花組 2006年
エリック・・・春野寿美礼
クリスティーヌ・・・桜乃彩音
キャリエール・・・彩吹真央
シャンドン伯爵・・・真飛聖
カルロッタ・・・出雲彩
アラン・ショレ・・・夏美よう
若かりし頃のキャリエール・・・愛音羽麗
ベラドーヴァ・・・花咲りりか
小さいエリック・・・野々すみ花
春野寿美礼と桜乃彩音コンビのお披露目作品になったのが「ファントム」春野寿美礼はともかく桜乃彩音が大丈夫なのか?と色々心配されましたね。なんせ相手が花總まりでしたから。きっと衣装もしょぼいんだろうなあとかね。
また春野寿美礼は歌えるけどエリック向きなのか?という問題もありました。
オープニングは白い三日月に黒づくめのエリック
エリックの従者は身寄りのない子供達を引き取ったものとエリックが言う。
エリックはジョセフ・ブケーを偶然死なせてしまう
「メロディメロディ」のクリスティーヌの衣装はピンク、「パリの歌」の衣装は黄色。
キャリエールの語りの後のダンスではクリスティーヌが踊り、セリ下がっていくのが小さなエリックとベラドーヴァ
エリックを生け捕りにするのは鎖
ラストシーンでクリスティーヌは銀橋を渡ったあとにピアノを奏で、エリックを思い出して楽譜を抱きしめる
一言でいうと春野エリックは本物の音楽の先生みたいでちょっと怖いです。和央エリックが一目でクリスティーヌに恋をしたのに比べると、恋というより「興味を持った」程度。それが回を重ねる毎に愛情に変わっていったというような感じ。キャリエールはパリの歌のシーンでクリスティーヌの声を聴いた途端に、それがエリックの母親の声にそっくりと気づいて懐かしくてしょうがない。そういう彩吹真央の細かい演技が好きでした。
出雲綾のカルロッタはパワーアップしていますが、その原因は相手役が夏美ようで二人は元星組コンビ。真飛と合わせれば3人が元星組ということで、どこかで笑いをとらないといけないみたいな?そういうおかしさを感じました。
春野エリックは和央エリックに比べると孤独感がなく、むしろ甘やかされたおぼっちゃん風です。ああいう顔に生まれついたからひねくれたのか?自己愛の強いエリックです。
それにピタッとはまったのが「甘やかしの張本人」のキャリエール。そう、彩吹キャリエールはエリックが大事で大事でついつい言いなりになってしまい、結果があれだった・・・まさに息子がいなくなったら生きていけないタイプの父親です。
クリスティーヌは初々しくて、多分こちらが本来のクリスティーヌなんだろうなと思いました。
甘やかしの張本人。彩吹真央にとっては花組二番手から雪組にスライドする最後の作品。真飛聖が次期トップであることが確定していましたので、ファンとしては切なかったですね。
特筆すべきはシャンドン伯爵で真飛聖は元々コスチュームが似合いますが、本当に伯爵さまという感じで、しかもかっこよくて紳士です。
最終的に花組の「ファントム」はキャリエールに泣かされてしまった作品です。
DVDのみどころ
演技と歌で別人のようになる春野寿美礼
怪我をして瀕死の筈のエリックがすたすたと銀橋を渡り、にこにこ笑いながらしゃべる
カルロッタの機嫌をとるアラン・ショレの動きが面白すぎる
「クリスティーヌは僕のものだ」と言い募るエリックに真飛シャンドンは1回目は「ううん」と首を振り、2回目はさらに「絶対ダメっ」というように首を振る
これは好みだと思うのですが、やっぱり宙組の方が出来がよかったかもしれません。