5月16日ーー退院まで
翌朝、目覚めてからも傷は痛いし、何となくぼおっとした感じで
それでも昨日よりはいいかな・・・・という感じ。
それでもナースは容赦なく「起きてみましょう」
早く動く事が重要なのはよくわかるけど、こんなに手術直後から「動け」と命令
するのは日本だけなんじゃないか?私って病人扱いされているのかしら?と
疑問符がつくほど。
「体を起こしてしばらく座ってみましょう」
「足を動かしたり、体をねじってみたりしましょう」
わかってはいるんだけど・・・そりゃ、足は動くけど・・・・
「まあ、完璧っ やっぱり回復が早いんですね」なんておだてられて
いい気になって・・・そうか?じゃあ、もうちょっと・・・なんて。
でも抗生剤や痛み止めの点滴のせいか、常に眠気とだるさが襲い、そうなると
毎回のごとくあらわれる「何もする気にならない」状態に
「何で動けないの?」とか・・・変に落ち込んできていらいら。
姫が午後からやってきて「ママ、昨日よりは元気そう」とほっとした様子。
娘がいてよかったーーこういう時は娘だよねって思ってたら
点滴ぶら下げて歩く段になったら「行ってらっしゃい」とすげなくて。
流動食の食器を下げてって言ったら「自分でどうぞ」
なんだよーー何しに来たんだよーー と、ひとしきり言い争い。
何で・・・?昨日手術したばかりなのに。
夕方、尿道カテーテルの違和感がひどくて寝ていられない状態に。
このままじゃ膀胱炎になっちゃうと訴えて、管を抜いてもらったら
あっさりトイレでガスとお通じ。
え?こんなにあっさりしたもんなの?
そして回診に来たドクターに「頭がぼおっとして」って言ったら
「じゃあ、痛み止めの点滴をやめて内服にします」
え?私の希望のボタンがーーー 外されちゃった。
そのお陰なのか?夜には一人でトイレに行けて下膳も出来て、すっかり気分は
「普通の人」になってしまいました。
次の日からは少しずつ痛みにも耐えられるようになったし、歩く歩数も増えました。
勿論、ちょっと歩くとすぐに疲れてしまうけど洗面とかトイレとか、そういうのは
全然平気になってしまって
19日はヨンジュナ君の運動会です。
前日から来ていた郡山宮夫妻がお弁当などの準備をしてくれて
しっかり見てきてくれて。それはありがたかったんですが。
帰りに寄ったお見舞いでの最初の一言が・・・・
郡山宮 「少し痩せたんじゃないの?髪も短くなって。
その体型を保って少し母親らしくしたら?」
なんだって?太ってると母親じゃないのか?
そういう自分はなんだよーー
宮妃 「あらーー元気そうじゃない?私の時なんかね・・」
と椅子に座るなりマシンガントーク
結末は常に「家族・・・誰も来ないの?って聞かれたけどねえ。この子(旦那)は
高校生だったしね」といかに自分は一人で入院生活を乗り切ったかの
自慢話。
当時、宮妃は45歳。岩手の病院に入院していたものの、両親は郡山に健在。
兄嫁達もみんな付近にいたのに一切知らせず、彼らはたまたま病院で会った
ご近所さんから知らされるという有様で
宮妃としては気を遣ったつもりでも、家族にしてみれば身内の入院も手術も
知らされず、まして付き添いが必要だったのに「行かなかったの?」なんて
聞かれた日には・・・目から火が飛び出る思いだったでしょうね。
郡山宮 「家族に迷惑をかけたんだから、退院した後はしっかり母親業を」
宮妃 「とにかくじっとしてちゃ駄目。どんどん歩くんだーー歩けばいいんだーー
最近は子宮筋腫の人なんて沢山いるもんねーーとっちゃえば平気なんでしょ」
この二人が何か喋るたびに胸にズキズキ来るのは何でだろう
(私、子宮筋腫で手術したんじゃないんだけど)
そのせい・・・とも思わないけど、点滴が外れてからは入院しているのが
申し訳ないような気分になってしまって。
入院中、暇な時間は何をしていたかというと、ひたすら「読書」
トルストイの「復活」上下巻を二日で読み終わってしまい、お友達が貸してくれた
林真理子の「ANEGO」も1日で読み終わり・・浅田次郎の「降霊会の夜」も
あっという間・・・ドストエフスキーの『悪霊」1巻を2日で読み終えたところで
退院。
一日1冊くらい読んでいた計算で、こんなに読書したのは本当に久しぶり。
そうはいっても、「動けー歩けーー」の声が耳に響いて。
旦那にまで「ダイエット、頑張ってね」とか言われる始末で。
私の手術ってそんな程度のもん?
なんせ、退院の時など宮妃からのメールに「頑張って鍛えてください」の文字が。
がーーん って感じでした。
ナースだけでしたよーー「大きなお仕事したんですから無理せずに」なんて
言ってくれたの。
でも、おかげさまで予想以上に元気になるのが早くて、ありがたいと思いました。
今日は午前中、頑張って外にでたんですが疲れがひどくて午後からは
バタンキュー状態。手術以来、悪夢をよく見るようになりました。
だから目覚めが悪くて。
見た目と自分の感覚には差があるんだと思いました。
傷は時々ひきつりますし、出血もあります。
やっぱり一ヶ月くらいは用心しつつ、過信せず頑張って行こうと思います。