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なるようになるさ・よその歌わたしの歌

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 山田太一も橋田壽賀子も昭和を代表するドラマの脚本家です。

 2大脚本家の作品がモロに・・・頑固に「昭和風」を貫き通している事について、私達はどう考えたら

いいのかなあと。

舞台と違って、テレビドラマは「流行り」が一番重要です

時代を写し取るのがドラマの役目。無論、時代を超えて共感を得る作品も多々あります。

でも画面の中にはやっぱりその「時代性」というのが色濃く反映される筈。

今回、山田太一作品から漂ってきたのは1970年代の日本。決して現代ではないんですよね。

時代に迎合しない、脚本家自身の「老い」をテーマに描く。それはそれでいいんだけど、わりと意固地だなあと

思う部分もありました。

 

フジテレビが全滅状態だそうです

「SUMMER NUDE」「ショムニ」「Oh My Dad」「スターマン」いずれも視聴率が悪すぎて。

特に、初回の視聴率がよかった「ショムニ」が2回目でいきなりガタ落ちした事は、テレビ局にとって

大事だそうです。(個人的にはざまあみろフジテレビ・・・ですが)

キーワードはどれも「古臭い」

要するに時代にあってないという事ですね。社長の太多亮氏はトレンディドラマでヒットを飛ばした人。

「あの頃の夢をもう一度」とばかり、ロンバケ風やら、バブリー風やらバブル弾けた風やら、海外ドラマのパクリやら

色々しかけて全部失敗したって事ですか

「ショムニ」が古いと思われた理由は「男の数で席順を決める」というあれ。今時、それはないだろうって話ですね。

それと前作品の方が脚本がよかったし、キャラが立ってたって事で、役者の力量も大きく違うんでしょうね。

別に女優達が間違った演技をしているとは思わないけど、テンションが微妙に違うなあと思いながら見てます

70年代の焼き直しでも「家族ゲーム」はとても面白かった・・・・小説の中に時代に共通した思想があるから

なのかなあ。うまく「現代」にマッチンクさせたなあという印象です。

 よその歌 わたしの歌 

まず、最初に主人公が何をやろうとしているのかさっぱりわからなかった・・・・という事です。

カラオケ店の店員があんなおじいさんなわけないし、今時はフリードリンクだから、よっぽどじゃないと

部屋に入らないだろうなあと思ったり、ましてや一人カラオケに聞き入って拍手までしちゃうって

と思ったら、彼は大学教授で、一人カラオケをやっている人を集めて、合唱をさせたい。

ゆくゆくはコンクールに・・・それが何の目的なのか?研究?実験?そこらへんがイマイチはっきりせず。

アカペラで歌わせて、みんなに「なんで?」と思われているのに「初めてだからそれでいいの」みたいな事ばかり。

そこに何と 鳳蘭様ですよっ

ドアを開けた瞬間に、台風がやってきた勢い。明るくペラペラと喋って「あら、ピアノ?」とピアノを見つけると

いきなり「与作」「また会う日まで」を弾き語りですよ。

ツレちゃんを知らない我が家のヨンジュナが、あまりのド迫力と歌い方に「宝塚?」と言いました。

8歳の子にもわかる鳳様の偉大さ

鳳蘭という人の笑顔の魅力。一瞬にして回りをわしづかみにして自分の空気の中に引っ張り込むオーラ。

すごいなあとしか言いようがありません。

 

で、その鳳様演じる奥さんが突如亡くなり・・・夫が主人公の家に転がり込み。

実はこの大学教授夫妻には小さな悩みが。

奥さんは異常なファザコンでクラシックしか容認できない人。バイオリリニストだった時に浮気。

旦那も頭にきて浮気をしかえした。以後、何となくギクシャク。

ラストはこの妻が、自分のポリシーを覆して「また会う日まで」をピアノで弾く・・・というシーンで終わりなんですが。

 

とにかく理屈っぽくて。山田太一のセリフの理屈っぽさは好きです。

だけどそれって、ある程度の年齢がいった人じゃないと耐えられないでしょう?

しかも今回の理屈っぽさは、渡瀬恒彦と榎本明の喧嘩や言い合いのシーンに凝縮されているんですが

「何もそこまで面倒に考える必要があるのか?」と思ってみたり。

一方で、歌っていた人達の背景はうすーくしか語られず

特にガン末期の青年なんて、え?そうだったの?状態。詩的なセリフがあったけど、そこだけかなあ。よかったの。

 

総じて、だらだらとしたドラマではあったけど、起承転結の付け方など「脚本はこう書くのです」という

教材的な役割を持っているような気がします。

きっと紙の上で読むと、情緒的でいい作品だったんだろうなあと。

それをきっちりドラマ化出来ないのはプロデューサーの力量がないから?

「男たちの旅路」「高原へいらっしゃい」「岸辺のアルバム」等、山田太一作品は独特のセリフ回しがあり

非常に理屈っぽい。庶民を描きつつも登場人物がインテリである・・・というのが特徴かなあと思ってます。

そういう意味では渡瀬やいしだあゆみはベストキャラだったかなあ。

榎本・鳳ペアもすごかった・・・けど、若手全員の存在感がイマイチだった事が残念 力不足か脚本のせいか。

それとこの所の山田作品は「老い」をテーマにしすぎる。マイナス思考なんだよね。

必死にもがいているのはわかるけど、自然じゃないの。

それって脚本家自身が「何をしたらいいのかわからない」状態に陥っているからじゃないのかなあ。

 

それにしても・・・・いしだあゆみの劣化が激しすぎ。痩せすぎ。どこか悪いの?

 

 なるようになるさ 

浅野温子ウザイ・・・って言ったら叱られる?

あの語尾を下げる、変な抑揚をつける言い方、何とかならないのかしら?

ネットではわざとやってる。矛盾と長セリフ脚本を完全に小馬鹿にしているとの書き込みがあったけど

そう思われても仕方ないよね。

橋田ファミリーじゃない二人が主演で、「渡る世間・・・」の呼吸は出ないでしょう。

 

志田未来が1回目とキャラが大きく変化。いきなり説教するわ、いい子になるわ。

ひきこもりの安田君、一晩で改心し翌日にはピエロになってちらし配り。

でも橋田ドラマの真骨頂はこういう矛盾にあるのではないのです。

 

最初に、3男が家に帰って来て「泊まる」というのに「あなたの部屋はないわ」と言い放つ母。

「3人も息子がいるんだから、誰か一人は残って後を継いでくれると思ったからこんな大きな家を

建てたのに全員出て行った。それを責めてるんじゃないの。だからお互いそれでいいって話。

今はコンビニとかあるんだから1週間くら一人で暮らせば?」

これが一番爽快なシーンだったかなあ。

こう言い切れる母ってなかなかいないと思うのよね。

それと泉ピン子の料亭に翔君の両親がやってきて、散々愚痴をこぼすシーン。

夫が「お前は干渉しすぎなんだよ」というけど、妻は「子供が間違った方向に進まないようにすることの

どこが干渉だっていうの?」と譲らず。

どっちもよくある話で。奥さんに同情しちゃった

愛は重いものなのよーーー

 

それにしても、「きっちんあや」はお客が一人も来ないんですけど、オープンイベントくらい

やるべきだったんじゃ?

そもそもご近所も、オープンしているかどうかわからないんじゃないの?

 


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