パンパカパーン パンパカパーン
我が家の可愛い姫ちゃんは無事に20歳の誕生日を迎えました
おめでとう
今も覚えています。1993年8月10日は寒かったっ 戦後最大の冷夏で米騒動が起きた年。
朝、おしるしがきてちょっと陣痛・・・なので旦那に午前中一杯家に居て貰ったのですがそれ以上に
なる気配がなく。
仕方ないので午後から旦那は会社に。
私は久しぶりに胃に圧迫感がなく熟睡・・・・でも夕方から陣痛が始まり とはいっても我慢できない
痛みではなく、旦那が帰宅するのを待ちぎりぎりの状態で病院へ行ったのが午後10時。
それから30分後、あっという間に生まれたのが姫ちゃんです。
姫ちゃんったら、おぎゃあと元気よく泣いたのはいいのですが、泣き止まず・・・産湯をつかっても
何しても泣き止まず。ついに助産師さんに「どうしたっていうの?あんた」って言われた
生まれて30分もしないうちに「叱られ」経験を持つ姫なのでありました
その後、私が大出血を起こして転院し、姫も一緒に移動したのですが、ほっとかれているうちに
頭の形が変になっちゃって おまけに体重はがんがん減り「ミルク飲まない」とか言われて。
こっちは死にかけているのにーー不安な入院生活を送ったのでした。
キラキラネームのわけ
姫の名前はとある少女小説からきていまして。非常にオーソドックスな名前だと思っているのですが
赤ちゃんの時からキラキラネームだと思われて来たようで。
名前をちゃかされるのが嫌だった姫。でも今は好きになってくれてよかったーー
姫を妊娠し、女の子だと分かった時、私はちょっと不安になりました。
雇用機会均等法世代とはいえ、日々フルタイムで働き、育児も家事もおおむね請け負っていた私は
「この世に男女平等なんてないっ いつまでたっても男中心主義だ!何で男だからって子供の面倒を
みなくてすむわけ?何で子供が熱出しても休まなくていいわけ?」なんて悩んでいた時期。
嫁姑問題もかかえ、「女でいること」がすごく嫌だったんですよね。
だから、女の子が生まれると知り「この子もそんな苦労をするのかも」と思うと不憫で不憫で
だから、少女小説のヒロインの名前を与えたというのは、どんな逆境にも負けずに強くプライドを持って
生きて行って欲しいという願いの表れだったのです。
当時からアニメからとったのか?とか色々言われた名前ですが・・・・最近では「キラキラネーム」の範疇に
入るんですね
いやーー本当にオーソドックスな名前なのにね。
愛情独り占めの姫
体重2500グラムで生まれた姫ちゃんは、産着の中にすっぽり隠れてしまう程小さく・・・・
布おむつが腹巻のようになり、甲高い声で泣く赤ちゃんでした。
旦那は姫の為にベビーベッドを「女の子仕様」に変えて・・っていってもシーツがキャラクター模様になり
哺乳瓶がスヌーピーになった程度ですが。
でも、姫が夜中に「きゃあ」って泣くと、旦那はぱっと飛び起き「どうしたの姫ちゃん!」とあやしはじめる。
ジュニアの時は面倒だーーって風情だったのに、娘は違うのか?
姫の為なら洋服をいくら買っても文句を言わず、小さくて軽いのでずーーっと抱っこしててくれるし?
父親はそれでいいけど、母の私は心配事が一杯。
小さくて哺乳力が低いのか、あまりミルクを飲まず、体重も増えなければ便もでず。
毎日心配で心配で・・・お腹をさすり続けていた感じです。
お兄ちゃんが2歳でお昼寝の時は、起こさないように姫を台所のマットの上に寝かせ・・・泣き出したら
外に連れて行く毎日。
姫がミルクを飲んでいる時に限ってジュニアは「おしっこ」といい、慌てて哺乳瓶を離してトイレに連れて行く。
一度哺乳瓶を離してしまうと、てこでも飲まない頑固さ。
そんなこんなで心配ばかりしていた印象があります
ジュニアの赤ちゃん返りがひどくて、とても手がかかったのですが、妹には非常に優しい兄で
それをいい事に姫は、動けるようになるとお兄ちゃんのおもちゃを壊したり、背中に乗ってがんがん暴れたり・・・
「ママーー姫があーー」というジュニアの悲痛な声が響きました。
何事にも慎重派の兄に比べると姫は無鉄砲で時々、突拍子もない事をする子でした。
ダディの両腕を掴んででんぐり返しをしたり、高い所から飛び降りたり。
おまけに結構ちゃっかりと人を使うのが上手で、郡山宮を従僕のように連れ歩き、自分の好きなものを
買わせる術にたけていました。
ダディもお兄ちゃんもじーじも姫には逆らえないのでありました。
私ですら・・・・・ひどく私を怒らせたとき、まだ4歳くらいの姫が黙ってお盆の上にビールとコップを
持ってきて、つぎはじめた時は思わず笑ってしまい いやーー気が利くっったら
世話焼きの面もあり、私が何度も入院する度、一生懸命に「ママ、ジュース欲しい?」と声をかけてくれました。
長幼の序とお手伝い
ジュニアと姫を育てるにあたって私が一番重視したのは「長幼の序」と「家事能力をつけること」でした。
今時、兄弟であっても平等であり、「お兄ちゃんなんだから」と言ってはいけないと言われた時代になぜ?
と思う向きもあるかもしれませんが、両親の兄弟とか郡山宮夫妻の兄弟、親戚等の争いを見てきた私には
「兄弟間の争い」程醜いものはないと思いました。
どうやったら兄が妹を可愛がり、妹は兄を愛するようになるんだろう・・・自然に育ててそういう意識が生まれる
ものだろうか。兄弟のいない私には、旦那と兄のよそよそしい関係に不安でしたし、自然に兄弟愛が芽生えるなら
争うわけないし・・・と。
で、ジュニアには「妹を守りなさい。あなたにとってたった一人の妹だから」といい、姫には「お兄ちゃんは偉いのよ」
と言い続けました。そして保育所でも学童でもいつも二人一緒。家に帰って来ても妹と遊ぶのは兄。
喧嘩をしたら、二人の言い分を聞きつつもラストは「お兄ちゃんの言う事を聞きなさい。お兄ちゃんは偉いのよ」と
言い続けました。こういう事でジュニアも下手な事は出来ないわけですね。
家事能力で言えば、私が全くできなかったし気が利かないと散々言われてきたので、子供達にはそんな思いを
させたくなくて、小さい頃から洗濯物を畳む事や洗い物を教えて来たのですが、常に兄と妹が協力してやって
くれたので、わりとスムーズでした。
姫は我が家の太陽
女の子が一人家の中にいる・・・というのはそれだけで明るくなるものですが
姫は特別でした
非常にわがままでそのくせ怖がりだったり、頑固で融通がきかない面があったのですが、とにかく
よくしゃべる子で・・・・
ジュニアが熱を出すとほぼ一日ぐーぐー寝ているので、その存在を忘れちゃうくらいだったのですが
姫の場合、ちっとも寝てくれず その代わりどんなに高い熱でもやたら元気で、やれ「テレビ見たい。
アニメみたい」とか「お菓子頂戴」といい、さらに人形で遊べとか・・・まあよくしゃべる事喋ること。
郡山に行くと、一日中あれこれ喋っているので老人達の最高の「癒し」になり
今はなき、宮妃の母である「ひいおばあちゃあん」も外孫の姫が可愛くて仕方ないみたいでした。
一度は姫とまりつきの競争をしようとして・・・・(80を超えていたんですが)転んじゃったとか?
ゆえに、姫が一人家の中にいるとぱあっと明るくなり、彼女は「ふぶき家の太陽」になったのでした。
それは今も変わらないですね
いやーー姫がいないと家の中が静かだし・・・・郡山に行ってもそれは同じで、お隣のおばさまなどが
「姫ちゃんこないのかい?」と寂しそうにするし。
姫と宝塚
姫と宝塚の付き合いは3歳くらいからです。
私は、育児休業時間中は、とにかくビデオが唯一の楽しみで。
で、「アルプスの少女ハイジ」のビデオ全巻買って延々と見せたり、「サウンドオブミュージック」などの
ミュージカルの映画なども流し続けたりしてたんです。
そこに宝塚が加わり 芝居の意味がわからない姫もショーは楽しいようで。
彼女の記憶に最初に残ったショーが「ジュビレーション」の雪女のシーン。怖くて仕方なかったそうです。
初観劇は月組の「LUNA」で1000days劇場に。年長さんの頃ですね。
おとなしく座っていられたので、これは大丈夫かなあと。
「イーハトーブ夢」「夢・シェイクスピア」などがお気に入り。その後「ホップスコッチ」を生で見て
音月桂にハマるわけですが・・・・・
今や母よりジェンヌの名前を知っているという状態で・・・・(汗)
「私がこうなったのは(宝塚が好きになったのは)ママのせいだからね!」と言います。
「どうしてくれるのよ。毎月、チケット代とかDVD代とか半端じゃないわよ」と・・・・すみません・・・・・
でも断言するけど、男役の好みはママの方が上。あんたは自分を不幸にするタイプの男役ばかり好きになるわねーー
姫と反抗期
万年反抗期だと思うんですけど。
ちっちゃい時は無鉄砲だったのに、何でもお兄ちゃんと一緒の時期が長かったせいか
いつのまにか「一人じゃ何もやらない」人になってしまい・・・
高校生を卒業しても電車に一人で乗れないとか、一人で日比谷に行けないとかー
何でもあんでも「ママーー」といい、アドバイスすれば必ず逆のことをやり・・・というわけで
思春期の姫とのバトルはすさまじかったと思います。
こちらもね、小さいヨンジュナと思春期の娘を抱えて結構大変だったんですよ。二人で反抗期ですもん。
親としては、娘の行く末は安定させたい、地道に歩かせたい。結婚に不利な状況は作りたくないと
色々考えて言っているのに、その全てを「嫌だ」と拒否して今に至るわけで。
ここまで来たら自業自得よね 教える事は教えて来たのだから、あとは好きにしてーーって感じ?
少なくとも一人になった時に「卵焼きつくれないー」なんて事にはならないだろうと。
(それが一番大事)
姫ちゃんはグリーティングが好き
現在、ディズニーランドで楽しい職場生活を送っている姫ちゃん。
いわゆる「営業」は向かないなんじゃないか?と思っていたけど、夢の世界は姫に似合っていたようです。
その中でも姫は「グリーティング」と呼ばれるお仕事が好きなんだそうです。
これはちょっと暇な時間に、ぬいぐるみなどを使って子供達に声をかける「客寄せ」ですね。
特にシンデレラの靴を持ってのグリーティングは非常に好きになったようで、またやりたいと。
普通は「恥ずかしくてやだーー」って事になりそうなんですが
「それもこれもママのせいよ」とまた言われました。
赤ちゃんの頃から私が、指人形を使って毎日お話を作り、それが楽しかったんですって。
へえ・・・そうなの・・・・ありがたい事ですわ。こんな所で役に立つとは。
おかげで今も我が家のぬいぐるみには全員名前があって、それぞれ性格も違い、それを時々
全部やらされるのでこちらは大変なのよ
ヨンジュナも「やってー」とせがむし。一度ぬいぐるみを出してくると次から次へと・・・いい歳した姉と弟が
「ママーーお話やってー」ってくるんですから。疲れます。
姫とジュニアとヨンジュナ
姫の理想の男性はどこまでも「お兄ちゃん」です。
私もね、最近、やっとジュニアのいない生活に慣れ、思い出さなくなっているのに、姫と来たら
家にいても一緒に外出しても必ず一度は「お兄ちゃんったら・・お兄ちゃんだったら」と口にするので
その度に思い出してしまい
こんなんじゃ永久にカレシが出来ないよーーと危惧する母です。
ヨンジュナに関しては、「我が家でもっとも厳しいママ以上のママ」状態。
「ママが甘やかすからこんな風になるのよ」が口癖で、姫は絶対に妥協しません。
「一人でお風呂に入りなさい」
「一人で着替えなさい」
とまあ、当たり前だけどビシバシしつけております。すみませんねえ・・・甘い母で。
それでもヨンジュナがひとたび「お姉ちゃん」と呼ぼうものならメロメロになる姫。
もっか、彼女は
「いつかヨンジュナに嫁が来たら、小さい頃の話を全部暴露してやる。それも結婚披露宴で」と
企んでおります。
20歳の姫へ
先日、ママが成人式に着た着物を試着した姫を見た時、胸がいっぱいになりました。
「伝統」なんか何一つない貧しい家ではあるけど、ママの両親が一人娘の為に誂えて
くれた着物がこのような形で復活するとは。
一枚の着物にこめられた思いや志をしっかりと胸に記憶し、伝えて行って欲しいものです。
成人式の姫はきっと綺麗でしょう。だってママの娘だからね。
それに・・・宝塚を好きになってくれてありがとう。
結果的にママがあなたに伝えられるものはこれしかなかったけどね。
姫はママに反抗しつつも「でも我が家は言いたい事を言いたい放題言える家」と言ってくれました。
ママやダディに遠慮したり、口ごもったりせず、自己主張を貫き、その通りにさせてくれたから
まあ、いい家なんじゃないかとも。
ママとしては、大人の言う通り大学へ行って企業に就職して・・・と思ったよ。今だって半分は。
今後、学歴がない事が色々な所でハンデになるかもしれない。
軽くみられるかもしれない。
でも、今まで「学歴」に負けないくらいの教養は与えてきた筈です。品格もね。
だから、今後はそれを大事にして、壁を乗り越えてください。
大人になれば必要なのは知識よりも教養です。沢山の本を読み、芸術に触れ、相手の身になって
考えるような生き方をしてほしいと思います。
姫はママの自慢の娘です。
姫を産んでよかった。
3人子供がいたって、姫は唯一の女の子。そして我が家の太陽。
最近は、姫に色々な場所に連れまわされるようになり。「ふぶきちゃん」と呼ばれ
すっかり力関係が逆転したなあと思います。
でも、それでいいんだよね。老いては姫に従うべし。
ママの「老い」を受け止めて下さい。
20歳になって・・・・一緒にお酒が飲めるね。
ジュニアは一緒に飲んでくれないけど、姫は一緒に居酒屋へ行ってくれるんだよね。
それを楽しみに生きて来たようなものですよ。
娘と晩酌。いいじゃないですか。ママのささやかな願いがかないそうで嬉しい。
ママは大抵疲れているから、姫ちゃんのおしゃべりを真剣に聞いてないように見えるけど
ちゃんと聞いてるよ。そりゃあ時々は子守唄にしちゃってるけどね。
それくらい、姫はおしゃべりだって事。
真夜中にも関わらず、優雅に宝塚見ながらもぐもぐと夕食を食べる姿に「羨ましいなあ」と思い、
たっぷりとうっとしい程の長い髪を貞子状態にする時は「ママだって昔は髪が多かったんだよ」と思い、
ママ譲りの色白の肌を見せて「ママの方が日焼けしてる」とか言う時は小憎らしく思い、
若さを見せつける姫に「負けたーー」と思います。
ママにだって綺麗な時期はあったし、若かったんだよーせいぜいその若さを謳歌なさい。
いつか、本物の大人になった時に、ママと同じ悲哀を感じる日が来るから。
そういう気持ちを共有できるのも母と娘のいい所ね。娘との絆は一生切れる事はない。
これからもよろしくお願いします。