こんなに早くこんな事を書く羽目になろうとは・・・・・
我が家の姫ちゃんは、ファンらしく今月は音月様の為に散財 泣きながら散財。
先を考えては「使いすぎたーー」と後悔するものの。それでも散財。
いいのよいいのよ。ご贔屓が退団する時はDVDにグッズに本に写真に・・・と買っても買っても追いつかない。
まるで「キャトルレーヴ」という魔物に取りつかれたかのごとく万札が飛んでいっても後悔してはいけない。
それは正しい行いなのよ・・・って・・・ヅカファンにしか通用しない理屈なのでした。
優等生が優等生のまま成長しトップに
音月桂のイメージ、それはまさに「優等生」でしょう。
なんせ新人公演時代からすごかった。
新人公演に縁のない私にすら情報が入ってくる程。
「音月桂ちゃんはすごいのよ。「猛き黄金の国」の新人公演の主役をやったんだけど本役より歌はうまいし・・・」
へーー それはそれは・・・・という感じ。
轟悠も絵麻緒ゆうもわりと欠点の多いトップスターでしたから、優等生の音月は目立つ目立つ。
顔は明るくて華やか、歌は上手、演技もしっかり、ダンスもそれなり 演出家の期待に何でも応えてしまう無敵の下級生。
私が彼女を意識したのは「追憶のバルセロナ」ですが、とにかくどこにいても目立つ。
「一人より二人、二人より三人ですからね」のセリフは今も頭の中に残っています。
「春麗の淡き光に」はいい作品だったけど正直、朝海ひかる向きではなかったと思います。
それを新人公演で本役より立派にやってしまった音月桂。スカステ映像で見た時、心から感心してしまったのを覚えています。
音月の上には壮一帆・立樹遥・貴城けいといた筈ですが、気が付くと全員よそへ行ってしまった印象です。
立樹・壮とトリプル主演を果たした「ホップスコッチ」は評判は今一でしたが、我が家の姫が大好きな作品で、これで
音月ファンになりました
(青年館の二階席のど真ん中。初日に一人げらげらと大うけして見ていたので相当目立ったんでしょう。ヅカファンのHPに
書き込みされちゃって・・・あの理屈っぽいコメディを大笑いしてみていられた姫はある意味すごいです)
この時、「妙に落ち着き払って自信満々」に見えた音月にちょっと生意気さを感じて、好きじゃなかったんですけど。
というか、立樹と壮の線が細すぎたというのが正直な所。
アクア5でも、その明るい容姿と無邪気な笑顔がアイドル並に可愛らしくて、つい目がそっちへいってしまう感じでしたよね。
でも、本当はしっかりと芝居をするタイプなんじゃないかと思ったのは「マリポーサの花」を見た時。
政治を語る学生というのが本当に似合っていて、この人にはたくさんのセリフを喋らせたいと思ったものです。
満を持してトップになった時、これこそ華やかなスターの誕生で100周年は安泰と思った筈なんですが。
ケチのつき始めは「ロミオとジュリエット」。
お披露目に再演というのも何だかもにょってしまったけど、ここに夢華あみが研1で大抜擢されたものだから
批判の矛先は音月にまで波及
音月には全く関係のない事だけれど、トップ就任にあたって相手役が決まらなかった事。音楽学校いじめ事件の
首謀者で裁判に出た夢華がいきなりジュリエット役で舞羽と並ぶ姿に、ヅカファンは怒り心頭。
これで観客動員は落ちるわ、震災でさらに落ちるわ、さらにさらに夢華がまさかの休演までしちゃって・・・・
お披露目からして歌劇団の思惑に振り回された形になりました。
そして二作目は「仮面の男」事件。
これまた音月には全く関係のない事ですが、おバカな座付き作家のせいで作品自体が一大ブーイングを受け
理事長が異例の謝罪&東京公演で改変し、それをDVD化するという前代未聞の事が起きてしまいました。
雪の御曹司として育てられ、並み居る上級生を蹴落とし、はえぬきトップとして恵まれたスタートを切った筈なのに。
モチベーションが下がる出来事ばかりで可哀想でした。
日本物のコスチューム、とりわけ公達姿があんなに似合う人はいなかった・・
何で正統派の日本物をさせなかったか不思議でなりません。
彼女こそ「源氏物語」だの「大江山花伝」などが似合ったでしょうに。
「春麗・・・」の再演でもよかった。忠臣蔵でもよかったかもしれない。
「風の錦絵」に出てきた菊人形のような愛らしい公達姿をもう一度みたかった・・・・・・
本当の音月桂は
「フットルース」見てないけどイメージじゃないし、ロミオもルイ14世もドン・カルロスも・・・歌劇団は音月に何を
させたかったんだろうなと思います。
下級生時代、あんなにも輝いて生き生きとしていた彼女から本当の微笑みが消え、トップになってからの彼女は
ただただ「仕事をこなす」に徹していたと思います。
音月程優等生で華やかなタイプですらこうなってしまう。トップを生かすも殺すも歌劇団次第なんだなあと痛感。
振り返ってみれば、音月の個性を生かした作品があったかと考え込んでしまいます。
あまりにも何でも上手にこなすので、かえって個性を見つけにくい、作家としてイメージを膨らませにくいタイプに
見えたのかもしれません。
華やか・・・といえる容姿もどこか女性っぽさを含んでいたことも原因かもしれません。
そんな中、本当の音月桂を引き出した演出家がいます。多分それは荻田浩一。
「タランテラ」と「ソロモンの指輪」での音月は両性具有の魔性の存在としてそこにいました。
三木章雄作の「レ・コラージュ」のネズミもそうですが、音月の本性は清廉潔白などではなく、いたずら坊主で
人をたぶらかす魔性の魅力だったんですね。
いわゆる植田紳爾作品に出ると、絵に描いたよう優等生となり、正塚作品では宝塚というより小劇場系の
俳優になる。「ロミオとジュリエット」のような正統派のラブストーリーではあまりにも当たり前に出来すぎて
つまらなく見えたんだろうと思います。
トップだから仕方ない。正統派に終始するのも仕方ないとは言いながら、新たな「魔性」の音月を見せないまま
退団を迎えてしまう事は残念で仕方ありません。
かえすがえすも「ロミジュリ」「仮面の男」事件がなかったらと思いますし、震災もなければ・・・と思います。
大切に育てられたスターがこんな扱いされてあっさりと退団してしまう事には怒りを覚えずにいられません。
そもそも雪組ってそういう組だよなーーと・・・・大事に育てたスター程むごい扱いをしてしまう。
あの人もこの人もと名前が浮かぶけど、それはまた別の話。
でもそもそもが優等生だし、見る人を引き付ける愛らしい顔をしている音月桂。
退団後、どんな道を歩むにしても幸せになって欲しいと思います。