久しぶりに花組で、下級生がまるっきりわかんない
雪華抄
原田諒作。
非常に美しいショーでした。チョンパで始まる華やかなショーかと思いきや
華やかなのに静か。どうして?何で?と思いつつ。
上品といえば上品。
着物慣れしてない花組だなあという事はすぐにわかるんですけど、衣装は綺麗だし
ふすま絵も安土桃山時代風で素敵だし、様々な意味で楽しいショーでした。
場面としては「鷹と鷲」がわかりやすくてちょっと盛り上がり、それから波の華でより
どどどーーっと・・・いくひとはいくかも。
♪ まつしまーーのーー♪なんて本当に何十年ぶりに聞いたメロディで懐かしかったです。
安珍と清姫のシーンは期待したほどではなかったけど、花乃まりあは、おばけになってからの方が似合いますね。
ラストは再び春が来てという展開。こういうショーはぜひ外国に持って行ってほしいです。
日本物だけど群舞が多くてわかりやすいからです。
松本先生はいつまでもピンクが似合ってよろしいわねと思いました。
これでトップを始め、もうちょっと日本物慣れしているといいんですけど。
金色の砂漠
因果応報・諸業無常・・・・まるで平家物語のようなお話です。
親の因果が子に報い、復讐を果たしてみたものの、愛するがゆえにより頑なになる心はどうしようもなく。最後は自滅ですね。
毎日、あんなにきれいな奴隷がそばにいたら、姫じゃなくても恋に落ちるでしょう。
ただ、タルハーミネさんはプライドが高かった。3姉妹の長女だから余計にプライドが高くて奴隷ふぜいのギィが自分よりあれこれ出来るのがたまらなく嫌で、でも好きで。好きって言えないからわがまま言って相手を怒らせて、極端な行動に走らせるし自分も走る。
ああ、なんて面倒な二人。
でもギィがジャーみたいな性格だったら話は別だったろうと思います。でもそれじゃタルハーミネは惚れないんだなあと。
ドSとドSと戦いの愛。まさに♪憎しみは愛♪(BY彩吹真央)
今回は私、鳳月杏演じる王様のお妃になりたいと思いました。
王様の秘めた王妃に対する愛、これが透けて見えてとても魅力的だったんですよね。
ギィのような強引で激しい愛も他人事としてみれば好きだし、ジャーの尽くす愛も魅力的。まるでアンドレとオスカルですわ。
天真みちるの優しい愛も好きです。でも、私は王様の大人の愛に惹かれるなあ。
嫌よ嫌よも好きのうち・・・じゃないけど、本来、憎み通さないといけないのに恋してしまうという葛藤がいいんですよね。
さすが仙名彩世。淡々と語るその言葉に一々母としての愛が垣間見え。あこがれちゃうな。
柚香光の皇子様も見た目立派で、本当に立派で、これで声が裏返らなかったらもっとよかったのに。芹香斗亜はとってもお得な役でファンを増やしそう。
個人的には水美舞斗を何とかしてあげてよーーー あれじゃもったいないでしょっ
あんなにカッコイイんだよ?綺麗なのよ?実力もあると思う
人材の無駄遣いはやめて。
お気に入りは何といっても砂漠で二人が死んで、それから蘇ってのデュエットダンス。
二人で階段を数歩づつ上がって最後は手をとって昇天していく二人の微笑ましいこと。
やっぱり明日海りおの相手役として花乃まりあは適役だったんだなあと思います。
明日海がその事に気づくのはいつなんでしょうね。
多分この二人をみていると「はいからさんが通る」の伊集院少尉と紅緒さんを思い出すんです。
どうみたって美青年と美人じゃない女子カップルなんだけど、
「女は顔じゃない。性格が好きなんですよ」っていうのが見えて、だからきっと
「ミーマイ」の時にものすごくいいコンビに見えたんだろうと思います。
今回もまた、美人じゃないけど身分とプライドが異常に高いお姫様という設定が花乃にぴったりででもそれだけだと嫌な女になるのに、ちょっとした可愛げがいじらしくなるんですよね。
まあ、ヅカ生活は短かったけど外の世界へ行ったら意外と成功するのではないか?と思います。
明日海に関しては、顔は朝海ひかるに似ているのに押しの強さがないので、日本物のショーでは静かに見える。だから役柄として「青白い復讐心を燃やす男」とか「好きな女に跪きながら奪い取るチャンスを伺う男」というのが似合うんでしょう。
それだけに復讐を果たしてからのシーンはあまり魅力的じゃないのです。
それにしても上田久美子さんは本当にいい話を書くなあ。
学があるからこそ書ける話だし、さすが哲学を学んできただけある。セリフに教養がにじみ出てる感じだもんね。
1作に1回、一騎打ちシーンはお約束なのか?
ギィとジャーを無理やり兄弟にしたり、闘わせなくてもよかったような気がするけど、そこは見せ場が欲しかったんだろうと思うので。
でも私だったら王妃様はその場で自害させますね。
後から「王妃様は亡くなりました」と言われてもピンとこないんですよ。
なぜそうしなかったか。それは、多分に母の死にショックを受けてタルハーミネを妻にすると言えなくなってしまうからだったんじゃないかと。処理に困るシーンではありました。
母役の娘役が相手役になってしまう明日海りお。
心してかからないと仙名に越されてしまいますよーー