マスコミは「今も韓流ブームは続いている」といいます。
確かに新大久保へ行けば若い人達がKーPOPに夢中になったり、その延長で韓国ドラマが好きになったりと一定のファン層を持っています。
韓国料理が大好きな人も多いでしょう。
でも私的にいうと、韓流ドラマはもうネタ切れ、イケメン切れ、究極のワンパターンをやりすぎて、「恐怖」の域に入っていると思います。
元々韓ドラを初心者が初めて見ると、その言葉のやりとりの激しさにびっくりしてしまうものですが、その傾向がより強くなり、自己愛が過ぎる作品が多いと思います。
私が今、一番評価したいのは「ドクター・キム・サブ」で、これはハン・ソッキュ主演の医療ドラマです。非常にヒューマンドラマとして描かれていますが、いわゆる「悪役」達の上から目線、医療従事者としてあるまじき行いをした人達への「金」「権力」を使ったあまりにも汚い裏工作にはうんざりします。
一番嫌なのは、その言い訳で「一度くらいいいじゃないか」「見逃してくれたってよかったじゃないか。お前が告発したせいで俺は家族を失ったんだぞ」という理屈。
これがいわゆる、韓国人の「甘え」の構造と思うとぞっとしますけどね。
という事で、世の中のおばさま達はどんどん華流へシフトしていくわけです。
華流ドラマのイケメン度というのは、韓国の比ではない・・・とにかくレベルが高いという事だけは言えるでしょう。
そしてさらに進化していくと、腐女子はブロマンスと呼ばれるBLドラマから、タイドラマへシフトしていきます。
ロマンスを求める人は、そこからロシアドラマやインドドラマへシフトしていきます。
つまり「韓流だけがドラマじゃないよ」って事なのです。
日本のドラマが、どちらかというと「事実を事実らしく見せる」事にこだわり、日本人が気に入ればいいっかてな感じで作られているんですが、よそのドラマは世界を視野にいれているので出演者なども吟味しています。
例えばアメリカのドラマには必ず一人アジア人を入れるとかね。
さて、本題です。
じゃあ、中国のドラマを見てみようと思うけど、何からみたらいいかわからない。
中国語についていけるか?ドラマの内容が頭に入るのか?反日なんじゃないの?
色々頭に浮かびますね。
そこで、今回は、中国ドラマの種類わけとTSUTAYAさんやBS ケーブルテレビで見られるものを中心に紹介したいと思います。
まず、中国ドラマには種類があります。
古装束劇
現代劇
この二種類です。古装束劇というのはいわゆる時代劇のことで、現代劇はその名の通り。でも実はこの二つの間に「清朝末期から日本統治の前まで」という華やかな時代劇があるのです。
古装束劇には独特の世界観がある
いわゆる時代劇を見る時に、これだけはおさえておかないと、意味がわからない・・・という部分をご紹介します。
中国には中華思想という「世界の中心は中国だぞ」っていう世界観があります。
今の中国は無宗教ですが、遥か昔には仏教が、道教が世界観を作っていました。
時代劇の中の中国には
人間界・・・一般的な宮廷物や武侠伝、歴史ものなど
仙人界・・・修行を積むことで空が飛べたり、魔法が使えたりする、毒を操ったりする物語。「〇〇教」とか「世家」と呼ばれる集団VS集団の物語
天界・・・天帝を中心としたピラミッド型の世界観。天人が人間界へ行くと「苦行」と称して人間の一生を経験せねばならず、その時間軸は天界では一瞬のこと。
人間界の古装束物では最近はタイムスリップが大流行りで、ヒロインが過去へ飛んで王子様と恋をする・・というような話が数多く作られています。
また、厳密にいうと「中国ドラマ」と「台湾ドラマ」は質が異なり、同じ古装束劇でも台湾ドラマは少し軽めに作られているなという印象があります。
また一口に歴史物といっても、春秋時代から三国志の時代、元や宋や民、清朝までと幅が広いです。そこらへんの時代考証が本当に正しいかどうかは別にして楽しむというのが掟ですね。
最近、お友達から「瓔珞」が面白いと言われました。
「瓔珞」は清朝の乾隆帝の頃のお話です。この「瓔珞」を中心にして、前後の清朝物をご紹介しましょう。
宮廷女官若㬢(きゅうていにょかんじゃぐぎ) 2011年
主演・・・リウ・シーシー(劉詩詩)
ニッキーウー(呉奇隆)
ストーリー・・・ヒロインがタイムスリップして康熙帝の時代に飛び、宮廷の女官として生きながら、将来の帝と恋に落ちる。
個人的には1度見たけど・・人間を蒸し焼きにするシーンがあってトラウマになっちゃった記憶が。
なぜ康熙帝の時代を取り上げるかというと、康熙帝は子供が多かったのです。15・6人いたのではないでしょうか。第一王子や第二王子は別として、第4皇子が最も有力候補。そこに第8皇子一派との対立があり、最終的には第4皇子が勝ち、兄弟をほとんど殺してしまうという粛清を行った時代なのです。
この若儀と同世代の物語として
パレス(宮) 2011年
主演・・・ウイリアム・フォン
ヤン・ミー
康熙帝の時代にタイムスリップした少女が、第4皇子と第8皇子の間で愛に迷う。最終的には第8皇子と結ばれるけど、ヒロインは現代に逆戻り。一方粛清された第8皇子は・・・
「蘭陵王」で大ブレイクを果たしたウイリアム・フォンのまだ売れない時代の主役って事ですね。ヤン・ミーは武侠伝でも後宮物でも何でもありの今も大女優。大きな目が印象的。
終始、暗い印象の若儀よりはこちらの「パレス」の方が明るいしハッピーエンドなので好きです。
宮廷の茗薇~時をかける恋 2019年
主演・・・リー・ランディ
ワン・アンユー
「若儀」スタッフが送る作品です。
博物館でお仕事していたヒロインがある日、康熙帝の時代にタイムスリップ。
恋に落ちたのは13王子。
この13王子・・・我が家の姫は「ニノ」と呼びます。二宮君にそっくりっていうので。
さて、康熙帝の王子の中で主役と言えば第4皇子と第8皇子ですね。
じゃあ、何で13王子なのか?
実はこの13王子は唯一、生き残って、擁正帝のお気に入りとなる人物なのです。
ここでは、この二人以外にも第一王子と女官カップルなどいくつかのカップルが現代で結ばれます。ではこの二人は?
とにかく胸がキュンキュンするセリフが多いので、女性に大人気ですね。
宮廷の諍い女 2011年
主演・・・スン・リー
さて、時代は康熙帝からその息子、擁正帝の時代へ突入します。
擁正帝はその治世が13年しかなく、康熙帝や乾隆帝に比べるとあまり目立たない存在ではありますが、最近、彼の政治の在り方が見直されて「賢帝」とされています。
妃は多かったけれど子供が極端に少なかったですし、過去の教訓から「次の皇帝は乾隆帝に」と文書で残しました。
スン・リー演じる莞貴人は恐らく乾隆帝の聖母である孝聖憲皇后かと思われます。
この人がのし上がっていく過程がすごすぎる。沢山の妃に虐められるわ、流産するわ、廃されるわ、復活するわ・・・・
見始めたら止まらなくなるドラマで、あっという間ですね。
如懿伝 2018年
主演・・・ジョウ・シュン
ウォレス・フォ
時代は進み、擁正帝の子、乾隆帝の時代の話になります。
乾隆帝は皇后二人、皇貴妃を持った皇帝です。
妃達の名称は実在のものを用いつつ、性格や個性に関しては色々な人をまぜこぜにして描いているわけです。
乾隆帝の幼馴染で恋仲だった青桜(ウラナラ氏)娘が正妃に選ばれなかった。
理由は彼女の叔母が冷宮に入れられていること。
代わりに富察(フチャ)皇后。この人は男子に恵まれずそのせいで他の妃達に敵愾心を抱く設定です。
青桜改め如懿は莞貴人から始まってラストはフチャ皇后のあとの皇后になります。
皇帝はもっとも自分を愛してくれていると信じていたわけですが、二人の心のすれ違いがやがて寂しい結末を迎えます。
このドラマに出演しているジョウ・シュンの美しさと言ったら比類なきという程でしょう。衣装も調度品も豪華この上なし。
ただ・・あの時代、冠がネフェルティティ風だったのか?っていう疑問は残ります。
乾隆帝役のウォレス・フォは日本でも大人気の俳優さんです。なんたってかっこいい。
初心者でもしっかり楽しめる作品になっています。
瓔珞 紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃 2018
主演・・・ウー・ジンイェン
ニエ・ユエン
シュー・カイ・・・
物語は「如懿伝」で悪役だった玲妃。後の皇貴妃が主役です。
乾隆帝の二度目の皇后である莞妃は
謎の人で、皇后まで上り詰めたけどその死は伏せられ、墓すらもないという。
結果的に皇后在位中に「皇貴妃」という最高位を設けて後継ぎを産んだ伶妃が就任。
上記の顔ぶれを見て、思い出すだろう作品が「コウラン伝」ですね。現在BSでやってる。かなり役者がかぶってます。
「瓔珞」は、漢人の魏瓔珞が先に女官だった姉の死の真相を調べる為に宮廷に入り、皇后付きの女官になります。
この時の皇后がフチャ皇后で、あっちのドラマとは大違いのまるせ聖母さまのように美しく心根もよい方。全女性の憧れの的です。
瓔珞はこの皇后の弟と恋に落ちます。
シュー・カイは新進気鋭の俳優で、2019年から2020年にかけて大ブレイク。
無論、瓔珞役のウー・ジエンイェンもこの作品から主役クラスの女優になりました。
彼と皇帝との三角関係、ツンデレカップルの滑稽なやりとりが面白い。
さらに後半にかけては瓔珞の知略で次々悪役が倒されていく楽しさがあります。
一時、宮廷物で「あ、中国ドラマってこんなんだ」と思って頂ければ幸い。
勿論、国土も広ければ部族や民族も多種多様な中国ですから、ドラマによって衣装やかつらがかなり違ってくるのも楽しいです。