前回の記事について、我が家の姫ちゃんの意見です。
「演出の事はよくわからないけど駄作の時は大体がトップコンビがラブラブに見えない時だと思う。上田久美子先生、小柳先生、小池先生の作品には「愛」があると思う。いかにトップコンビがお互いを思っているかが大事だと思う。
私にとっては宝塚はリアル少女マンガだから」
ふーん。なるほどねえ リアル少女漫画かあ。
つまりね。
「邪馬台国の風もみりおと仙名彩世がもっとラブラブだったら面白い部分があったと思う」んだそうです。
さて。
絶対にお客が入る演出家ですよね。
小池修一郎1本物・・・・稼働率98%
御歳62歳の小池先生。
日本演劇界の奇才として重要な立場にいらっしゃいます。
1996年「エリザベート」の潤色で一躍世界に躍り出て、今やその道の天才。
小池作品1本物であればとにかく人が入ります。稼働率98%!!保証。
過去には
「エリザベート」(1996年以降再演の度にチケット難)
「薔薇の封印」
「NEVERSAY GOODBYE GOODBYE」
「スカーレット・ピンパーネル」
「太王四神記」
「カサブランカ」
「ロミオとジュリエット」
「オーシャンズ11」
「1789」
とまあ、どれも大作ぞろい。直近だと「ALL FOR ONE」がありますね。
今や「小池先生の演出」といえばお客が入る。ほぼ100%間違いなし。
とはいえ、客は入ったけど内容はイマイチ・・というのもあり、そのいい例が
「薔薇の封印」「銀河英雄伝説」「るろうに剣心」「ナポレオン」ですかね。
「薔薇の封印」は「ポーの一族」にインスパイアされた作品ですが、かなり退屈だったし、「銀河英雄伝説」はポスターだけーー「るろうに剣心」はビジュアルだけーーな内容。
それでも確率としてはかなり高いです。
駄目なのが原作付きのオリジナルって所がミソで、そういう意味では「ALL FOR ONE」はリスクが高かったかなっと。
小池氏のよい所は舞台の使い方が上手という事で、ほとんど場面転換を意識せず、テレビを見るがごとく自然に流れていくところでしょうか。
さらに、「エリザベート」以降、大作の1幕終わりと2幕終わりの盛り上げ方がわかってきたらしく、ぜーんぶそれ一色。要するに「スカピン風」ですね。
でも1幕終わりから30分休憩の後に2幕がその続きとして始まるパターンは、本来あまりいい事ではないらしく、小池先生だから許される芸当なんでしょう。
「薔薇の封印」から多用し始めたレーザー光線とか映像の数々。フレッツ光を味方に取り込んで今や怖いものなしですわ。
「エリザベート」の演出で最も好きなのは1997年星組バージョンでしょうか。
「ロミジュリ」は適材適所という意味では星組梅田がよかったし、演出もそうだと思います。同じように演出していながらあらが目立ったのは2011年雪組版です。
「スカピン」に関しては断然2017年星組版の演出の方がよく出来ていると思います。
駄目だった方の原因はまさに我が家の姫がいう所の「ラブラブ感」が足りなかったって所かなあ。全編通して説明に終始したり、歌でごまかしたりというのもありましたしね。
小池修一郎×〇〇・・・稼働率85%
1本物では最強の小池先生も1時間半の作品では結構リスク高いです。
「PUCK」(1992年)はヒット作だったそうですが、それは涼風真世というキャラクターありきの作品だったからですよね。
「カサノヴァ・夢のかたみ」(1994年)
「JFK」(1995年)
「失われた楽園」(1997年)
「タンゴ・アルゼンティーノ」(1999年」
「LUNA」(2000年)
「カステルミラージュ」(2001年)
「アデューマルセイユ」(2007年)
何となくぱっとしない印象が・・・個人的には「LUNA」が一番面白かったと思いますし、併演のショー「BLUE MOON BLUE」も斎藤吉正のデビュー作でよい作品でした。
とはいえ専門家には結構酷評された記憶があります。日替わりのアドリブ目当てに通っていた自分にとってはお手軽すぎるラストシーンなんかどうでもよかったのかなあと。
「失われた楽園」は愛華みれにとっては出世作の一つになり、彼女の魅力をいかんなく発揮出来た出来だったと思います。でもこれは芝居が・・・というより草野旦のショー「サザンクロス・レビュー」が最高に面白かったから稼働率がよかったんだろうと思います。
正直「カステルミラージュ」を見た時は「小池先生・・・終わった」と思ったくらいですからねえ(しみじみ)
たとえ、それがさよなら公演であっても、ショー作家が誰でどんな作品をぶつけてくるかでかなり違うと思います。