姫ちゃんと観劇してきました。
姫ちゃんはいつになく、今回の作品に入れ込んでおりまして。
その理由は前回も書いた通り「パブロとフェリックス」の仲がどうなっているか。
それと曲がとっても気に入っているらしくCDを買って毎日聞いて歌詞を覚えています。さらにDVDを見ながら(DVDは当然主役に焦点があっている)目を皿のようにしてパブロとフェリックスの行方を見ているのです。
なので今回は暁千星と風間柚乃を中心に見ていくことにしました。
が・・・その前に。
原作では本当に「エリザベート・アマーリエ・オイゲーニェ・フォン・ヴィッテルスバッハ」とか「うちのフランツ・ヨーゼフ」だとか、「パンがなければお菓子を食べればいいのに・・・私はシェーブルン宮殿のお姫様ではないわ」なんてセリフがあるのかな?(ライムギパン一つでジョージがそこまで引用する意味がわからん)
正直、引用がしつこすぎて
オーストリア人にとってハプスブルク家の名前ってそんなに普段から使うもの?
日本で言えば「泣かぬなら殺してしまえホホトギス」「それって信長じゃん」っていうたとえが延々と出てくるんですよ。
エルフィーが自分で「私の母はカラリーナ・シュラット」等、歴史的人物をあれこれ引用しているわけだからもうそれ以上は・・・と思ってしまうんです。
4つ星ホテルの御曹司が床でトルテを食べさせたりするシーンも原作にはあるのかな?やっぱりそれってまずいんじゃ。
そんなこといえば、「ジョージ」という名前そのものが英語読みじゃん。
ゲオルグくらいにしないとオーストリアっぽくないような気がして。
毎回思います。珠城りょう程雑な言葉が似合わない人はいません。
「ってか」
「じゃん」
がわざとらしいったらありゃしない。特に2幕目の「エルフィ―ノリノリじゃん」のわざとらしい事といったら!!
そして珠城りょうほどお育ちのいいベストが似合う人もいないわ。ジョージ王子とタイを張るくらい似合ってる。本当にお育ちがいいのねーーと羨ましくなります。
一方、美園さくらのエマは何でああも、一々笑うのかわかりません。
「面白い人」ってセリフが2回もあるし、何でもワハハ笑いで済まされる話なの?
それがもう気に障ってしょうがない。
鼻もちならないハリウッド女優というところはよくわかるけど、可愛げが一つもない。声音の使い方が妙に女っぽくて、すぐに「ふふふ・・・面白い人」って笑って喋って。ジョージとかみ合ってないんじゃないか?と思ったりしてね。
なかなか衣装が似合ってないというのも悲しい所で。
ホテル到着時の衣装はペケだし、へんてこな色のジャージも問題。
何よりフィナーレのドレス。やっぱり変です。あんな風に短いスカートの時って、みんな髪を上げているのに長いから変に見えるのかなと思ったりして。
劇場の90%くらいが女性で、しかも妙齢が多いということから、最も観客の共感を得ているのはジョージのパパとママ。
普通、成人した子供がいる夫婦なんて冷めたもので喧嘩すらしませんけど、こっちのパパは今も必死にママを口説いている。サプライズを用意している。その努力が女としては嬉しいのですわ。
私も早く「これからは二人の人生を生きるわ」なんて言って見たいです。
で、暁千星と風間柚乃なんですが。
みんなDVDとすっかり同じ演技をするのに(いえ、星組は全然違うものですから)暁&風間コンビは大劇場とは少々心模様が違っている感じですね。
一言でいうとパブロの強引さがより増したというか、それに喜んでついていってるフェリックス?みたいな感じ?
新進気鋭の風間柚乃は演技がうまくてねーージョージが庇い続けるのもわかる。
そんなドジ男を「クール」というパブロの気持ちが今一つわからないけど、もしかして「ドジな僕」と嘆いている姿が可愛く見えたのかな。それならクールというよりチャーミングだよね。
そう、この作品「クール」という言葉を使いすぎているんです。
「クール」=かっこいい、いかしてる
日本語では今一つ適当な言葉がないんですけど、心にズンと響くような意味ですよね。それを安っぽく「超クール」「クールな」「それってクール」とやられるとちょっとしつこい。さらに「クールなパティスリー(冷凍庫)とかけられちゃさらにしつこいわ。
フェリックスはドジっても憎めない性格。適格にジョージとエマの力にもなっているし、いじらしい部分もあるキャラ。
パブロは1幕と2幕では性格が違います。
1幕目はマッチョなだけ。2幕目燕尾服を着たあたりから甘えん坊で結構泣き虫。スターでいる時はマッチョだけど気を許している人の前では甘えん坊で泣き虫。だけど好きな人にはストレートに告白して強引に自分のものにしちゃう。
やるときゃやるパブロとグズグズドジっこのフェリックスはいいコンビかもしれませんね。
阪急貸し切りだったせいか、とにかく観客がよく笑ってくれました。笑いをさらったのは鳳月杏。上品だけど真逆に反応する間合いが素晴らしくて、多分みんなファンになったんじゃないかと思います。
高音から低音まで歌い上げるし、ダンディでかっこいいし、海乃美月ママとピッタリ。
ヒステリックで心配性で完璧主義のママ。おっとりしているけど見る所は見ているパパ。こちらもピッタリです。
じゃあ、ジョージとエマはどういうカップルなの?
これがわからないなあ。御曹司がヤンキー女優に騙されたようにも見えるし。女優の玉の輿物語にも見えて。
月組さんは海外ミュージカルのさきがけの組なんですよね。
だけど「エリザベート」やらせれば毎回「声量がない」と言われ、「スカピン」やっても何だかな・・「ロミジュリ」やっても印象に残らず。
「1789」はいい作品だったけどそんなに入りがよかったともいえなかったとか。
「I AM FROM AUSTRIA」はとても海外ミュージカルとは思えない程宝塚ナイズされてますけど、もっともっと工夫したらさらによい作品になったのではないでしょうか?
正直、人の使い方もどうかなと思う所はあります。
あんなに綺麗な海乃美月がトップじゃないなんておかしいと思う。
それに蓮つかさが今回は大勢の一人。あーあ・・と思ってしまいました。
そうそう、生まれて初めて東京宝塚劇場で知らない男性に声をかけられましたよ。
姫ちゃんと二人でサングリアを飲んでいたんですけど
「それは今回の公演の飲み物か何か?」と聞かれて「いえ、サングリアです」と答えたらそこから何だか「つい美しい人だから声かけて」とか、「お嬢さんとよく似ている」だのって始まって。
何でも72歳なんですって。ボロボロのバッグを持っているからちょっと貧乏な人?と思ったけど(いや、貧乏な人は阪急貸し切りには来ませんよね)
そのボロボロのバッグに「ハーバード」って書いてあって。どうやらハーバード大学の公式グッズ?
「僕は今週5作品のミュージカルを見たんです」って言ったかと思えば68歳でハーバードに留学した自慢、京大出自慢、某一流商事のOB自慢を聞かされちゃって。
姫は私の飲みかけのサングリアをぐいっと飲み干すと私に「行こう」と目で合図するんですけど、知らん顔できず(老人には優しく?)
結果、延々と話を聞いていました。
「長々話を聞いてくれてありがとう。目があって美しい人だったからつい」とかお世辞を言われ、こちらは頬が引きつってどう返事をしたらいいものかわからず、「後半をお楽しみくださいね」と言いました。そしたら「後半の方が面白いんでしょう?僕はドイツ人よりオーストリア人の方が好きだな。優しくて」とおっしゃってました。最後にドイツ語で挨拶されてお別れしました。
全然自慢にならないナンパ劇でした。
アウフヴィーダーゼーエンくらい言えばよかったのに、浮かばなかったっ!
気の利いた会話というのは突然出来るようになるわけではありませんね。