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退位を望まない国民は不敬なのか 天皇制の意義を問う 2

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 高齢譲位の選択肢は設けるべきだ

①譲位が通例化した聖武以降は光格まで7割近い天皇が譲位している。
②譲位すれば光格以来200年ぶりというが、譲位を排除した帝国憲法制定前までの天皇は仁孝、孝明の2代だけで、47歳、36歳で急病死。
③皇統の不安定化や院政の心配は象徴天皇が定着した現代では考えにくい。

譲位は認められてしかるべきと考えます。

歴史上、譲位した天皇は北朝を除いても58方と半数近い。

神武天皇や欠史八代と呼ばれる神話の時代の天皇を含めてもです。

譲位が通例化した聖武天皇以降では7割近い天皇が生前に譲位しています。

明治の皇室典範が歴史を踏まえて定められたと強調する方もおられます。

しかし、皇室制度の成文法化(これ自体が新しいことでした)に大きな役割を果たした

岩倉具視や当時最高の法制家であった井上毅、柳原前光も譲位や太上天皇を想定して

典範原案をつくりました。

しかし、伊藤博文がかなり強引に終身在位を決めた経緯があるようです。

「神勅天皇」を戴いて日本の近代化を進めた明治の典憲体制は戦争で国内外に多大の

犠牲を生んで58年間で終わりました。

戦後、国民主権、象徴天皇、平和主義を柱とする日本国憲法は帝国憲法をはるかに超えて

施行から70年を迎えようとしています。

譲位により上皇や院政の弊害が生じるとか、恣意的、強制的な退位があり得るといった心配は考えにくいでしょう。

国民主権下でのコンパクトな象徴天皇制が定着し、高度な情報社会化が進んだ現代では考えにくい。

皇位継承候補者が数多くいて、院(上皇)を含め大勢の皇族・公家集団が、それぞれに荘園などの経済力を保持し、武力集団、寺社勢力との関係も絡んで権力闘争が起きやすかった時代のような不安定化は杞憂でしょう。

何しろ皇室が後継者不足に悩まれており、そちらが心配な現代では現実離れした心配のように

思います。

皇室のありようは、長い歴史と時代の推移にかんがみて、もう少し柔軟に考えてもいいのではないでしょうか。

 岩井氏がおっしゃりたい事は「現代では天皇の政治利用はないし、譲位を盾に

  政府を脅すこともない・・・という事なのでしょうが、現在の天皇の「譲位」志向そのものが

  安倍政権を脅している事になりませんか。

 終身在位は天皇と皇族を守る方法であったのではないかと思います。

  明治期の伊藤博文は明治天皇の意志を尊重し、多数の宮家を作り、皇族の範囲も

  狭めようとしたけどやっぱりあまり出来なくて・・・明治天皇こそが終身在位を望んだ

  から典範化したと言えるでしょう。

 譲位を認めて、でも今回に限っては今上がなぜ譲位したいか、今一つはっきりしません。

  天皇の公務とは国事行為のみであり、それは代行出来るものだからです。

  代行はいやだ、天皇でないとダメだ、じゃあ、ご自分は何をしたいのか。

  「上皇」になる事によってかえって行動範囲や思考の範囲を広げてより「強い気持ち」を

 もって強引に欲を通そうとするのではないかと思います。

 はっきりいって今の天皇制の中で「上皇」「太上天皇」はいらないですよね。必要なのは

  「皇太子」「皇太孫」ですとも。

  もし、どうしても譲位されるのであれば秋篠宮家にこそ地位と称号を。

 天皇=元号である事を考えると「高齢譲位」は認めるべきではないと思うのですが。

  それともこの際、元号を切り離し日本も西暦のみを使うべきと思うのでしょうか。

 摂政は不可

① 重患に陥った天皇の尊厳が傷つく。(大正天皇の例)
② 皇族摂政は聖徳太子、中大兄皇子、草壁皇子の3人だけで、昭和天皇まで1200年以上皆無。
③ 摂政は象徴ではない。活動も不完全になる。中途半端な立場で本人も周りも苦 労される。昭和天皇も苦労されたという。
④ 祭祀の核心部分も摂政はできない。とりわけ新嘗祭。
⑤ 機能停止した天皇と摂政の併立でも「象徴の二重性」の弊害がある。
⑥ 超高齢化社会で天皇・皇族もご長命の時代である(三笠宮100歳、香淳皇后97歳、高松宮妃92歳、昭和天皇87歳、秩父宮妃85歳)。摂政が長引けば室の機能不全が深刻化する恐れがある。

徳川義寛元侍従長と話していて、「摂政はダメなのよね」と断言されて驚いたことがあります。

尾張徳川家の末裔で、2・26事件直後から昭和天皇に50年以上仕えた側近中の側近です。

歴史上、藤原氏、五摂家などが政務を執る「人臣摂政」は大勢いましたが、「皇族摂政」は聖徳太子、中大兄皇子、草壁皇子の3方のみで途絶え、昭和天皇が大正天皇の摂政に立つまで1235年間一人もおられない。

祭祀ひとつとっても新嘗祭で摂政はお供えまでしかできず、穀霊とふふれる肝心の「神人共食」はできないと。摂政という中途半端な立場には色々と無理があって昭和天皇は苦労されたと言っておられました。

また、香淳皇后の陵に埋められた摂政宮の日記には「死にたい」とまで記されていたと聞いています。

現行の憲法・典範でも摂政は「象徴」ではありません。主に天皇の意思能力がほとんど失われたときに置かれるもので、機能を失った象徴と摂政宮が併存する状態が続くことになります。

それに、摂政を置くためには大正天皇の時のように容赦ない症状悪化の発表は避けられず、ご本人の人間としての尊厳に関わる事態となるのは崩御継承と同様です。

摂政は法的にも国事行為は代行できても天皇の公的行為は直ちにはできません。

伝統至上主義の立場からは「天皇は祈りを捧げておられるだけでいい」

「機能を失われてもご存在自体が重要」とのお考えもあるかもしれません。

しかし、超高齢化時代となって、天皇の伝統の中核とされている新嘗祭が不完全なまま長年経過すること、考慮に入れるべきではないでしょうか。天皇と摂政の「象徴の二重性」が出来することも考慮にいれるべきではないでしょうか。

もちろん天皇が幼少であったり、重大な急な疾患や事故で天皇の意思能力が急速に失われてしまった場合の緊急避難的なものはやむをえないと思います。

もちろん天皇が幼少であったり、重大な急な疾患や事故で天皇の意思能力が
急速に失われてしまった場合の緊急避難的なものはやむをえないと思います。

で、あれば正直、上皇とは何をする人なのでしょう。

  好きなだけ鑑賞公務や被災地や慰霊をする為だけに赤坂御用地に住むのですか。

  ただでさえ、全く国益を顧みない皇太子一家がいて日本人の倫理観がのきなみ

  崩されている所なのに、巨大な「人権」という武器を持った天皇一家に上皇夫妻など

  日本にとって必要なのでしょうか。


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