Quantcast
Channel: ふぶきの部屋
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5842

OSK JUJU 1

$
0
0

 生まれて初めての「生」OSKでした

本当に申し訳ないんですが、予備知識一切なし 

90周年記念公演と聞いて「へえーそんなに歴史があったのか」

「来年、日生劇場決まりました!!」と言われて「あらーーレビュウ対決かあ」

・・・ってな具合で、非常にへんてこな観客だったと思います。

(なんせ、90年の歴史を持つOSKですから、オールドファンが多いっ)

舞台の感想を書く前に感じたことを。

 宝塚とOSKの基本的な違い

共にレビュー劇団としてスタートした歌劇団。

「歌の宝塚、ダンスのOSK」と言われた程、いわゆる「レビュウ」に力を入れて

来たのよね。でも、様々な紆余曲折があり、今のOSKは関西を中心に

地道な活動を続けている・・・・

宝塚の演出家も何度かOSKに作品を提供しているようです。

舞台にあまり興味のない人には宝塚もOSKも同じに見えるかもしれませんが

結構大きな違いがあるということに気づきました。

 芸歴20年はざら

 娘役が尊重されている

 形式にしばられていない

この3つが特徴であり、魅力なんだと思います。

幕開き、板付きで男役トップと二番手が背中合わせに立っているなんて今時の

宝塚にはみられないものですし、娘役だけのダンスシーン満載。

時々男役が添え物に見える程。

一応序列はあるものの、何が何でもってわけでもないみたい

3番手が組長格なんて宝塚ではありえないしね。

 

 1980年代にタイムスリップ

今回、舞台は三越劇場でした。

三越劇場そのものがレトロで大正とか昭和初期の雰囲気を持っていますが

ロビーに熱烈なファンからのお花がどっさりあって、平均年齢50歳以上の

男女が(男性の比率が高いっ!!)おしゃべりしながら幕開きを待つ風景。

宝塚のようにせかせかしていない、ゆったりとした優雅な時間が流れて

いるようで、初めてなのに懐かしいと感じてしまいました。

いい意味で「熱心な」ファンが存在しているようで、大阪からのおっかけ組すら

存在・・・仰々しくないけど応援しているスタイルって、やっぱりスマートで

いいわあ 

男性ファンのさりげない熱心さもいいよね(宝塚の場合、奥さんの付添い系が

多いから)

で・・・何で1980年代?って話なんですけど。

要はメイクやら衣装やらがかなり垢抜けてない部分。

今時、袖が異様にふくらんだ衣装とか首周りごてごてなんてあまりみないでしょ?

音楽の使い方にしてもやっぱりレトロ。

そして娘役達が「痩せすぎてない」という所も今の宝塚にはない事で。

それだけに課題も多いんだろうなと思いました。

 

 JUJU 

脚本・演出・・・北林佐和子。

1幕が和物、2幕目が洋物ショー。

ストーリー性は曖昧なものの、一応「JUJUを探して」というテーマあり。

じゃあ、「JUJU」って何?という部分は不明。

寿を二つ書いて「寿寿」それぞれの大切なものを探してこれからさらに100年

いくぞーーっていう意味なのかしら?

 

 1幕目・・・25分

男役トップ、桜花昇ぼると二番手、高世麻央が板付きで背中合わせから

始まり、13名全員の名前を紹介する「口上」があり、やたら新鮮。

和物の衣装のベタ感と舞台の狭さに「早乙女太一風」か?と思ったけど

その垢抜けない雰囲気が地元志向でいいのかなと思ったり。

「花嫁道中」・・・可愛らしい花嫁道中が客席から舞台にかけてあり、その後は

          みんなでめでたいどんちゃん騒ぎ

          観客にも手伝って貰っての踊りが面白かったです。

が・・・・目だっていたのは「お父さん」の緋波亜紀ばかりで、肝心の花嫁・花婿は

蚊帳の外。ここは道中に「馬子唄」「長持ち唄」などを交えて、おごそかに

行列があり、結婚の儀式を終え、初々しい夫婦の契りを前面に出すべきでは?

どんちゃん騒ぎはその後でいいんじゃないかなあ。

「源氏」・・・うーん・・よくわからなかったけど、突如源氏が登場して「JUJU」を

探しているんですが、そこに秋の精が登場して・・・

中途半端に終わってしまいました

私なら「JUJU」は桜にするけどなあ。桜を探して源氏が迷う。秋の楓が

源氏の行く手を阻む。若い桜姫は消えていく・・・みたいな?

ストーリー性がないのがOSKのレビュウだといわれたのですが、「わかりやすさ」

は大事だと思いますし、それぞれのキャラが立つような作り方をしないと

ショーにはならないよね。ただの「日本舞踊をオーケストラでやりました」系に

なってしまいます

 

 2幕目・・・50分

一転して洋物のショー。相変わらず「JUJU探し」は続いているものの

関連性は感じられず。

源氏が探していた桜JUJJUが1000年後の今に蘇ったーーとかなら

わかるけど、基本的に宝塚で使いまわされているような音楽に合わせての

ダンス・ダンス・・・

(宝塚でもそうだけど「シャレード」は香寿たつきがベストよね・・・)

でも、フィナーレのラインダンスは男役若手二人が加わってのすごい技術物。

さらに「栄光の架け橋」は涙が出ちゃう程素敵でした

往年のOSKファンから見ると「栄光の架け橋」はOSKの為に書かれた曲では

ないかと思う程に歌詞がマッチしているんだそうです。なんせ、一度解散してから

の苦労が多く、演じる側も支える側も涙なくしては語れないという・・・・

わかるわーー

清清しくも熱い涙を流しながら聞く事が出来る「栄光の架け橋」

このためにチケットを買ってもいいかもしれませんよ。

 

アンコールがあるのも宝塚とは違いますよね。

さくらパラソルを使ってのテーマソング熱唱にはちょっとびっくりしたけど

あの手作り感が何ともいえずにいいですね

 

「これが本当のOSKではないわよ。もっとすごいの。嘘だと思うなら

日生劇場に来て」と言われたので「はい」とお答えしました

確かに13人という少数であること。未来の大スター・桐生麻耶なる男役不在

(写真だけっだと濃いなーってイメージ)

舞台が三越劇場というレビュウには全く向かない場所で狭い舞台に

ひしめき合ってる状態であった事。

いつもの「春のおどり」ではなく、「JUJU」という一風変わった新作。90周年記念を

意識してさらに日生劇場への宣伝もかねて・・・のプレッシャーな作り。

これをしてOSKを語るなかれという事だと思います。

なんせファンにしても「今回はちょっとゆるかったかも」とおっしゃる方もいて

「じゃあ、いつものすごーいOSKってどんなの?」と大いに興味がわいたのでした。

 

 

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 5842

Trending Articles