今回は遠藤淑子です。
1985年、ギリギリ昭和のデビューではありますが
実際には平成の作家という事になるでしょうか。
「花とゆめ」でデビューしてます。
最初は絵が下手な作家だなあと思ってました。
「ハネムーンは西海岸へ」なんて絵が細かくて読みづらくて。
「退引町お騒がせ界隈」も面白そうだけど・・・・という感じ。
「兄貴」あたりからストーリー性が格段にうまくなってきましたね。
それ以来全作揃えています。
で、今回紹介するのは
「マダムとミスター」1993年ー1998年(白泉社)
左側がグラハム。右がグレイス。
グレイスは大金持ちのジョンストン氏とお金目当ての結婚をして遺産を手に入れ「マダム」に。
グラハムは執事。とはいっても実際にはジョンストン氏の養子で当主。
育ちが悪いグレイスと身も心も執事のグラハムが、面白くも温かいストーリーを
編み出します。
昨今、「執事」ばやりではありますが、日本人は・・・というか今時の女の子は
「執事」と「従僕」をごっちゃにしてます。
執事というのは屋敷の人事と経理、マネジメントを受け持つ人。
だけど、「メイちゃんの執事」やら「黒執事」では単なる有能な召使になってますよね。
グラハムは仕事に忠実で、マダムといえども容赦しません。そこが面白いです。
実は二人とも家庭の味を知らない者同士で、そういう所がほろっとさせるんですよね。
本物の「執事」もの、読んでみてほしいです。