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ベルリン、わが愛・BOuquet de TAKARAUKA

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 まだまー様ロスから抜け出せずにいますけど・・・いやしかし、「琥珀色の雨に濡れて」DVDが届いたからちょっと心が癒され?

でもまー様とだいもんじゃ役割が違うんだってば

 ベルリン、わが愛 

よくわからないけど何となく面白かったという人は多いのではないでしょうか?

とりあえずラブシーンはあるし、映像と舞台のコラボだしという感じで?

でもそうは問屋が卸さないんです。

やっぱり原田諒には厳しくいかなくちゃいけません。

 ストーリーがだらだらしてる

危機に瀕した会社からテオが監督になり物語を作り出すまでが長いです。

ここはもっとすっきりと話をまとめてさっさとストーリーを進めるべきでした。

あっちこっちに登場人物を配したせいで本当にだらだらと理屈っぽく山場のない物語になりました。

また、テオとジルの長い会話は不要で、動きのある展開にした方がよかったと思います。17場というのは多すぎます。ここは10場くらいに納めるべき。

 人間関係が希薄

退団者に花を持たせ、専科に花を持たせ、主役を光らせ・・というのは結構大変なことだとは思うのですが、それが出来なければ宝塚の座付き作家ではないんです。

主役が登場する時もあまりにさりげなくというのは宝塚的ではありませんし。

ジョセフィン・ベーカーが歌って踊って断って終わり。

あとは延々とテオとケストナーの話が続いたかと思えば、今度はジルとテオの長―いシーンがいつまでも続き、やっとゲッペルス登場と思ったら・・え?これだけ?みたいな。相互的に人間関係に線を引く事が出来ない、それぞれの場面が独立している。これは非常に問題ありと思いました。

テオを通しての人間関係だけではセリフが繋がらないでしょうしね。

 当時の思想は

ここが一番問題なんです。

私達は歴史として「ナチスドイツはひどい」「ジョセフィン・ベーカーは黒人差別を受けていた」「ユダヤ人迫害がひどかった」と知っていますが、ドイツのベルリンに住んでいるドイツ人の気持ちになって考えてみた事はあるでしょうか?

1027年。この頃、ナチ党はまだ第一党になっておらず親衛隊は1925年に作られたものの、勢力を拡大していくのは1929年すぎてからの事。

そもそも何でヒトラーが政権を取ったかわかりますか?国民から支持されたからです。戦争に負け不況にあえいでいたドイツ国民を鼓舞し、明るい未来の夢を見せたのがヒトラーで、だからこの頃はまだそれ程嫌われ者だったとは思いません。

映画人がこぞってナチス嫌いに描かれていますが、実際そうだったとは言えないのではありませんか?21世紀に生きる日本人からみたらそういう見方になるけど、当時のドイツ人にとってナチスはある意味、希望であったともいえるのです。

またジョセフィン・ベーカーが「映画に出る事は出来ない」と断るシーンも、黒人差別が怖かったら舞台にだって立てないし、そもそも女優を続けていけないでしょう。

彼女は黒人として誇りを持って生きていた筈なので映画出演を断るなどという事はなかったと思います。

ゲッペルスにしても、駆け出し女優を自分のものにするよりも強力なパトロンになる方がたやすかったわけで。

そんな風に当時の思想で考えられないのが原田諒最大の欠点ではないかと。

大体、親衛隊に追いかけられてあっさりとベルリンを脱出できると思ってるの?あんなに長々と別れを言っていたら捕まっちゃうよ・・・とひとしきり。

 それでもあの登場人物で物語を紡がなければならなかったとしたら

もし私が脚本家なら

 会社が潰れてゲッペルスが後援する所から話を始める

 ゲッペルスに気に入られたテオとケスナーは初めてのトーキー制作に意欲を燃やすが、無声映画に誇りを持つカウフマンとライマン達とことごとく対立。

 無声映画のヒロインを務められなかったジルはテオと出会い、恋に落ちるが一方でゲッペルスとも関係が。ゲッペルスVSテオの図式。

 「忘れじの恋」成功を妬むフーゲンベルクとレーニが嫌がらせをしてジルの出自をばらし、ゲッペルスはジルを迫害せざる得を得ない立場に。

 あくまでベルリンでの映画製作に拘るテオともはや時代が自分の手に負えない事をしるゲッペルス。愛するがゆえにジルをどうしたらいいかわからず・・・

 結果的にテオとジルは亡命。

 なぜベルリンなのか・・・という色を出す為にはどうしたらいいかをひたすら考えます。やがてテオとジルはアメリカで映画を製作し、故郷を偲ぶものに。

…という方が面白くありませんか?

 天寿光希万歳

いやーー驚きました。この所役に恵まれないというか、端っこに追いやられている感があった天寿光希に見せ場があるとは!

この芝居で最も得をしたのは天寿光希です。「ロシアン・ブルー」の緒月遠麻のようなメイバイブレイヤーに成長。だらだらした芝居の中で活舌がよく、演技がうまいライマンのセリフに泣かされました。

壱城あずさ退団だから?この扱い?なんせ紅5だし?いや、でも天寿光希のようなジェンヌは絶対に必要。

「かもめ」以来の名演を見る事が出来て幸せでした。

 

原田諒に関しては「アル・カポネ」で少し見直した部分があったのに、大劇場作品ではぐだぐだをやり続けるのね・・・という感じです。上田久美子風センスは皆無に等しいのはわかったけど、理屈っぽいセリフを羅列するんじゃなくて、観客の心に残るセリフを書いて下さいよ。

紅ゆずるもやったら笑う演技ばっかりしないで、もう少し細かな心情表現を心がけましょう。

 

 Bouquet de TAKARAZUKA

久しぶりに見た王道のレビューでした

聞いた事のある曲ばかりでなじみがあったし、衣装もこれでもかっという程美しく綺麗でうっとり感満載です。

やっぱりベテランの先生らしく、色の調和に優れ、尚且つ列の美しさに拘った作品であったと思います。

今回は退団者を大事にした結果、なかなか序列通りにいかなかったけど、こういうショーが好きです。

12場の「赤い薔薇」における綺咲愛里は二人の男に言い寄られ、強くて色気のある女性に変身しました。その後の紅の嘆きの歌が面白くて。

また16場「我が心の故郷」は衣装も音楽も共に美しく、退団者に涙を誘われましたし、「花夢幻」もかなり盛り上がってドキドキしました。

階段降りで壱城と天寿が真ん中降りした時は驚きましたけど、これも最後かと。

実力派に幸あれと祈るばかりです。

そして最近気になり始めた極慎君、さりげなくあっちこっちにいて嬉しかったです。

 

 


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