもしないので回りから浮いている。
一方のジュンは明るくて社交的で人気者。
彼のようになれたらいいな・・・と思いつつ、結果的に何もできない山本さん。
でも、彼に勇気を貰い、思い切って告白したけど彼は転校・・・・
私も決して社交的だったとは言えないけど、一日中黙り込んでいたり、人と話すだけで
ドキドキしたりという経験はなかったので、正直、山本さんの気持ちがよくわからず。
でも、ジュンみたいに明るくて人気者男子に「気にされたい」と思った事はあります。
男女共学だったのは中学まで。高校は女子校で男子と縁がなく、大学はゼミが全員男子
だったのに、彼らは2年間一言も口をきいてくれず。
なーんか避けられちゃって 話しかけるとうろたえるっていうか?みんな山本さん状態?
面倒なので話すのをやめて。つまんない4年間を送りましたけどね。