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今時の女の子に読ませたい昭和の少女漫画8

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はみだしっ子前半のピークまでご紹介します。

  これ、表紙ですが、当時「表題」は最初に収録

 されている作品名が普通。それなのにはみだしっ子は時系列順に収録されて

いて、タイトルは最後のもの。っていうのが不思議でした。

 「階段のむこうには」

登場人物・・・サーザ・グレアム・ダルトン(グレアム)

         エイダ

         おばちゃま

ストーリー・・・グレアムはピアニストの父の元で厳しくピアノを仕込まれている。

        母は男性と駆け落ちしてしまった。

        だから面倒を見ていたのは隣にすむ母方の伯父さん一家。

        中でも「おばちゃま」はサーザを大層可愛がり、それを見ていた娘の

        エイダは嫉妬の炎を燃やす。

        サーザが父の虐待により片方の目を失うと、おばちゃまはサーザに

        目をあげて・・・と言い残して自殺。

        その事がきっかけてサーザは家出。資金はおじさんが出している。

        でもサーザに恨みを募らせるエイダが現れて。

 

小さい頃はアイダって嫌な奴だなと思いました。

散々嫌がらせして、一方で可愛いマックスにメロメロになってしまう。

でも、それが母の愛情を横取りされた・・・という気持ちからだと今はわかります。

エイダがマックスを大好きなのに、どこかおばちゃま似なんですね。

のちのちエイダはグレアムの理解者になっていくのですが、ここでの壮絶な

ドラマがあり、印象的な作品です。

ちなみに、サーザが黒しか着ないのは「喪服」の意味、そしてアンジーはここで

松葉づえを外します。

 「レッツダンス オン」

登場人物・・・4人

         ジョン

ストーリー・・・公園で寝泊まりしてた4人を拾ったのは遊び人のジョン。

       彼は自分のアパートに連れて行き、家賃を前払いさせ、ディスコに

       遊びに連れて行く。

       人生、初めての刺激にグレアムとアンジーはその音に飲み込まれそうに

       なっていく。

       ある日、ジョンが消える。実は彼は詐欺師だった。危うく犯罪の片棒を

       担ぐかもしれなかった4人。別れてようやく互いを取り戻したのだった。

 

今もって難しすぎて意味がわからない作品です。

でも、ディスコという非日常の世界に埋没する事で、グレアムとアンジーは

「自分一人だったら気が楽なのに」とか「今の事だけ考えていればいいや」と

そんな軽薄な思いにとらわれて、思わず年下のサーニンとマックスの事を

放り出しそうになる・そんな怖さを扱った作品です

子供が不良になりかける時の微妙な心情とでもいうんでしょうか?

「せつな的」と表現されています。

マックスが「ジェットコースターに乗りたい」と散々訴えるのに、仲間が全く

耳を貸さない・・・でもラストでやっと「遊園地に行こう」とマックスを気遣う

グレアム達。年齢の割には重すぎるものをしょっているんですけど、なんだかんだ

いって逃げ出さないいい子達です。

 

 「夢をごらん」

登場人物・・・4人

        マスター

ストーリー・・・映画館で時間を潰していた4人が出会った喫茶店のマスター。

        その喫茶店で暫く暮らす事に。

        マスターはその昔、戦争に行った事があり、そこに人を殺し、その

        罪悪感から彼女とも別れ。

        またこの町は、川むこうとは仲が悪く、4人は子供同士の喧嘩に

        巻き込まれてしまう。

 

これまた非常に難しくて解釈のしようがない作品で

自分に読解力がないなとつくづく思うんですが。

多分テーマは「集団としての個か個の集まりが集団なのか」というような?

マスターは戦争でいとも簡単に引き金を引き、相手にも自分と同じような

生活や個性があった・・・という事を考えなかった。

川向こうの連中はこちら側からしたら「人間」というより「ただの敵」にしかすぎない。

自分対相手。互いに人間で互いに生活があり・・・という、当たり前の事が

「争い」の元では消えてしまうという深いテーマなんですよねーー

 「はみだしっ子3」というタイトルの表紙ですが

収録されているのは「残骸踏む音」他・・なんです。

要するにタイトルと中身がリンクしないというのも初体験でございました。

 「残骸踏む音」

登場人物…4人

        メイのママ

        メイ

ストーリー・・・メイのママは実は人買い。家出人を捕まえては売り飛ばす商売。

        そこに4人が現れ、アンジーが女優のイブ・ホーンそっくりな事を知り

        子役として提供しようとする。

        そのためにサーニンを誘拐して地下室に閉じ込める。

 

メイは何も知らない女の子で、まさか母親が犯罪者なんて・・・という部分が

可哀想で。しかもその母親は恨まれて刺されてしまい。

アンジーの過去とサーニンの過去がほんの少しぶつかる作品です。

 「そして門の鍵」

登場人物・・・4人

        シドニー・マーチン

        イブ・ホーン

        サーザのパパ

ストーリー・・・4人はサーザの父親が探している事を知り、シドニーの屋敷に

         逃げ込む。シドニーはマーチン一族の長ながら親族によって

         屋敷に幽閉されている。鍵を持っているけど開けたが最後

         殺される危険性があるのだ。4人なら救い出してくれるのでは

         ないかと期待するシドニー。

         アンジーは実の母、イブ・ホーンに会い、正式に「別れ」を告げ

         グレアムもまた父親と会い、虐待されようとも戻らないと宣言。

         そんなグレアムとアンジーに触発されたシドニーは自ら門の鍵を

         あけて自分の運命を受けいれ、戦っていく事を決意。

 

話としては面白いけど、難しい。

イブ・ホーンの性格がどんどん変わっていくのが怖いし、グレアムのパパは

今なら犯罪者ですよーー

さらにシドニー・マーチンはこれからずっと4人に関わって行くんですけど・・・・

なんせシドニーの友人、アルフィーは「動物園のオリの中」にチョイ役で出てきた

おじさんだったので。

そこらへんの「ああ!あの時の・・・」はファンとしては嬉しいのですが、ここから

先のストーリーはどんどん哲学的になって行く印象です。

 

4人の年齢はどう考えても10歳前後。

だけど、グレアムとアンジーは酒を飲むし、煙草も吸うし・・・でも全然不良っぽくない。

むしろ、年齢のわりには、大人と同じ言葉を使うので・・いや、大人以上に

難しい言葉を使うのでそのギャップが面白いんだと思います。

年齢相応なのはマックス

マックスは物語ではアイドルのような扱いですね。

 


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