この「さよなら・・・」を書くにあたり、大空祐飛が出演した作品DVDを
連日、朝から晩まで見続けたら目が痛くて
私などはたかだか「CANCAN」からしか知らないけど、でも祐飛の20年は
本当に長かったんだなあって。
目が痛くなって頭痛もするけど、色々新発見もありましたし。
これを次はすずみんでやるのか・・・・・ 歳はとりたくないねえ。
私にとっての大空祐飛
♪ 夢に訪れたあの方はまるで王子様
白いペガサスに乗り 星空へ私を誘う ♪ (BY「NICE GUY」)
こんな気障な歌詞がそのまま似合う男役って今時いないです。
元々そういう素質は持っていた人ですけど、立派に開花してくれて。
「理想の男」になってくれて嬉しい
♪ 君の理想の男になって今迎えに行くよ ♪
どこまでも妄想が膨らみそうな歌詞ですが、これまたぴったり
よくぞここまで・・・・
その過程を振り返ってみようと思うんですが、大空祐飛のような男役は
今時珍しい。でも「最後の」伝統的な男役なんだろうなあと思います。
正義と悪 大人と子供 男と女 真逆の魅力を同時に持ってる稀有な存在
コスプレが似合うアニメ的な顔立ち
78期しんがり・・・残り物には大いに福があった!!
貴城けい → 夫にしたいタイプ
大空祐飛 → 父親にしたいタイプ
瀬奈じゅん → お友達でもちょっと理解出来ないかも
そんな感じでしょうか。
月組 新人公演時代
78期の苦労については貴城・瀬奈の所でかなり書いているので飛ばします。
職人的な人が多かったからなのか、上級生に阻まれた期だからなのか
大事にされているようでされてなかった期という印象があります。
私が宝塚を見始めた1996年当時、大空祐飛はまだ新人公演時代。
何も知らない私が月組を見て、真っ先に目を引いた新人さんは成瀬こうきと
大和悠河でした
「銀ちゃん」で樹里咲穂を発見し、「NON STOP」で水夏希に驚き・・・
あれ?じゃあ、大空祐飛の名前と顔はどこで覚えたの?
多分、友達とパンフレットをめくりながらおしゃべりしている時に芸名の読み方
の話題になり、「大空祐飛」っていやに壮大な名前だねーーとかいう話題になった
だけ? その頃の写真はまだ小さくて。でも目に特徴がある、不思議な顔立ちでした。
新人公演を見てないので何とも言えませんが、
新人公演時代の扱いは決して悪いとは言えなかったんじゃないかと。
3番手 → 2番手と確実にあがっている感じでした。
大和悠河が躍り出てくるまでは。そして霧矢大夢が組替えしてくるまでは?
いい一時をキープしても、新人公演主役はなかなかやらせてもらえず。
唯一の主役は「WSS」のトニーで大和とダブルキャスト。
この時点から、立ち位置が微妙なムードが漂い始めていたような?
久世星佳時代・・・樹里・成瀬・大和・水・嘉月絵理に押さえつけられていた印象。
派手な顔じゃないし、何が得意というわけでもなさそうな。でも妙に印象にだけ
残る人でした。
真琴つばさ時代・・・樹里と成瀬がいなくなっても霧矢大夢の登場で、圧倒的な
実力に太刀打ちできず。派手な大和と実力派霧矢、そこに上級生の汐美
真帆が入って来てますます路線から外れる印象。
最初に「大空祐飛ってすごい人なんじゃないか」と思ったのはスカステで
見た「十二夜」
これは大和悠河主演で大空はおじさんの役。
このおじさんが妙に明るくて伸び伸びして可愛いかったのよねーー
素に「5歳児」がいる・・というのが大空の大きな魅力の一つ。
でも私はキザな役が見たかったの。
「ノバ・ボサ・ノバ」・・・ボールソは貴城けいのイメージが強くて、なかなか+評価
出来なかったなあ。むしろオーロタイプでしょ。
「黒い瞳」・・・・コサックは非常に似合っていました。この頃からコスプレ専門?
「LUNA」・・・前座ボーイは似合ってませんでした。
何でこんなに似合わない役ばっかり。大空の個性とか魅力を歌劇団は
全くわかってないし、わかる気もないんだなあと、当時はイライラしていたかも。
紫吹淳・彩輝直時代
紫吹淳時代・・・汐美真帆とダブル主演した「血と砂」を見に行きました。汐美が
赤、大空が黒の会服でどどっと登場したファンクラブの人達に圧倒されたのを
覚えています
「血と砂」は今DVDで見てもつまらない作品です。大空演じるプルミタスは
お兄ちゃんに逆恨みして復讐する役だし。
でも、1幕最初では可愛い弟だったプルミタスが次第に悪役へと変身を遂げ
兄の妻(?)を誘惑するシーンに至ってはぞくぞくっとして
「大空祐飛・・これだよこれっ」と心の中で拍手した記憶があります。
これなら十分トップ路線に入るっ!トップになれ!と思ったけど
何だかそれっきり?
「ガイズアンドドールズ」・・・ナイスリーナイスリーなんて一番
大空で見たくない役。
すでに下にはスーパー優等生の北翔海莉が・・・
「長い春の果てに」・・・何で女役?しかも大和・汐美・霧矢・湖月・汐風と
絶望的な布陣。フローレンスという役は結構にあってて
可愛かったけど。
「薔薇の封印」・・・霧矢と大空という対照的な二人は見るぶんには
面白かったけど、本人にとっては危機感バリバリだったかも。
ルイ14世のヘタレ弟は中途半端だったけど、ナチス時代の
ユダヤ人は素敵でした。でもとにかく霧矢大夢様に押されて
いたし、小霧矢・北翔の躍進も大きくて・・・迷いの中に入った
印象。
彩輝直時代・・・・きっと焦ったんじゃないかなあ。
「飛鳥夕映え」・・・貴城けい・瀬奈じゅん等、ひたすら派手で個性が強い同期に
囲まれると遠慮?してた?
「エリザベート」・・・この頃はコスチュームでしかも王室物が全く似合わず。
焦ってた・・・と書きましたが、路線外の割には扱いがよく、そうかといって
路線でもなくというファンにはイライラ。でもそうでない人からすれば
「いい扱いじゃないか」と見えていたんじゃないかと。
(彩吹真央などに比べたらずーーっとまし。上げて落とされた遼河はるひと
比べるとかなりまし)
「ベルばら」のオスカルで特出したり、とにかく完璧に外されたわけではなく
それはやっぱり「大空祐飛」というキャラクターは見捨てられないという
何かがあったんじゃないかと。
その後も延々と月組にいたわけだし。同期がどんどんトップになって
退団していく中で、自分の方向性を見定める時代に入ったわけです。
瀬奈じゅん時代・・・同期がトップになったた時点で完璧に
「路線外に落ちた」と思った時代でした。
同期を支える立場になって伸び伸びやるのかと思いきや
そうでもなく、ひたすら霧矢に期を遣い、瀬奈に気を遣いに見えたけど。
でもここで転機となる作品に出逢います。
それは「THE LAST PARTY」フィッツジェラルドの最後の一日」
私は大和版と大空版と両方見ました。
ストーリー的には暗くてイマイチ好きになれなかったけど、大和は大人の魅力を
出した作品として分岐点になったなあと思いました。
上級生の大空が大和と同じ役を同等に出来るのかしら?見た目、やっぱり大和の
方が?とか、心配になりながら見てましたが、私が特に魅力を感じたのは
「父親」になってからのシーン。
多分、大空が持っている「父性的な魅力」がここで開花し始めたのだと思います。
孤独や陰が似合う男役ではありますが、それだけだと沈み込んでしまう大空。
でもそこに父性的な包容力と優しさが加わると最強になるんですね。
「パリの空よりも高く」・・・瀬奈時代は作品に恵まれなかったというが
一番ですが、常に敵役は霧矢で大空の役回りは「その他大勢の筆頭」という
感じでしょうか。
この「パリの・・・」は珍しく瀬奈と大空ががっちり組む作品でした。同期同士
ならではの丁々発止のやりとりはあったけど、親密さはどうだったかなあと。
大空が年下の役というのも似合わなかったし(可愛かったけど)
「MAHOROBA」・・・コスプレは大空に任せてっ!というくらい
誰よりも衣装と髪型がきまってました。技術的には霧矢に叶わないけど
大空のおかげでショーに神秘性が出たような気がします。
「マジシャンの憂鬱」・・・またまたおちゃらけた役でがっくり。
この頃の大空祐飛を見ると、傍目には全く焦っているとは思えず、
「3番手にしてはおいしい立ち位置」をキープしてたような気がします。
このまま組長路線か?いやーーでもまるっきり外すのは勿体無い。
何か一つ「これぞ大空祐飛」という作品に恵まれれば、ものすごく実力を
発揮するのに・・・と思っていた時代。
スターを作り出すのは作品です。
大空の足踏みの原因は、一つは瀬奈じゅんが最終的に月組の中で孤立する
形になって回りを「元花組」で固めてしまったこと。
そして瀬奈じゅん主演の作品に恵まれなかったことですね。
大空自身は「LAST PARTY」と「HOLLIWOOD LOVER」で一定の
方向性は見えてきたような気がしますが、本公演でそれをやらせるわけには
いかなかったんだろうと思います。
それは霧矢とのカラーの違いでしょうか
劇団は霧矢を選んだという事。
だからって、花組に組替えになるとは・・・・・