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Channel: ふぶきの部屋
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3・11を思い出す

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あの日。

ジュニアは昼前にカレーを作ってバイトに行きました。

入れ違いに姫が学校から帰って来ました。

私はずっと寝ていました。

姫が宝塚のビデオを見ながらお昼を食べていた時、地震は起きました。

最初は小さかったのですぐに終わるかと思ったんですが

なかなか終わらず、一瞬、宮城県沖地震を思い出して

「これは来るかも」と思ったら、どんどん地震が強くなっていきます。

テレビの向こうではアナウンサーが必死に

「慌てないで下さい。机のしたなどに身を隠して下さい。泣いている赤ちゃんが

いただ抱きしめて下さい」と言い続けていました。

気の遠くなる程強い地震・・・こんなに長いなんて。

姫と私は互いに「ほら、クッションを頭に」と言い続けてなぜか譲り合っていました。

私はパニックになり、「姫ちゃんーー早く隠れて」と言い、姫は冷静に

「そういうママこそ。ママ、早く机の下にっ!」と叫んでいました。

やっと終わったと思ったらまた揺れ始めます。

何度も何度も・・・・・地震大嫌いな私はパニック状態で

「ジュニアは?ヨンジュナは?ダディは?」といい、姫は

「お兄ちゃんはバイト先、ヨンジュナは保育所、ダディは会社」と答えました。

テレビの向こうではヘルメットをかぶったアナウンサーが

「ただ今、大きな地震が・・・」と言ってる最中にまた揺れるので必死にヘルメットに

手をあてながら放送。

フジテレビ裏で火災発生とか、仙台の広瀬川付近で土砂崩れとか・・・

ああ、そんなものかと思ったら、とんでもありませんでした。

津波って・・・・サーフィンの波のように来るのかと思っていたんです。

でも実際にテレビに映し出された映像は、下から水が湧き上がってくる感じ。

とてもさりげなくてあっという間の出来事でした。

「まだ人が歩いている」

「消防車が立ち往生してる」

それらがどうなったのか・・・・わかりません。

 

あまりに揺れがひどいので私達は外に出ました。

ひどく寒くて10分が限度でした。

雪が降りそうな程寒かった。隣のスーパーは電源が落ちたらしくしまっています。

コンビニで電池を買いました。飲み物も。

随分タイミングがよくて、その次の日にショウウインドウには何も残っていませんでした。

 

関東では帰宅難民が発生。

テレビの向こうでは新宿駅に沢山の人が群がって、走らないバスや

タクシーを待ち続けている風景が。

そして歩き出す人も大勢。

旦那は帰って来ませんでした。

会社の中では、居酒屋に繰り出す上司たちがいたそうで「不謹慎」だと思ったそうです。

私と姫はヨンジュナをテーブルの下に寝かせ、30分おきにくる余震におびえつつ

さらにその度に郡山から来る電話に起こされ、ほとんど眠れませんでした。

旦那が帰って来たのは次の日の昼。

上野駅は人が一杯で、ホームに入るのも困難。

御徒町から山手線に乗ってとりあえずホームをくぐりぬけて入ったそうです。

ジュニアが帰って来たのは夕方です。

彼は地震直後にネットカフェに入り、翌日には銭湯に入って悠々と帰ってきました。

 

スーパーは乾物ばかり並び、それもいつもの倍の値段。

水もお茶も消えていました。

何だかどこぞの共産圏のスーパーみたいだ・・・と思いました。

それでも人は大量にインスタントラーメンを倍額で買っていくのでした。

私達の地域では浄水場から放射能が検出され・・・・という事でいきなりの水不足。

都内ではペットボトルが売られていたようですが、こちらではどこにもなくなり。

姫とジュニアが必死に買い出しに行きました。

赤ちゃんのミルク用の水を配給という話もあったようですが、行政の不手際が目立ちました。

暫く、携帯の緊急地震速報の音におびえ(ほぼトラウマになりました)

暗い駅、動かないエスカレーターに暗澹たる気持ちになりました。

 

あれだけの大きな地震があったというのに、会社は翌週からは通常通り。

ああ・・日本人って。と思いました。

郡山宮達が給水車で水を貰っている時メルトダウンしたらしいです。

二人とも「俺たちはもう歳だからいつ死んでもいいけどね」と言ってましたが

大丈夫。まだ生きてます。

仙台の友人達はみな無事でした。

私が住んでいた八木山は土が粘土質でひどく硬いのです。耕すのに不向き

植物も綺麗に咲かない・・・・その代わり、建物が崩れたりはしませんでした。

 

あれから4年。

今思えば、リビングに並べられている本棚から本が一冊も堕ちて来なかった事。

テレビが倒れなかった事が奇蹟のように思えます。

今も時が止まったままの方が多いでしょう。

でもそれでも人は生きていかなくてはならないんですよね・・・・・

 

 


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