私的にはちゃんと書いたつもりですよ。今回のファントム評。
だって気持ちがキャリエールに入っていたからエリックが自分の息子のように思えてしょうがなかったからそう書いただけなんです。
でもそれを読んだ姫ちゃんの怒ること怒ること。
「つまんないっ!楽しみにしてたのに、アーサーの事もしょうちゃんのことも何も書いてないじゃないっ!!つまんない!読む人の気持ち考えてない」
とまあ、親に向かって散々な言い草。だったら自分でブログ書けばいいじゃないの。
本当にこのところ、調子に乗ってるよねーー姫は。5年も働き続けると人間偉くなるのか?全く・・・・
ということで、今回は配役からみた評を書きます。
望海風斗・・・すでに完成形のエリックですが、東京に来てよりエゴ感が増したような気がします。それだけクリスティーヌへの執着が強くなったというか。一々クリスティーヌの声にうっとりしているので、あのまま地下の森にいてくれたら、クリスティーヌのお願いなら何だって聞いちゃうんじゃ・・・例えば「新しい衣装が欲しいわ」なんて言ったらすぐに用意してくれそう。それ程に望海風斗と真彩希帆の相性がよくなっているという感じですね。フィナーレ銀橋での抱擁も、あの望海の泣きそうな顔がたまらなく好きなんですけど、さらに真彩希帆に甘えているようで。
よいゴールデンコンビです・
真彩希帆・・・姫ちゃんはビストロの場面ではいつも泣きそうになります。クリスティーヌの唄声があまりに素晴らしいからです。今まで、この役を彼女程完璧に演じた人はいないでしょう。ファントムが現れてからの高音の伸びは大劇場よりよくなっているし、何より「私ってこんなに声が出るの?」って自分に驚きながら歌っている所が最高なんです。エリックに「顔を見せて」と歌うところも邪心がないというか、それだけに実際見て驚くのも仕方ないかなと。
フィナーレの赤いドレスはイマイチですけど、娘役の強さのようなものを感じました。雪に配属になった時は「大丈夫か?」と心配しましたけど今や立派なトップ娘役ですね。
彩風咲奈・・一緒に見た友人が「彩風咲奈のことを最初から最後までわからなかった」と言いまして。この人のキャリエールは本当に存在感がないというか、セリフは棒読みだし、指示されて動いているようだし。ダントンの時とは別人のようです。私が許せなかったのは、エリックにが「どうしてこの世に生まれて来たんだろう」と歌うシーンで全く未練も残さず背を向けて階段を上っていってしまう部分。息子がこのまま地下にいられなくなるっていうのに「彼らがいるだろう」ってそれはないよねーー(セリフだからしょうがないけど)
2幕目に関しても、エリックの態度が今までとは確実に違うことはわかった筈で、それを表情で表現しなくちゃいけなかった筈なんです。おろおろするとか、え?何で?って顔をするとか。そのどちらもないというのが残念です。
このまま二番手としてやっていけるのか?羽根しょえるのか?結局のところ、成長が見られないんですよね。
彩凪翔・・・まずアラン・ショレの彩凪は舞咲りんとの相性のよさで、非常に面白く演じて笑いをとっています。東京にきてカルロッタとラブラブ感が増して、こういう夫婦もありかな?と思う一方、あまり愚かさは感じません。彩凪翔のアラン・ショレならもう少しましに奥様を抑えられるんではないのか?と思ったり。
一方のシャンドン伯爵ですが、長身なので衣装がよく似合ってかっこいいです。しかし、貴族には見えないし、存在感もあるともいえない。シャンドン伯爵自体、あまり存在感のある役ではないのでしょうがないんですよね。
彩凪翔の学年を考えればシャンドン伯爵よりアラン・ショレで評価される方が先を考えるといいのでは?
朝美絢・・・元々小柄ですから、アラン・ショレを演じると鈴鹿照さんを思い出すなと思いつつ、全く自分に合わない役なのに体当たりでやってるなと感じます。奥さんのカルロッタもめちゃくちゃ上級生だし、それと同格に見せようとする努力は買いますし、それなりに面白くって嫌味ったらしいショレだったと思います。
じゃあ、シャンドン伯爵の方がよかったのか?と言われると、またそれは別で。
衣装は似合っているし、学年的にも妥当でしょう。だけどやっぱり貴族には見えない。たたき上げの実業家という感じですか。その割にはクリスティーヌの成功に喜ぶシーンは子供っぽいんですけどね。
私自身、誰のシャンドンを頭に入れて書いているかといえばそれは真飛聖です。
真飛のシャンドン伯爵は生まれながらの貴族で、どこまでも優しくてわがままエリックと対照的でした。
舞咲りん・・・常に怪演で舞台を沸かせる彼女の代表作がこのカルロッタでしょう。相手役が変わるごとに微妙に自分の演技やアドリブを変える頭のよさや、歌い方にパンチが効いてて飽きない。地下のエリックに「あんな声を毎日聞かせられるのか」と言われるように歌うシーンも最高。底意地が悪くて策士のカルロッタは演じていてさぞや楽しいだろうなあと思います。今後も舞咲りんは雪組にとって大事な娘役でいるでしょう。
永久輝せあ・・・闘牛士の場面ではあのシーンに出演しているメンバー全員がとても面白い演技をしてくれてかなり盛り上がるのですが、永久輝もその通りで、沸かせてくれました。姫ちゃんいわく、綾鳳華とぶつかってしまい、「ごめんごめん」みたいなシーンもあったそうです。
一方、若かりし頃のキャリエールに関してはあまり初々しさを感じないというか、初恋の甘さを感じなかったと思います。雪組自体、今まであまりベタベタ恋愛をやってきてませんし、苦手な部分もあるのかもしれませんね。
朝月希和・・・ベラドーヴァ。音乃いづみ程の素晴らしさは感じないのですが、やはり歌唱力はあったと思いますし、母としての愛に溢れていたと思います。
彩みちる・・・ソレリってシャンドン伯爵にくっついている女の子ですよね。この役をやるのは将来有望な子なのかな?
綾鳳華・・・闘牛士のシーンでカルロッタと面白い芝居をしているのが印象的ですが、背が高いですし歌も上々、あとは自己アピールできればあっさり永久輝せあを抜けるんじゃないか?と期待しています。何となくいつまでも控え目で、朝美絢並の欲をだせよーと言いたくなってしまうんですけど。
大劇場・東京通して従者のダンスがとにかく素晴らしく、沙月愛奈の実力が存分に生かされていることに感動しました。また振付も素晴らしくて「ダンスの雪組」になっているなと感じました。
圧巻のシーンは、顔を見られて嘆くエリック。どんなに涙腺が丈夫な人でもここでは絶対に号泣しちゃいます。自分が作り上げて来たものは全部偽物だとわかって、彼女の愛を失ったと思って、そりゃあもう絶望なんですよ。ここの演技を見ると、思わず「ガラスの仮面」の「たけくらべ」を思い出します。北島マヤの美登利さんが、姫川亜弓と対照的な演技で感動を呼ぶあのシーンです。今までのエリックでここまで泣い人はいなくて、それは無論演出家の指示だったからだと思うのですが。新しい発想が出来る望海風斗はすごいんだなあと思いました。
この「ファントム」が4作目で完成したと思ったのはフィナーレが完全にファントムづくしだったところもあり。最初からこうしてくれていたらと思わずにはいられません。