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初心者の為の宝塚講座 21

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 上田久美子 → 宝塚に救世主現る!

2006年宝塚歌劇団入団。京都大学文学部卒業

直近は月組「BADDY(バッディ) -悪党(ヤツ)は月からやって来る-』(2018)

上田久美子のデビューは衝撃的でした。

2013年月組「月雲の皇子」でバウデビュー。当初これはバウのみでの上演だったのに好評すぎて天王洲銀河劇場で再演。

2014年、宙組「翼ある人々」で鶴屋南北戯曲賞の最終候補に残る。何で鶴屋南北?って思ってしまいますけどね。はっきりしって、「翼ある人々」はとてもよい作品です。シューマン・ブラームス・クララの3各関係を微妙なタッチで描く。1幕最後など衝撃的で幕が下がってからも席から立てなくなる程です。

2幕目はもの悲しさとブラームスの子供時代の終わりのような切なさを感じました。恐るべし上田久美子です。

2015年雪組「星逢一夜」で大劇場デビュー。

読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞。この作品は冒頭のセットと言い、演出と言い、とても斬新で面白い作品でした。でもこれも三角関係で、上田久美子は三角関係が大好きみたいですよね。

2016年花組「黄金の砂漠」は一人の姫に一人の男性奴隷がくっついて世話をするという何とも荒唐無稽な設定。奴隷だとばかり思っていた主人公が実は王子で、復讐の為に姫の父親を殺してしまう。そして念願の姫を手に入れるも、二人で砂漠に消えるという悲劇です。二人以外の登場人物がわりとさらりと描かれているので上田っぽくない部分もあるんだけど相当削ったらしいですね。

2017年宙組「神々の土地~ロマノフたちの黄昏」は傑作でした。オープニングからラストに至るまで劇場空間の使い方、大階段の使い方、全てにおいて秀逸でした。上田久美子は頭の中にセットを浮かべているんでしょうね。

2018年月組「BADDY(バッディ) -悪党(ヤツ)は月からやって来る」でショーデビュー。「自分が頑張らないと次に続く女性ショー作家が出ないかも」といささか気負って作ったのがこのショー。

それでも今までだれもやらなかったような展開でショーを作り上げ

素晴らしい出来栄えでした。

まさに天才現る!上田久美子が宝塚を救う!

出来れば彼女が疲弊してしまわないように適度な時間をあけて作品を作り続けて欲しいと思っています。

 

 野口幸作 → 見た目は男中身は女?

2006年宝塚歌劇団入団 

直近は雪組「SUPER VOYAGER」(2018)

2015年月組「AーEN」でバウデビュー

2016年星組「THE ENTRTENER」で大劇場デビュー

2018年雪組「SUPER VOYAGER」

こちらもとんとん拍子によい作品を輩出しているといえるのですが、保身に回るのが早いのではないかと思うんです。

はっきりいって、「THE ENTERTENER」と「SUPER VOYAGER」の構成はほとんど同じ、使う曲だけがちょっと違うという感じなんですね。

我が家の姫は月組の「AーEN」をスカステで見てすっかり野口ファンになってしまったんですね。それというのも「A-EN」のアーサーバージョンでは女の子が大好きな壁ドンに腕くいっに顎くいっ、さらにいうなら眼鏡をとって「今日から眼鏡なしね」だの「泣き虫プリンセス」だの、そりゃあキュンキュン言っておりまして。

アリバージョンでは後半の「花詩集」のピルエットに二人で感動し、これぞ正当な「花詩集」と思って見たり。それにラストのワシのダンスもすごくて。

だから「野口先生ってもしかして女の子のハートを持っているんじゃないかしら?」っていうから「何で?」って聞いたら「だってショーに花言葉を入れるん何て女の子じゃないと思いつかないでしょ」

え?花言葉・・・・「ブルーローズ 花言葉は DREAM COME TRUE 夢はかなう」

「まつゆきそう花言葉は希望」

あーーー言われてみれば。そ・そ・それに「壁ドンドンドン」とかいやはや。

見かけは男心は女野口幸作は頑張る?みたいな?

でもやっぱりワンパターンに陥るのが早すぎる。もうちょっと冒険しようよ。

キュンキュンが好きなら少女漫画、それも昭和40年代から読み進めて極めないとね。

さて、宝塚には以下2名の新人がいます。

 樫畑亜依子 → 直近は月組「アルカディア」(2017)

この作品はストーリーは暗くてメリハリがなく、女の子が一度は考える「ダークな過去を持つ男の子」を主人公としたお話。

綺麗な言葉で飾っているけど早い話ミネットは男娼だし、ダリアもまたそれまがいの立場ですよね。それがたまたまダンサーの息子だったという事で実の親と再会し・・みたいなちょい支離滅裂。

だけど、暁千星の今しか出せない色気に助けられた作品ではあります。普通の男性でいえば思春期の男役である暁千星の瑞々しい男っぽさが際立っただけで、脚本がよかったわけではないと思います。

推敲していけるか、それとも胸キュン路線に行くのか今一つわかりません。

 谷貴矢 → 直近は雪組「義経妖狐夢幻桜(よしつねようこむげんざくら)』(2018)


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