皇族とは
皇族とは「天皇」に連なる血筋の人です。
一人の天皇がいて、その妻・子供・孫・兄弟すべてが「皇族」です。
彼らは全て国から俸禄を受け取る「国家公務員」です。
古代より、この皇族が増えすぎる事が問題になり
「律令制」によって「天皇から5世孫まで皇族。それ以降は臣籍降下」となりました。
武士の時代になり、皇室は貧乏になりました。
それで、皇族の抑制が行われます。
でもそれでは皇位継承者の保持が難しいという事で
江戸時代に伏見・桂・有栖川・閑院の4親王家だけは残し、
東宮と宮家の跡取り以外は男も女も全て僧侶にされました。
寺に入れば読経三昧。一歩も外にに出られません。
「天皇の子」「宮様の子」としての、ある程度の「尊敬」は受けても
生活自体は苦しかったと思います。
明治になって、彼らが一斉に開放され、それぞれ宮家を建てました。
明治政府はまだお金がなかった時代だというのに、どんどん宮家を建てたんです。
それは一重に明治天皇が後継問題に頭を痛めていたからでしょう。
明治天皇の4内親王はそれぞれ宮家に嫁ぎ、あるいは嫁ぐことで新宮家を建て。
4親王家から枝分かれしたり、有栖川・桂両宮家が断絶したり。
色々あって11宮家残りました。
じゃあ、その11宮家の方々がみんな品行方正だったかというと・・・・・それがそうでもない。
海外留学して帰って来ない
海外留学して外国人と結婚すると言い出す
生活の拠点を東京に移さない
皇族をやめたがる
こんなんばっかっ どんなに明治天皇や大正天皇がいさめたって聞きやしない。
特に李王家の一人などは詐欺事件まで起こす始末。
明治維新の苦労を知らない2世代目が特に品行不良というか、
天皇軽視に走ったと言われています。
今とあまり変わらないですね。
香淳皇后の実家、久邇宮家などは「宮中某重大事件」で怪文書をばらまいたり
して暗躍。小和田さんとどこが違うの?状態。
今よりずっと莫大な財産を有した皇族方の問題には宮内省も天皇も
大いに頭を痛めていたでしょう。
それでも皇族・華族の男子には「義務」がありました。
軍人になること
です。多少体が弱くても、成績が悪くても軍務につかないと。
職業選択の自由はありませんでした。
嫌なら平民になるしか道はないわけで。
皇族・華族の女性にはどんな役割があったのでしょう。
それはたぶん
結婚
の義務はあったと思います。その女性が持つ血筋が男系男子にさらなる箔をつける
という役割があったのです。
精神状態がいいか悪いかなどは全く問題になりませんでした。
統合失調症でも嫁ぐ事は出来たのです。
天皇・皇太子以外の「皇族」は全てにおいて「血のスペア」でしかありません。
万が一の場合にしかお役に立てない。
しかしながら、その時がいつ来るのかわからないし、当今から血筋が
遠ざかれば遠ざかる程「自分は一体何者なのか」と悩むと思います。
特に年長でありながら庶子だった場合とか、男兄弟の末っ子だったりとか
した場合、昨日までは直宮だったけど、代が変われば内廷外皇族になるとか
昨日までは「殿下」だったのに今日からは「〇〇伯爵」と呼ばれ、
当主とは明らかに線引きされる現実を受けいれるのは結構大変だったと
思うんですよね。
天皇にならないのに、宮家当主にならないのに「皇族」であることに
何の意味があるのか・・・・
今風に考えるなら歌舞伎役者の家に生まれた女性・・・のようなものでしょうか。
11宮家にしても、5代までしか皇族でいられないし、養子は禁止されているので
最終的には滅びる運命でした。
たられば・・・の話ですが
もし、今上が生まれる前に秩父宮に男子が生まれていたらどうなったかなと。
直宮として戦後も残った秩父・高松両家には子供がおらず、粛々とひっそりと
断絶への道を歩みました。
野心があったとしたら三笠宮でしょうけど、まさか3親王全てが先に亡くなるとは
思わなかったでしょうね。
では残った女王方の役割はなんでしょうか?
本来なら、皇族女性として20代のうちにしかるべきところに降嫁するのが「義務」でしたが
なんせ紀宮が35歳まで結婚しなかった「先例」がある以上、宮内庁としても
降嫁を強制するわけにはいきません。
彬子女王は「宮家当主」になりたい。そうすることで「宮家に生まれた女性」としての
葛藤を解消したいと思っているようです。
そう。
多分、女王方の思惑は「下手に臣籍降下して生活の苦労をするよりも
皇族として税金を使い、広い屋敷に住んで好きなことをやりたい」だと思います。
高円宮家の絢子女王と眞子内親王はほぼ同時期に留学から帰国しました。
眞子内親王はすぐに総裁職に就き、公務や祭祀が立て続けであるのに比べ
絢子女王は引き続き大学に残るらしい。
承子女王があしかけ8年くらい学生生活を楽しみ、現在はお仕事してるらしいけど
結構な自由を謳歌していることもまた事実で。
そうなってくると、21世紀の今、「皇族とは何か。何のために存在するのか」とあらためて
考え直さないといけません。
っていうか、「皇族であること」が
「働かなくても贅沢な生活が出来る一度なったらやめられない職業」に
してはいけないと思います。
そういう俗っぽいことを皇族自身が考えるようになったから
国民もまたそういうものだと思ってしまう。
東宮家はさらに「力で押さえつける事が出来る特権」も持っているから始末が悪い。
金あり・地位あり・権力ありの東宮が天皇になったら
皇室全体が「特権階級」と見られるようになるでしょう。
でもそれは近代皇室を築いた明治天皇の意志ではないし、古来の慣習でもありません。
天皇にとってもっとも大事なことは「祭祀」に他なりません。
国家の為に祈る事、その仕事をスムーズに行う為の諸々の「特権」なのです。
祭祀はしないけど、レジャーは行う。
「最高の学歴」さえあれば全ての特権を手に入れられる・・・・という高度経済成長時代の
間違った価値観が今も生き続けている皇室。
そして皇族とは生まれながらに特権を享受できる非常に運のいい人達の集まりである。
なんていう事がまかり通ったら皇室は滅ぶでしょう。