土曜日に見に行って来ました。
日比谷ではオクトーバーフェスをやっていたので、そこでちょこっとビールを飲んで帝国ホテルのレストランで
順番待ちしてたら、美弥るりか、紫門ゆりや、沙央くらまが通り過ぎて行きました。後ろに並んでいた方が
「今の方、ジェンヌさんですか?」とお聞きになったので、パンフレットを出してご説明。
喜ばれました。宝塚ってまるっきり知らない方とも会話が弾みます。
そうそう、舞台が終わってエスカレータに乗るため、ものすごい人の波にのまれつつ、友人と
「飛鳥裕さん出てたねーー何でかなーー」と話してたら、まるっきり知らない前を歩いていた方が
「次の組長さんです」と教えて下さいました。そんな誰でも知り合いになれるのが宝塚のいい所です。
総じて「つまんない」の一言。でも、もう一回見る予定があるので・・・・・
ルパン
正塚先生にしては変わった始まり方だなあーーと。
歌で状況説明から入り、セリフ部分をがんがん歌に変換。
これだけでも彼にとっては大きな冒険だったんじゃ?
よく出来ましたと褒めて差し上げたいけど、それにばかり気をとられて起承転結がめちゃくちゃになって
しまいました。
金貨の話、大公の謎の自殺、4人の後見人・・・ここらへんがさっぱり呑み込めなくて
このままストーリーがわからず、最後まで行っちゃったらどうしようーーって不安になりました。
死んだ筈のルパンが、カーラの後見人となって生きていた。
自殺した大公・・・その理由は最後までわからず
しかもカーラは大公の実の娘じゃなかった
ルパンとヘアフォード卿とドナルド・ドースンの位置関係は何となくわかったけど、
もう一人の役割はなし?
4人もの男性に囲まれて色恋沙汰があったのはルパンとだけ?
横恋慕してたカーぺットも唐突だなあ。
最初から最後まではりついているモーリス・ルブランも、そうする必要があったとは思えません。
過去と現在がごちゃごちゃになってしまって、わかりにくかったから。
何より ルパンがカーラを愛しているという感情が伝わってこなかったし、
カーラの無感情状態も理解不能。
橋渡し役のヘアフォード卿は何歳の設定なの?そんなに魅力的な女性に恋をしないってなぜ?
結局、何が言いたかったんだよーー ラストでやっと結婚って喜んだのもつかのま。
キスシーンに邪魔が入るという・・・
考えるとこの主人公二人はキスもなしで抱き合ってすらいない。ラスト以外はっ
それは奥ゆかしいというよりよそよそしいっていうんじゃありませんか?
越乃リュウ、最後なのにこの扱いは何!正塚先生
恐れ多くも組長の退団なのよーーもう少し気を遣えって。
さらさらストーリーが進んで終わったので、終わった事に気づかなかった観客多数。
いいの?これで。 お願い。もう少しまっとうな脚本を書いて下さいよ。
Funtastic Energy
中村一徳作なので、また踊りまくりかと思ったらやっぱりそうでした。
それもほとんど意味のないダンスの羅列でした。
銀橋に一人ひとり出して歌わせるとか、それぞれ芯を持たせるとか、
まるで「誰が二番手にふさわしいか」というテストの
ようで・・・そういう事、公の場でやって欲しくないのよね。あざといったら。
単純に凪七が二番手に入れなかった事。
龍真咲がピンでは不安な事・・・回りの芸達者さん達を無視するわけにいかない
事など、歌劇団の事情がすけてみえるようなショーは見てて面白くありません。
そういうのは歌劇団内でやってくれれば。
ロケットは綺麗にそろってて、真ん中のくるくる回ってた子が素敵でした。
出演者について
龍真咲・・・前2作までは「トップなのに役替わりなんてかわいそう」と思っていたけど、今回ピンになって
やっぱり一本立ちは無理だったんじゃないかと実感。まるでお目付け役のように北翔がくっついての
お芝居。ショーでは北翔の方が踊りまくる始末では。
芝居に関して。龍は春野寿美礼以上のへんてこな言い回しを直さない限り
将来はないと思って頂きたい。
いくら大仰な芝居が要求される宝塚でも、あのイントネーションはあまりにもおかしい。
演技力がないので型通りにセリフをしゃべって「男役風に」見せているだけという印象。
ルパンという役柄は非常に魅力的だと思います。世界に名をはせた怪盗であり、
孤独をしょっている。女にもてる。
にも関わらず終始クールでぶれない・・・宝塚のヒーローとしての要素は全部持っているんです。
でも龍のルパンはクールというより表情に乏しい。孤独というより感情に乏しい。
特に娘役との絡みがあまりにも表面的。
そりゃあ、悪いのは脚本だよーー正塚脚本はさらっとしているから。
でもだからって、もう一緒になって3作目になる
相手役と心を一つに出来ないのは問題ではありませんか?
ショーでは、激しい踊りは全部回りにやらせて、真ん中からぽーんとセリ上がって、
歌いまくってあっさり引っ込む・・・という今時のトップとしてはあまりにも古臭いパターンでびっくりです。
歌いまくっても、滑舌が悪いので何を歌っているのかよくわからないし、デュエットダンスは
熱くないしなあ。愛希が遠慮しているようにも見え。よそよそしさを感じるんですけど。
愛希れいか・・・ショーでは歌って踊れる娘役でほぼ完ぺき。
トップの面目躍如でしょう。しかし、芝居になると感情表現に乏しい素人っぽい。
カーラは大公の娘で王族の血を引き、多くの人から特別視され、さらに何人もの男性から
愛されるトップ冥利の役です。でも、愛希をみていると、そこまで魅力的に見えない。
特に父親が自殺した大公ではなかったとわかるシーン。え?一瞬うろたえて終わり?
ちょっとまてーー自分の出自の問題だよ。亡くなったお父様やお母様の思いとかさ・・・
カーベットに裏切られ言い寄られる所も「助けに来てくれたのね」で倒され「え?」で
驚き、言い寄られて「そんなっ」という一連の動きが型通りで個性がない。
社会的な経験が少ないから、役に感情移入できないのかもしれませんね。
この方は暫くショーオンリーでいいのでは?龍の代わりにどんどん銀橋に出て歌って
踊って欲しいです。
北翔海莉・・・芝居ではモーリス・ルブラン。
用があってもなくても舞台にはいるという感じで、それはいいっちゃいいけど
勿体ない使い方だなと思いました。北翔がルパンだったら面白かったのに。
龍とは古巣の付き合いな筈なのに親密さが見えなかった事も残念。
ほっくん、昔の組に戻った感じがしなかったもの。
ショーではこれでもかっと踊りまくる。でも歌をもっと聞きたかったかも。
美弥るりか・・・友人が「星組風の演技で浮いてた」といい、うーんそうかもと。
星組風って?要するにどこでもキザるって事。
安定した演技に歌唱力に色気のあるダンス。ほぼ完ぺき。
銀橋でも華があったし色気がありました。だけど背丈が・・・・
凪七瑠海・・・ヒゲが似合わない。二番手になろうとしているのにこの若さ。
いいのか悪いのか。一言でいうと頼りない。
ひょろひょろして声が不安定で自分にあまり自信がない。
組替えしたばかりというのは言い訳にすぎません。
何人も同期がいるし、北翔だって一緒だったしね。
沙央くらま・・・・一番正塚作品にあっていたような気がします。
あのナチュラルなセリフ回しは貴重です。それだけに
浮いてたと言われたらそれまでですけど。
慬花ゆりの・・・・最初、男言葉でびっくりしたけど星条とのコンビがぴったり
似合っててかっこいい女性だなあと思いました。
娘役っていうか副組長でしたっけ?そんな立場の女性をかっこいいと
思うのは珍しいのですが。
星条海斗・・・いわゆる「銭形警部」の役ですよね。おいしい役所だからなのかも
しれませんが、とにかく間合いのよさに大いに楽しませて頂きました。
正塚作品における「笑い」はほとんどが間合いですから、それを外すと
とんでもない事になるので。
ショーにおいても非常に目立っていて安定感がありました。
龍真咲・愛希れいかは生え抜きトップコンビ。組子からもっと信頼されていて
みんなが盛り立てよう!みたいな空気があっておかしくないのに、あまりそういうのを
感じる事が出来なかったのはなぜなんでしょうね。
上級生ががらっと変わって、それぞれの組を引きずっているような雰囲気だから
ぎくしゃくして見えるのかなとも ツーといえばカーみたいなものが欲しいです。
今回は、組長も退団。長年雪にいたナガさんが組長になるというと、またそこで
カラーが変わるでしょうし。じゃあ、月組のカラーってそもそもどんなものだったの?
と・・・真琴つばさ時代が懐かしいという感じです。
龍には厳しい事ばかり書いていますが、もう3作目だという事を意識して成長して
欲しいし、観客にちゃんと夢を見せて欲しいから。それは愛希もそう。いつまでも
「組んだばっかり」風ではちょっとーー
組替え組も一日も早く馴染んでくれる事を望みます。
下級生達の方がずっと安定していますよね。新人公演の方が面白いのでは?
エトワールの琴音和葉が可愛い