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Channel: ふぶきの部屋
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雪組 千秋楽ライブビューイング

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本当に雪組さんには縁がなく、チケットが取れない!本当にとれない!

ということで、劇場での観劇を諦め・・・でも日本物だし新撰組だし見なくても。

なんて思っていた私が、よもやライブビューイングで号泣して、休憩時間も泣きっぱなしで姫ちゃんに「ショーが始まるのにいつまで泣いてるの」と叱られ、それでも泣いちゃって泣いちゃって「東北人しかわからねっ!」と言い返し

そう、この感覚、この悲しみは賊軍の風土で育った人にしかわからないんだよ、きっと。

ではなぜ私は泣いたのか。

 壬生義士伝 

浅田次郎は好きだけど「壬生義士伝」は読んでないし、映画も見てません。下っ端の話ってあまり好きじゃないし。架空の人なんだっけ?吉村さんって。

しょっぱな、望海風斗の歌で泣きそうになりしづさんへプロポーズでほっとしたのに、いきなり貧乏すぎてしづさん、川に身を投げた?

凶作で飢饉で・・・ねったんの「イーハトーブ夢」の宮沢賢治のセリフを思い出しました。岩手は寒いから米がなかなか出来ないって。だからいつも貧しいと。

望海の歌に出てくる「岩手山」と「姫神山」は分かったけど他はわからず。姫神という名前は何と言っても姫神センセイションだよねーーと頭の中で考えていました。

「中津川」って?北上川じゃないのか・・・とか。土地勘がなくてすみません。

で、貧しさゆえに新撰組に入った吉村さんは、「守銭奴」と言われ、「おもさでやんす」という方言を(このあたりの気持ちがやたらわかるのよ・・・東北人だから)からかわれ、一時は全然馬鹿にされていたのに斉藤一の剣をかわしてから、見る目が変わる。

っていうか、ここで新撰組の重要人物は斎藤一に沖田総司、土方歳三に谷君。普通の新撰組物語では脇に回る人達がおいしいところを持って行くわけですよね。

感動したのは、やっぱり斎藤一が切った谷三十郎の遺体を検分して斎藤一の切り方を全部解説したあたりですかね。誰にも話さないから金をくれ・・・というのは武士にあるまじき行為だけど、吉村さんはさらりと「金を貰う為に人を斬ります」と言っていますので、家族の為にそこらへんは割り切っていたんでしょうね。

そういう気持ちがわかったから土方さん達が町娘と結婚させようとするあたり、本当は優しいんだなと思いました。

涙腺が緩み始めたのは、やっぱり「おにぎり」のシーンでしょうか。斎藤一に渡したおにぎりが最後で掴みかかる彼に「ひもじさには慣れてるから」という男気。まさに斎藤一からみると懐の深さというか優しさというか、そこらへんが本当に羨ましかったんだなと思います。

でも解せなかったのは、「錦旗」を見てみなが大坂城へ引き返すと言っているのに、一人で突っ込んでいくところ。家族の為に生き残る道を選ぶならとりあえず土方さん達について行った方がいい。それなのになぜ・・・って。

でも「勝つ為に戦うのではなく忠義の為に戦う」と言ったところから涙が止まらなくなったんです。

こんなシーン「白虎隊」の中にもありました。家族で辞世の句を作る西郷頼母に甥の飯沼貞吉は「みんな死ぬんですか」と聞きます。その時、西郷頼母は「負けた時の為に辞世の句を作るのではない。これはな、覚悟だ。勝敗は時の運。生死を超えた所に誠の勝利がある。そう心得よ」というのです。

多分、吉村さんが言いたかったのはそういう事なんだろうと思うと、もうダメ、涙腺が崩壊。

原作を読んでないし、ここらへんのシーンはいきなり飛びすぎかなと思ったりするんですけど、でもたった一人「武士だから逃げない」というその行動が、あれだけ武士らしくないと言われた吉村さんが手本を示すなんてと号泣。

でも、でもさ、南部藩の大野さん、冷たすぎるよ。何で切腹させるの。死んだ事にして逃がしてあげたらいいじゃないのよーーいや、なぜ脱藩したのに最後に戻って来たの?そこらへんはやっぱり「家族のことを思えばまだ死ねない」と一縷の望みを抱えて親友の元に来たのでは?だとしたら惨い・・・惨いよーーいや、でも、ここで生き恥をさらすよりはいさぎよく切腹するのが武士の情け。ああ、でも納得できない。納得できないよと思っている間にどんどん切腹への時間が過ぎていく。

こうなるともう南部のお米で作ったおにぎりも無駄、200両する刀も使うわけがない。

瀕死の状態でお金を数えるあたりがもう泣けて泣けて・・納得できないのに泣けちゃって。サビた刀で切腹するっていうのがまた頑固な奴だなあ。こういうところが東北人でさ。

残された息子がまた戦死して・・・って思うと、本当に戊辰戦争の惨さが切なくて悲しくて。

最後に二人は天国で幸せに暮らしましたという展開でも涙が止まらず、休憩時間も号泣してトイレで泣いて、席に戻ってきて泣いて。どんなに子供に会いたかったろうなとか、考え始めたら悲しくて、ショーへ気持ちを持って行くのが大変でした。

 

望海風斗・・・吉村さんの南部弁はまあまあですけど、この方は本当に演技がうまい!よし夫、よき父、そしてよき指導者でした。子供っぽい斎藤一と対照的で多くのものを彼に与えたのではないでしょうか。

真彩希帆・・・けなげに夫を待つ田舎の妻と、お金持ちのお嬢さんの2役を見事に演じ分けました。彼女なら吉村さんが「しづ」ってこだわるのもわかりますよね。

彩風咲奈・・・難しい役どころだったと思いますが、本当にきちんと演じました。特に最後は演じてて辛かったろうなと思うのですが。

彩凪翔・・・「めんどくせえ」が口癖の土方さん。かっこよかったです。優しさもありました。

朝美絢・・・斎藤一。反抗的な目つきが魅力的でした。当たり役ですね。どこまでもかっこいい。表情も豊かであともう一歩ですね。

永久輝せあ・・・イメージの沖田総司とは違いますが「斬っちゃいましょうか」が不気味で楽しかったです。

凪七瑠海・・・明治時代になって華やかな軍服を着て、終始ストーリーテラーになっていましたが、今時の歴史に疎い人達に説明しなくちゃいけない役どころでしたね。

綾鳳華・・・大野さんの息子。この人は先天的に色気があるんですね。優しさが今は弱く見えていますけど、もう少ししたら頼りがいのあるプリンスになってくれるんじゃないかなと思ってます。


 MUSIC REVOLUTION 


全体的に中村一徳先生らしく、音楽が全体を包み、みんな疲れ切るまで踊りまくるというショーでした。ジャズあり、ロックあり、クラシックありの楽しいショーで、振付が素晴らしかったというのもあったと思います。

特にクラシックバージョンはアレンジも振付も素晴らしく大好きですね。

ここで大きく目立ったのが朝美絢で。この人の貪欲さには尊敬の念しかありません。それによって回りの組子達も引っ張られていい影響があるのではないかしら?

music in my life はまるでさよなら公演みたいでじーんとしてしまいました。

若手では組替えする永久輝せあ、縣千、綾鳳華らが活躍。縣千と綾鳳華ではファンの好みがわかれるところですけど、綾の色気に私はかけたいなあ。

マチシアも明るく頑張っていたしね。


ライブビューイングは動乱の香港でも上映されていました。今、香港の人達に「壬生義士伝」のメッセージを伝えたいです。たとえ中国に飲み込まれたとしても心は誇り高くいて欲しいと。

 


 


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