原節子さん死去
9月に亡くなっていたことがわかりました。94歳。
「永遠の処女」と言われ、「神様のよう」とまで言われた大女優。
その引き際の鮮やかさゆえに伝説の女優となりました。
目が大きくてパーマがかかった髪。
ちょっと日本人離れした容姿は本当に美しい。
清々しくて清潔で上品で。
古きよき女優を体現したかのような姿。
私は結構戦前の映画を見るのが好きだったりして。
戦前の女優といえば
田中絹代 高峰秀子
高峰三枝子 山口淑子
入江たか子
轟夕起子
多分、戦前は目がぱっちりしている人が流行だったんでしょう。
原さんの戦前の出演作品・・・・「若き日の歓び」あたりを見た記憶が。
綺麗だけどそれほど上手とは言えない感じ。
演技力でいえば田中絹代だけど、彼女は好みではなかったなあ。
でも、田中絹代の「妃殿下」のような上品さったらなかったし、高峰秀子の元気な感じも
高峰三枝子の息をのむ美しさも大好きです。
原節子といえば「東京物語」でしょうね。でも、あれって主役じゃないでしょ。
出番だってそんなに多くはないし。
戦死した息子の嫁で、老いた舅姑に優しくしてくれる・・・という役どころ。
いいとこどりの役でした。
「安城家の舞踏会」の方が綺麗だったんじゃないかな。
原節子という人はパッと見の美しさをぬけると、じんわりとした美に惚れます。
最終的に「こんなにきれいで上品な女優さんが日本にいたんだなあ」と
嬉しくなったり、逆に今を思って悲しくなったり。
古き良き日本人の象徴だったのかもしれませんね。
心からご冥福をお祈りします。