母さん、元気ですか?
僕も元気です。
9月になったというのに全く涼しくなりませんね。おからだを大事にしてください。
先日、私達の皇室に40年ぶりに親王殿下が誕生されました。
その日の事を、母さんはどう思われたでしょうか?
空はどんよりと曇って、今にも雨が降り出しそうではありましたが、
「親王誕生」の知らせに僕はただ・・・ただ感無量で、何の感情なのかわからないけど、とにかく
熱い涙が頬から溢れて止まらなくなりました。
母さん、日本には神様がいらっしゃいます。本当にいらっしゃるのです。
このようなタイミングで・・・・あの女帝容認一歩手前のこのタイミングで親王がお生まれになって。
僕はここに皇祖神の御心を知ったのでした。
それは僕だけではなく、僕の職場の皆が感じた事でした。
上司の話によると妃殿下は明るい顔で「行ってまいります」とおっしゃったそうです。
そして手術室へ。
親王誕生後もあっさりと「ただ今」とお戻りになられた妃殿下。でもその手術室の前には
ピストルを持った婦人警官がお守りしていました。
どうしてかって?
それ程、危険な事だったのです。宮家のご出産が。
無事に何事もなくご出産あそばされ、親王殿下誕生となった時、婦人警官らは安堵のあまり
膝が震えたと言っていました。
歴史的瞬間に立ち会ったのですから、それは無理もない事ですね。
陛下も
「無事出産の報せを受け、母子ともに元気であることを知り、安堵(あんど)しました。
様々な心労を重ねた10か月であったと思いますが、秋篠宮夫妻が、その全てを静かに耐え、この日を迎えたことを喜び、心からのお祝いの気持ちを伝えたく思います。
2人の内親王も、この困難な時期を、一生懸命両親に協力して過ごしてきましたので、今は、さぞ安心し、喜んでいることと思います。
医療関係者を始め、出産に携わった人々の労をねぎらい、この度の秋篠宮家の慶事に心を寄せ、安産を祈願された内外の多くの人々に、深く感謝の意を表します」
と北海道からお祝いをおっしゃったのですが、一方の皇太子殿下からは
「ご無事のご出産おめでとう。妃殿下の手術が無事に終わることを祈っています。
両殿下も親王殿下もお身体をお大切に」
とのメッセージが発表されただけでした。
僕は帝王切開というものがどういう手術なのかよくわかりません。
でも、出産のあとに「手術が無事に終わる事を祈っています」というでしょうか?
まるで前もって書いておいて、そこに「親王」「内親王」どちらかを入れて完成させるかのような文章でした。
一説には殿下は怒りのあまり怒鳴ったと言いますし、妃殿下は部屋におこもりになったと。
めでたい親王殿下誕生の瞬間に、マイナスの態度しか取る事が出来なかった皇太子ご夫妻には違和感を覚えるというか、まるで小説の悪役のようですね。
両殿下は親王殿下誕生の2日後には恐竜展を見に行かれました。
マスコミは意気消沈している皇太子ご夫妻の複雑な表情を捕らえようとしていたようですが、残念ながらお二人とも上機嫌でした。
その2日後にはご一家で大相撲を見学されました。
アイコ様は記憶力がよくて、関取の名前を全部覚えているという程の相撲好きでいらしたようですが、国技館では鼻をほじくる姿が雑誌に掲載され、終了後は妃殿下とアイコ様だけ別な方向へ行かれました。
なんというか、皇族らしい振るまいをもうお忘れになったようです。
皇室には順番があります。
アキシノノミヤ家のご出産のお祝いは身位の高い方からいかれるのです。
ご一家はディズニーアート展を見に行ったついでに病院に足を運ばれたのです。
どこまでも宮家の親王殿下誕生などお祝いする気はなかったよです。
世の中というのは恐ろしいもので、今やマスコミ全てが皇太子一家の味方です。
親王殿下がお生まれになった朝、ワイドショーのアナウンサーは喪服のような恰好で
「一応、オメコメ出さないと」と言いました。
政治家もマスコミも遠慮がちで、特に雑誌や新聞は、こういう結果になってマサコさまの心情が
どれだけ傷つくかとそればかり。
宮家に待望の男子が生まれたというのに、これはないだろうとがっかりしました。
でも僕は、まだその時はわずかに希望を持っていました。
それは妃殿下がああでも、殿下は・・・せめて殿下はそうでない事を祈っていたのです。
しかし。
妃殿下のおじい様、つまりあの悪名高い会社の社長だった人がついになくなりました。
日本一の公害病を発生させた会社、そして彼は被害者をさして
「腐った魚を食べたからだ。このド庶民が」と言った人です。
正当に取材をしていた外国人記者を半殺しにしたのも彼です。
公害が起きた地域だけではなく、この国の人達全てが嫌悪するだろう人です。
その人が妃殿下の身内というのも何の因果でしょうか。
でも、彼が亡くなったからといって、妃殿下はともかく殿下は弔問すべきではありませんでした。
勿論、常識的にしないだろうと思っていました。
ところが、皇太子一家で弔問をなさったのです。
僕はその時、皇太子殿下がすっかり妃殿下の実家に取り込まれた事を知りました。
それと同時に、僕の身辺も慌ただしくなり危険な兆候が見え始めました。
母さん
母さんによもや別れの手紙を書く事になろうとは思いもよりませんでした。
母さんの最期を看取るのは僕の役割と思っていました。
僕はまだ少しも親孝行をしていない。
せっかく僕が皇宮警察に入った事をだれよりも喜んでくれた母さんを悲しませる事しか出来ない自分が不甲斐ない。
悲しいし、辛いです。
でも許して下さい。
もう僕は生きていけません。
せめて親王殿下のご誕生を見届ける事が出来た事が唯一の歓びです。
僕がこれ以上生きていると迷惑をかける人が沢山います。
その中の一人に母さんもいるのです。
どうか先立つ不孝をお許し下さい。
どうか、母さん、おからだを大切に。
天が親王殿下をお守りくださいますように。